道士嘉挧は死んだ。
ダイレンジャーの後ろ楯であった、いや、父親とも謂うべき存在。
何故、何故、何故。
何度問うか。何度も問う。心の内から。
泣き止まない。泣き止めない。
涙が尽きても、悲しみは癒えない。
嘉挧が死んだという事実が、ダイレンジャーの胸へと刻まれたのだから。
「道士…………」
亮は手を離せなかった。
嘉挧の躰から体温が消えていくのを、力が抜けてしまったのを認めたくないと言わんばかりに。
「!!?。道士……」
同じだ。父の時と。
遺体から光の粒が巻き上がっていく。
握っている筈の掌から、感触が無くなっていく。
「おじ様………」
天に召された、とでもいうのだろうか。
嘉挧はもういなかった。
亮は掌を見る。
握っていたはずなんだ。
さっきまで、ほんのついさっきまで。
もはやその感触すらない。
「さよなら、道士……」
亮は嘉挧の死を受け入れる。
「みんな、いつまでも泣いてんじゃねぇ……。俺達にはやることがあるだろうッ!」
立ち上がる。
そうだ。自分達はダイレンジャーだ。
嘉挧の仇でもあり、倒すべき奴らが。
「そうだよな。今度こそ、叩き潰してやるぜッ!」
わんわんと泣いていた将児も、力強く拳を握る。
他の面々も頷く。
怒りは力に、悲しみは刃へと変えなければ。
視線の先にはゴーマ宮。
本拠地に行くのだ。
ともなれば、これが最後の戦いになるだろう。
「ゴーマのアジトに…………突っ込むぞぉォッ!!」
嘉挧から託されたオーラチェンジャー。
すべてはこれから、始まった。
だから、これで終わりにしよう。
泣いてる誰かを微笑みに変える世界を、取り戻す。
『気力転身ッ!!!!!』
五色の戦士が、気力を練ってある金属質のスーツを纏った。
自らの気伝獣を呼び、いざ、ゴーマ宮へと向かっていく。
「見ていてくれ、道士。あんたの仇は…………俺達が必ず討つからなッ!!」
空間を抜け、樹海ともいえる森林を脱したキッズ達。
そこには、歴史のドラマにあるような石造りの家や市場があった。
そこには、現代科学で造った電子レンジやテレビもある。
もちろん、外国にあるような野菜や果実もある。
「これは……」
「ゴーマ市じゃ。まあ、ダオス文明はすべての文明の原型じゃ。不思議ではあるまい」
驚いた。
まだ、このような形態の文化を続けているなんて。
文明が滅びて6000年。それ以降も、形を残して時代をとり入れたということだろう。
だが、その暮らしは現代社会に則しているかというと、そうではない。
人々は古ぼけた発電機のようなものに妖力を流し、電気を生み出している。
様々な時代を内包した生活感は、もはや奇妙というより異常であると言えよう。
雛はワザワザこの道を通ってきたのは、これを見せるためだろう。
ゴーマの中にも市民がいて、貧困に喘いでいる。
彼らが欲しいのは、地球を侵略する支配者などではない。
救済すべく、向き合ってくれる指導者なのだ。
由貴は道端で人形で遊ぶ子どもを見る。
ゲームなど、ここにはない。
小さい子達に、雛は手を振っている。時々遊んでいるのだろうか。
思えば、人間の世界だって、争いの原点は変わらない。
その根底にあるのは貧困だ。
政治的思想の差異や宗教対立などは、後付けなのだ。
満たされない、他者は幸せなのに自分はなぜ。
欲しい。自分もあれが、あの幸せが。
些細な窃盗から戦争まで、キッカケはいつだって……。
「ゴーマ宮の中は、もっと混沌としておるぞ」
雛の視線、向けられているは逆三角形のゴーマ宮。
キッズ達はピラミッドを逆さまにした、巨大な物体だと認識している。
「もうじき麓に着く。心せよ。お前達が戦うのはシャダム中佐だけではない。軍上層部や元老院も出てくるでな」
軍上層部といえば、シャダムよりも上官である典韋大佐と戦った事がある。
勢い勝ちこそしたが、地力の差は埋めがたい程であった。
星纏装があるとはいえ、一度発動したら24時間は使用不可となる。
しかも、効果は1分間。
安易には使えない。
「さぁて、そろ………」
″ドンッ!!″
「どうやら先に大連者が行ったか」
龍星王ら気伝獣がゴーマ宮へと突っ込んだ様子をキッズ達は捉えた。
すぐにコウは辺りの気を探すが、嘉挧の気はない。
やはり、シャダムに斃されてしまったのだろう。
「みんな、これが最後の戦いだ………行くぞォォッ!」
『気力転身ッ!!!!!!』
『魔力転身ッ!!!!!!』
