15世は輿に乗ったまま、下を見下ろす。
けれども、何も声を掛ける事なく、運ばれていく。
「馬鹿なッ!。長年仕えた田豊将軍に、何もかけないのか?」
元老院においては、若輩にあたる周瑜だが、両者の関係は良く知っている。
憤慨する周瑜とは裏腹に、田豊は徐々に弱々しくなっていく。
「か…………く………………」
何かを伝えようとしている。
老いぼれた眼と口が、自らしか知らない事実を告げようとしている。
「じ、じゅう…………は………………ん…………ぎょ…………………………」
「!?。何ですか…………将軍?。田豊将軍ッ!」
望み叶わず、田豊は力尽きた。
その後、継承戦は予定通り開始になるという通達がなされた。
謀反の疑いがあるにしても、元老院の1人が死んだのだ。
それにも関わらず、死を悼むことも、真実を究明もしない。
15世に対する疑念は育つばかりであった。
「嘉挧殿」
「心配はいらない。孫策右大臣」
嘉挧は兜を被り、戦いの儀へと赴く。
田豊が殺されたのは、必ずシャダムが関わっているはず。
その業も、すべて自分が背負う。
シャダムが支配する世界など、認めてたまるものか。
そして、ゴーマコロシアムへ足をつかすのであった。
「たあぁッ!」
ホルスが炎の矢を放つ。
対するように、デーヴァは竜巻を生み出し、矢に向けて投げつける。
真空の渦が火矢を呑み、かき消してしまう。
そのままホルスが竜巻に巻き込まれ、吹き飛ばされて壁に激突してしまう。
「あぐっ……」
それを見たワイバーンは怒りのままに、その手に握るリンドブルムを振りかざす。
「まどかをよくもやったなぁッ!」
投げられた輪刀は電柱を斬りながら、サイドからデーヴァへと向かっていく。
しかし、慌てることはない。デーヴァはスゥッと腕を上げ、パチンッと指を鳴らす。
次の瞬間、リンドブルムはお互いをかすめながら一回転し、ワイバーンの下へと戻ってきてしまった。
「な、何で?」
「さあ、何故かな?」
背後に気配。
ワイバーンはドライバーのキーを一回転させ、リンドブルムに魔力を伝えていく。
「そこだァッ!」
振り向きながら、斬ろうと大振りをする。
その際で、ワイバーンは見てしまう。
何だ、あの円陣のオーラは。
デーヴァの周りにある見覚えのある円。
時計だ。
「戻せ」
次の瞬間、ワイバーンの思考と躰の動作は逆転していた。
腕は戻り、ドライバーのキーを押し返してしまう。
「時間が巻き戻っ…………ケェァッ!」
時間が逆行した事に驚く間に、背後に衝 撃 が走る。
そのまま真正面に位置する牛丼屋まで吹き飛んでしまう。
「う…………」
転身が解除され、陽介は打ちのめされたという字の如く倒れてしまう。
カバーしなければ、とマカラとアヌビスは牛丼屋の前に立った。
「陽介君をやらせないッ!」
錫杖を前にし、アヌビスはキーを2回回す。
その間に、マカラはカプリコーンより液化魔力を放出する。
魔力を帯びた液体は、まるで硫酸のように物体を溶解するのである。
デーヴァの頭上にあるアニメキャラが描かれた看板の脚を溶けていく。
支えがなくなり、看板はそのまま落下していく。
更に、アヌビスは錫杖をアスファルトへ突き刺した。
「″アースインパクトォッ!″」
刺した部分から魔力の圧倒された球が撃たれた。地を這った跡は抉られたようになっており、その威力を物語っている。
「大した技だが、当たらなければどうということはない」
黒い波動。デーヴァから発した波が道路を潰すように砕いていき、地形を変えてしまう。
加えて落下してくる看板が波動に触れると、外回りから潰れていく。
マカラとアヌビスにも波動は届き、内股になりながら地に伏してしまう。
「これは重力?」
躰が重く、金縛りにでも合っているかのように動かない。
マカラが波動の正体を見極めた矢先、″アースゲイザー″は地形が変動したせいで軌道が変化してしまう。
地力を吸った球はより強くなり、コンビニのあるビルを粉砕してしまった。
すぐにデーヴァは重力を逆転させ、マカラとアヌビスを宙に浮かせる。
無重力にされ、なすがままにされ周囲のビルにぶつけられてしまう。
ダイレンスーツに比べて強固な装甲があるものの、そのダメージは大きすぎる。
転身が解けてしまい、すぐには立ち上がれない程になっていた。
「さて、残ったのは…………」
