人生劇場 新・飛車角 | 日刊タカナリ

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※あくまで個人的な感想なので、参考程度にご覧ください。

戦争による悲劇。



「人生劇場 新・飛車角」



『浅草のやくざ白根組の代貸しである吉井角太郎は、組を抜ける覚悟で愛するまゆみと一緒になった。
しかし幸せな日々は、角太郎に送られた召集令状で終わりを迎えた。』


1964年公開。

監督:沢島忠。

脚本:笠原和夫。

原作:尾崎士郎。

出演:鶴田浩二、佐久間良子、長門裕之、大木実、加藤嘉、宇佐美淳也、明石潮、春川ますみ、山本麟一、佐藤慶、志村喬、西村晃。


シリーズ3作目。

ある理由により、前作との繋がりは全く無く、舞台となる時代も違います。

戦争によって幸せを壊された角太郎とまゆみ。生きて帰る事が出来たものの二人は離ればなれ。二人は再び一緒になることが出来るのかが描かれています。



再びまゆみと一緒になりたい一心で生き残った角太郎でしたが、まゆみと離ればなれになっただけでなく、組や社会も変わっていました。

組は角太郎の知らない商売に手を出し、角太郎を尊敬している奴はほとんどいなくなります。一般人は全体的に貧しくなり、やりたくない事にまで手を染めてしまいます。
いくら角太郎が止めるように促した所で、そうしないと生きていけないので、みんな必死です。

戦後はこういう、世界が変わりすぎてて困惑した人結構いたでしょうね。



問題なのが、角太郎とまゆみの最終的な結末。

戦争というのは悲しみしか生まないというのを、改めて感じました。これは悲しすぎます。
任侠映画なので、ただでは幸せにはならないとは思っていましたし、前回同様の結末も想像はしていましたが、こんな悲劇的になるのは予想外。

苦労と苦しみを知ってるからこそ、二人にはどんな形であれ幸せになってほしかった。



あの男は、女が反抗しないからって好き勝手やって本当に腹が立つ。
今だったら女性も強いから、必要以上に男をボコボコにしたでしょうね。

ボコボコにして欲しかった。