4月2日
王子動物園へ…




3月31日
タンタンが天へ旅立ったという速報が流れ
神戸市民に深い悲しみをもたらしました。
その翌日にパンダ舎の桜が初開花し、まるで桜がタンタンの死を惜しんでいるかのようでさらに悲しみが深まりました。

タンタンが日本での生活をスタートした頃
私は結婚し、新たな人生が始まったばかりでした。
タンタンと一緒に再出発したようで勝手に親近感を持ち、その時から自然とタンタンが生活の中にいた気がします。





震災後の神戸を励ますために日本にやって来たタンタンでしたが、その後度重なる不運に見舞われ彼女の生涯は波瀾万丈でした。
そのたび健気に生き抜くその姿に自身の人生を重ねるようになり、そんな人達が神戸には多くいました。

故郷の中国への返還も
事情で延期が続き結局帰れなかったのは
きっと神戸に深い縁があったからかな。
今となってはそう思うのです。

飼育担当の方々の最後の会見で
「タンタンは家族や友人以上の存在だった」と涙された姿を見た時、彼らのそばで生涯を終えたことはきっと宿命であり幸せだったのだと私は思っています。






タンタンの最も印象に残っている姿として、2022年12月のある休園日のことを思い出します。

めったに外に出なくなったタンタンが、その日はめずらしく外に出て気持ちよさそうに日向ぼっこをしている姿が放映されました。

飼育員さんは「最近はあまり見ない姿だから嬉しかった」と仰っていましたが、来場者がいない静かな園内でリラックスしていたのかな😊
その時の記事は嬉しくて保存してあります。

この場所で低い石にあごを乗せてほっこりしていました。

微笑むような穏やかな表情に
何を想っているのかなと和んだものです。

もう会えないなんてやっぱり寂しいな。








夫と献花台を訪れるとすでに花束の海でした。
そこには来場者からの手紙もたくさん添えられていました。

子供から大人までどれほど人々に愛されて
勇気を与え続けていたのだろうと涙がこぼれました。








園内や王子公園駅を歩くと
タンタンの形跡を残すさまざまな場所は
まだ温かな空気感を纏っていました。










死産、パートナーとの死別、闘病生活…
不運と孤独を乗り越えて人間の心まで癒やしてくれました。

どんなときも「タンタンファースト」の体制で
24時間全力で守ってこられた飼育員の方々
長い間、お疲れ様でした。




タンタン
コウコウに再会したらゆっくり過ごしてね。

2001年に買ったポストカードがあります。
タンタンとコウコウが一緒です。

神戸に来てくれてありがとう。