Flying Kidsと出会ったぼくは、一時期狂った
ように彼らのデビューアルバムを聞いた。


勾当台公園でのライブでやった曲の大半が
収録されていたから。

※勾当台公園のライブについてはこちら


ボーカルのおにいさんもかっこ良かったけど、
ギター小僧のぼくは当然、ギターに注目。



彼らはギターが二人いるのだけど、一人は、
バッキング重視のギタリスト。



もう一人は、超絶なカッティングを見せたかと
思えば、ジャジーなソロを弾く超絶ギタリスト。



それがオオカミ男だった。



その頃のぼくは、ハードロックのイディオム
バリバリの音楽ばかり聞いてた。


その頃だと、Dokkenとか、イングヴェイ
マルムスティーンとか、ちょっと古くなるけど、
Led ZeppelinとかRainbowとかね。



ぼくより少し年代が上だと、Jeff Beckとか
その後のフュージョンを聞いたりしているので、
Jazz系のコード進行とか、スケールをよく
知っている。


でも、ハードロック系は、ペンタトニックとか
ハーモニックマイナー7とかが中心で、よほどの
鬼で無い限り、おんなじ感じに収斂する。


だから、80年台前半辺りから後半は、
ギタリストが1小節に如何に音符の数を
詰め込むことを競ってた。



その頃の楽譜は、1拍の間に6個音をだす
6連符とか、ひどい場合、11連符ってのを
見たことが有る。



まるでサーカスだった。



でも自分がそのレベルに達しないから、
スゲーって思って聴いてた。

※ぼくは練習しても、16分音符で引き続ける
 レベルまでしか行かなかった。
 せいぜい行っても2拍9連ぐらい。
 その速さだと制御できないので、ライブでは
 出たとこ勝負って感じだった。


だから、ZeppelinとかRainbowとかDeep Purpleに
戻っていったのかもしれない。


そういった状況だったから、彼のスタイル、音使いは
とっても新鮮だった。


ファーストアルバムを耳コピしようとしても、
音は取れるけど、どこのフレットで弾いているか
わからない。


ちょっと手に負えないなぁと思っていた頃、
GuitarMagazineで、彼らの曲のバンドスコアが
掲載された。



幸せであるように


彼らのデビューシングル。
1990年4月4日発売。



ぼくはこの曲が大好き。
オオカミ男のソロが素晴らしい。

※歌詞もね



1990年の4月5月は、これを流しっぱなしに
してた記憶しかない。

※たまには、NRとかTOTOとか聴いてたけど。


車の中でもカセットで聴いてた。



当然、そのスコアを手に入れてから必死に練習して
CDと一緒に頑張って弾いてた。


最初は、うまく弾けなかったけど、なんとか
オオカミ男のソロも弾けるようになった。



焼きそば食べていた彼にちょっと近づいた気がしたよ







時は流れ、1998年2月。



そろそろ結婚しようとしてた頃。



彼らが解散することになった。



その頃は、静岡にほぼ常駐していて、
土曜日の深夜に家に帰り、月曜日の朝早く
静岡に移動する毎日。


毎日疲れ果て、音楽どころではなかった。


98年の3月に彼らの解散記念ベストアルバムが
発売された。



ぼくは3月末までプロジェクトで忙しくて、
4月からはある程度落ち着いた生活になった。



ある金曜日、久しぶりに事務所に出勤した昼休み。


ふらっとCDショップに入った。


あ、FKのベストだ・・・。



本当に解散したんだなぁ・・・。



その場で購入した。


彼らのアルバムは全部持ってるので買う必要は
なかったのだけど、記念にね。



家に帰ってCDラジカセに載せた。



勾当台公園のライブのこととか思い出して、
胸が切なくなった。






結婚して、子供が生まれた後の2008年。



彼らが再結成することになった。



とても嬉しかった。



その年は彼らのライブに2回行った。


ライブハウスでのオールスタンディングのライブ。


オオカミ男は相変わらずかっこよかった。






その翌年の2009年11月21日



また、彼らのライブに行った。


会場が温まった後半のボーカルのMC。






ぼくたちはデビューしてから20年たちました。


この曲も、もう20歳です。


ぼくたちもあなたたちもこの曲と同じように
20年、歳をとった訳です。


その間に


結婚した人もいるでしょう。


家族を亡くした人もいるでしょう。


子供も生まれた人もいるでしょう。


恋人とわかれた人もいるでしょう。


でも、この曲は20年変わりません。




「幸せであるように」






聴いてて、それまでの20年を振り返って
涙が出てきた。



涙ながしながら半分呆然として、聞き惚れた。



曲が終わって、会場は一瞬とても静まり、
その後で大歓声、拍手、口笛。



涙流してたぼくはちょっと恥ずかしくなって、
手の甲で涙を拭った。


周りの人たちも同じように涙を拭ってた。



人それぞれの20年。



こんなに多くの人の記憶を呼び起こす曲。



一度聴いてみたほうがいい。



※1回聴いてから、再度、このブログを読み返すと
 更に、意味がわかります。
 聴いてから読んだけど、分からない?
 コメント下さい!それにreplyしますよ。

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