ダイレンジャーの後ろ楯であった、いや、父親とも謂うべき存在。
何故、何故、何故。
何度問うか。何度も問う。心の内から。
泣き止まない。泣き止めない。
涙が尽きても、悲しみは癒えない。
嘉挧が死んだという事実が、ダイレンジャーの胸へと刻まれたのだから。
「道士…………」
亮は手を離せなかった。
嘉挧の躰から体温が消えていくのを、力が抜けてしまったのを認めたくないと言わんばかりに。
「!!?。道士……」
同じだ。父の時と。
遺体から光の粒が巻き上がっていく。
握っている筈の掌から、感触が無くなっていく。
「おじ様………」
天に召された、とでもいうのだろうか。
嘉挧はもういなかった。
亮は掌を見る。
握っていたはずなんだ。
さっきまで、ほんのついさっきまで。
もはやその感触すらない。
「さよなら、道士……」
亮は嘉挧の死を受け入れる。
「みんな、いつまでも泣いてんじゃねぇ……。俺達にはやることがあるだろうッ!」
立ち上がる。
そうだ。自分達はダイレンジャーだ。
嘉挧の仇でもあり、倒すべき奴らが。
「そうだよな。今度こそ、叩き潰してやるぜッ!」
わんわんと泣いていた将児も、力強く拳を握る。
他の面々も頷く。
怒りは力に、悲しみは刃へと変えなければ。
視線の先にはゴーマ宮。
本拠地に行くのだ。
ともなれば、これが最後の戦いになるだろう。
「ゴーマのアジトに…………突っ込むぞぉォッ!!」
嘉挧から託されたオーラチェンジャー。
すべてはこれから、始まった。
だから、これで終わりにしよう。
泣いてる誰かを微笑みに変える世界を、取り戻す。
『気力転身ッ!!!!!』
五色の戦士が、気力を練ってある金属質のスーツを纏った。
自らの気伝獣を呼び、いざ、ゴーマ宮へと向かっていく。
「見ていてくれ、道士。あんたの仇は…………俺達が必ず討つからなッ!!」
空間を抜け、樹海ともいえる森林を脱したキッズ達。
そこには、歴史のドラマにあるような石造りの家や市場があった。
そこには、現代科学で造った電子レンジやテレビもある。
もちろん、外国にあるような野菜や果実もある。
「これは……」
「ゴーマ市じゃ。まあ、ダオス文明はすべての文明の原型じゃ。不思議ではあるまい」
驚いた。
まだ、このような形態の文化を続けているなんて。
文明が滅びて6000年。それ以降も、形を残して時代をとり入れたということだろう。
だが、その暮らしは現代社会に則しているかというと、そうではない。
人々は古ぼけた発電機のようなものに妖力を流し、電気を生み出している。
様々な時代を内包した生活感は、もはや奇妙というより異常であると言えよう。
雛はワザワザこの道を通ってきたのは、これを見せるためだろう。
ゴーマの中にも市民がいて、貧困に喘いでいる。
彼らが欲しいのは、地球を侵略する支配者などではない。
救済すべく、向き合ってくれる指導者なのだ。
由貴は道端で人形で遊ぶ子どもを見る。
ゲームなど、ここにはない。
小さい子達に、雛は手を振っている。時々遊んでいるのだろうか。
思えば、人間の世界だって、争いの原点は変わらない。
その根底にあるのは貧困だ。
政治的思想の差異や宗教対立などは、後付けなのだ。
満たされない、他者は幸せなのに自分はなぜ。
欲しい。自分もあれが、あの幸せが。
些細な窃盗から戦争まで、キッカケはいつだって……。
「ゴーマ宮の中は、もっと混沌としておるぞ」
雛の視線、向けられているは逆三角形のゴーマ宮。
キッズ達はピラミッドを逆さまにした、巨大な物体だと認識している。
「もうじき麓に着く。心せよ。お前達が戦うのはシャダム中佐だけではない。軍上層部や元老院も出てくるでな」
軍上層部といえば、シャダムよりも上官である典韋大佐と戦った事がある。
勢い勝ちこそしたが、地力の差は埋めがたい程であった。
星纏装があるとはいえ、一度発動したら24時間は使用不可となる。
しかも、効果は1分間。
安易には使えない。
「さぁて、そろ………」
″ドンッ!!″
「どうやら先に大連者が行ったか」
龍星王ら気伝獣がゴーマ宮へと突っ込んだ様子をキッズ達は捉えた。
すぐにコウは辺りの気を探すが、嘉挧の気はない。
やはり、シャダムに斃されてしまったのだろう。
「みんな、これが最後の戦いだ………行くぞォォッ!」
『気力転身ッ!!!!!!』
『魔力転身ッ!!!!!!』