バラバラで戦っても勝ち目はない。
けれども、何も声を掛ける事なく、運ばれていく。
「馬鹿なッ!。長年仕えた田豊将軍に、何もかけないのか?」
元老院においては、若輩にあたる周瑜だが、両者の関係は良く知っている。
憤慨する周瑜とは裏腹に、田豊は徐々に弱々しくなっていく。
「か…………く………………」
何かを伝えようとしている。
老いぼれた眼と口が、自らしか知らない事実を告げようとしている。
「じ、じゅう…………は………………ん…………ぎょ…………………………」
「!?。何ですか…………将軍?。田豊将軍ッ!」
望み叶わず、田豊は力尽きた。
その後、継承戦は予定通り開始になるという通達がなされた。
謀反の疑いがあるにしても、元老院の1人が死んだのだ。
それにも関わらず、死を悼むことも、真実を究明もしない。
15世に対する疑念は育つばかりであった。
「嘉挧殿」
「心配はいらない。孫策右大臣」
嘉挧は兜を被り、戦いの儀へと赴く。
田豊が殺されたのは、必ずシャダムが関わっているはず。
その業も、すべて自分が背負う。
シャダムが支配する世界など、認めてたまるものか。
そして、ゴーマコロシアムへ足をつかすのであった。
「たあぁッ!」
ホルスが炎の矢を放つ。
対するように、デーヴァは竜巻を生み出し、矢に向けて投げつける。
真空の渦が火矢を呑み、かき消してしまう。
そのままホルスが竜巻に巻き込まれ、吹き飛ばされて壁に激突してしまう。
「あぐっ……」
それを見たワイバーンは怒りのままに、その手に握るリンドブルムを振りかざす。
「まどかをよくもやったなぁッ!」
投げられた輪刀は電柱を斬りながら、サイドからデーヴァへと向かっていく。
しかし、慌てることはない。デーヴァはスゥッと腕を上げ、パチンッと指を鳴らす。
次の瞬間、リンドブルムはお互いをかすめながら一回転し、ワイバーンの下へと戻ってきてしまった。
「な、何で?」
「さあ、何故かな?」
背後に気配。
ワイバーンはドライバーのキーを一回転させ、リンドブルムに魔力を伝えていく。
「そこだァッ!」
振り向きながら、斬ろうと大振りをする。
その際で、ワイバーンは見てしまう。
何だ、あの円陣のオーラは。
デーヴァの周りにある見覚えのある円。
時計だ。
「戻せ」
次の瞬間、ワイバーンの思考と躰の動作は逆転していた。
腕は戻り、ドライバーのキーを押し返してしまう。
「時間が巻き戻っ…………ケェァッ!」
時間が逆行した事に驚く間に、背後に衝 撃 が走る。
そのまま真正面に位置する牛丼屋まで吹き飛んでしまう。
「う…………」
転身が解除され、陽介は打ちのめされたという字の如く倒れてしまう。
カバーしなければ、とマカラとアヌビスは牛丼屋の前に立った。
「陽介君をやらせないッ!」
錫杖を前にし、アヌビスはキーを2回回す。
その間に、マカラはカプリコーンより液化魔力を放出する。
魔力を帯びた液体は、まるで硫酸のように物体を溶解するのである。
デーヴァの頭上にあるアニメキャラが描かれた看板の脚を溶けていく。
支えがなくなり、看板はそのまま落下していく。
更に、アヌビスは錫杖をアスファルトへ突き刺した。
「″アースインパクトォッ!″」
刺した部分から魔力の圧倒された球が撃たれた。地を這った跡は抉られたようになっており、その威力を物語っている。
「大した技だが、当たらなければどうということはない」
黒い波動。デーヴァから発した波が道路を潰すように砕いていき、地形を変えてしまう。
加えて落下してくる看板が波動に触れると、外回りから潰れていく。
マカラとアヌビスにも波動は届き、内股になりながら地に伏してしまう。
「これは重力?」
躰が重く、金縛りにでも合っているかのように動かない。
マカラが波動の正体を見極めた矢先、″アースゲイザー″は地形が変動したせいで軌道が変化してしまう。
地力を吸った球はより強くなり、コンビニのあるビルを粉砕してしまった。
すぐにデーヴァは重力を逆転させ、マカラとアヌビスを宙に浮かせる。
無重力にされ、なすがままにされ周囲のビルにぶつけられてしまう。
ダイレンスーツに比べて強固な装甲があるものの、そのダメージは大きすぎる。
転身が解けてしまい、すぐには立ち上がれない程になっていた。
「さて、残ったのは…………」
バラバラで戦っても勝ち目はない。