L.A.コンフィデンシャル | 日刊タカナリ

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おすすめの映画やマンガ、製作したプラモ、イラストを紹介していきます。
※あくまで個人的な感想なので、参考程度にご覧ください。

事件に翻弄される男達。


「L.A.コンフィデンシャル」


『1950年代、アメリカ・ロサンゼルス。
当時、裏社会を牛耳っていたミッキー・コーエンが、脱税容疑で逮捕。コーエンがいなくなった裏社会は、“次のミッキー・コーエン”を目指す輩が次々と出てきていた。

そんな中、女性に甘いバド・ホワイト刑事は、クリスマスパーティーのために酒の買い出しをし、署に帰ってきた。すると署に、“警察官がメキシコ人に暴行された”という情報が入ってきた。そのメキシコ人が、署内の檻に入っていると聞いた警官達は、報復のためにそのメキシコ人達のもとへ向かった。』




1997年公開。

出演:ラッセル・クロウ、ガイ・ピアース、キム・ベイシンガー、ケビン・スペイシー、ジェイムズ・クロムウェル、ダニ―・デビート、デビッド・ストラザーン。


血の気の多いバド、若手野心家のエド、スター刑事のジャック。
6人の男女が惨殺される事件に翻弄される3人の姿が描かれます。




まず主役とも言える3人のキャラクターから。


バドは女性に弱く、暴行を受けていたり、傷付いていたりした女性を見ると、すかさず助けに入ります。
さらに捜査方法も、手荒で暴力的です。銃で口を割らせたり、頭に血が昇るとすぐに手が出ます。

今じゃダメですけど、こういう刑事昔はいっぱいいたんですよね。
正直今の時代に生まれて良かったと思います。


エドは、エリートでかなりの野心家です。出世が一番の男です。
刑事科に配属になるも、仲間を売った事によって孤立無援となってしまいます。本人は大したことないように思っていますが、自分一人じゃ出来る事にも限界があります。仕事に支障をきたす恐れがあるんですが、嘘のつけない正直な男なので、悪い事は悪いと言ってしまいます。

強がってはいましたけど、一人は辛いです。
陰口が常に聞こえてくる環境なんて最悪ですよ。


ジャックは、テレビにも出ている麻薬科の刑事です。
バドと同じく女性に優しい男です。
さらにこの人も野心的な所はありますが、警察内での地位はあまり気にしてないようで、テレビなどで有名になる方を優先しているような気がします。


この3人が、最終的には一つの事件を捜査する事になります。



話は、「血のクリスマス」という警察内部で起きたメキシコ人暴行事件から始まります。
メキシコ人が警官に暴行し捕まりましたが、そのメキシコ人を警察署内の留置所にとりあえず入れたのが始まり。
事件に怒った警官達が留置所に突撃。集団暴行に発展してしまいます。それを止めようとエドは一人で頑張りますが、止めることは出来ませんでした。

エドはこの事を正直に上司に報告。これがきっかけで出世します。
それと同時に、“仲間を売った男”とされ、みんなから嫌われます。


「血のクリスマス」で処分された男は、バドの元相棒で、事件を包み隠さず報告したエドに非常に怒っていました。

隠すのは悪いですが、エドにはもっと良いやり方があったように思えます。怒らせないように、仲間にも信頼されるようなやり方。
頭は良いんでしょうけど、不器用な男ですね。

その相棒はというと、メキシコ人の事件の後、カフェで起きた男女6人惨殺事件に巻き込まれてしまいます。
バドは相棒が殺された事で怒り、犯人を見つけたらすぐに殺しそうな精神状態になっていました。
一方エドは、手柄を立てようと躍起になっています。

そんな二人が、それぞれの方法で捜査していきます。

そしてジャックは別の事を捜査しますが、最終的に合流します。

3人が並んで捜査するということはなかったんですが、いつしか3人とも同じ目的に向かって捜査しているのは、なんか熱くなりましたね。



3人では捜査しないんですが、このうちの2人での捜査は、終盤にあります。
まさかこの2人が一緒に捜査する事になるなんて想像していませんでした。そしていきなりなのに連携がちゃんと出来ています。見ていて気持ちが良かったです。

そして真犯人はまさかの人物でした。
これも、この人だとは想像していませんでした。怪しいとは思ってましたけど。
よくもまぁ今までバレずに隠れてたものです。でもまぁ、あそこなら入りさえすれば、疑う人はいないでしょうね。容疑者からまず外れますからね。
この展開にはびっくりしました。

さらに、最終的にエドがどう変わるのかも見所ですね。
最初のように絵に描いたような正義を目指しているのか、悪い方に染まるのか、それとも別の正義を見つけるのか。
どちらにしても今回の事件を機に、組織というもの学んだのではないでしょうか。
おそらくもう仲間は売らないでしょうね。



結構評価が高いこの作品。
評判通り、熱さと驚きと激しさがあり、非常に面白い作品でした。

個人的には好きですね。