農林水産省東北農政局が発注した宮城県亘理町での東日本大震災の復旧工事を巡り、入札情報を漏らした見返りに飲食や宿泊の接待を受けたとして、山形県警は28日、同省九州農政局西諸農業水利事業所付、白谷光市容疑者(58)=宮崎市清武町=を加重収賄の疑いで逮捕した。また、落札業者の開成工業広島営業所長、古閑大己(ひろみ)容疑者(54)=広島市安佐北区=を贈賄容疑で逮捕した。県警は2人の認否を明らかにしていない。

 逮捕容疑は、白谷容疑者が同省東北農政局仙台東土地改良建設事業所に勤務していた2014年11月、同社東北営業所長だった古閑容疑者に河川の水門を復旧する工事の設計金額や入札参加予定業者などを漏らし、同年11月~昨年4月に複数回にわたって仙台市内で飲食など計十数万円相当の接待を受けたとしている。

 県警によると、同社は東北農政局の発注工事を13~15年度に計17件落札しており、余罪を調べている。

 九州農政局の金丸康夫局長は「国家公務員の信用を著しく傷付ける行為で、はなはだ遺憾。詳細な事実関係を調査し、厳正に対処したい」とコメントした。【藤井達也、松尾知典】


毎日新聞