道士嘉挧がダイレンジャーの下を去った理由、それは新たなゴーマ皇帝へと就き、戦いを終結へと導くためだった。
そのため、皇位をかけてシャダムと決闘をすることとなる。
嘉挧は必勝のため、自らの力を倍加させるために″気力と妖力の塔″を建てた。
事実を知った亮達は転身できないものの、塔を守るべく奮戦するのであった。
「はぁぁァァァ…………ハイイィィッッ!!」
亮の渾身の飛び蹴り。
ザイドスは右手で軽く受け止め、そのまま左の指を使ってデコピンをする。
「うわッ!」
その衝撃は人間同士がするソレとは全く別物であった。
脳天を貫通するような痛みが亮は感じた。
「でぇぇっはっはぁぁァッ!」
馬鹿にしてるという枠では収まらない。
埋め尽くせない、象と蟻程の力の差を両者が感じる程の笑いだ。
「野郎ッ!」
将児が駆け出し、亮を助けるべく全員がザイドスへと向かっていく。
「だあぁぁりやぁぁァッ!」
飛び上がり、空中で躰を捻り回す。
「天重星・″空中回転蹴りッ!!″」
回転を加えた重い蹴り。
しかし、ザイドスは軽く平手でポンッと触れただけで弾いてしまう。
「うおわッ!」
「転身も出来ない分際で、何が″てんじゅうせい″だ?あん?」
振り落とされた将児をカバーすべく、リンは掌に気を集中する。
「呀ァッ!」
竜巻を呼び起こし、撹乱しようとする。
それを難なく引き裂くザイドス。転身時に比べ、威力は大幅に落ちている。
大五と知も両サイドから、パンチを浴びせようと飛びかかる。
「ざかしいぃぃッ!」
両手を2人に向かせ、妖力を放出した。
勢いを殺されるばかりか、吹き飛ばされてしまう。
「うぐッ!」
「かぁぁ……」
野垂れ回る2人。
妖力波を敢えて拡散させ、全身へのダメージを変えたのだ。
威力はセーブしてあるが、生身のままでは十二分に体感する。
「大五、知!」
歩みよる亮達。
転身できないというだけで、ここまで差が出るものなのだろうか。
「弱い…………弱すぎるぞぉぉぉぉぉ」
嘲笑うという言葉では足らない。
ダイ族の血筋とはいえ、シュラと交じり薄まって、ダイレンジャーにならなければ遊びでしかない戦い。
それでもなお、立ち上がる亮達に、ザイドスは苛立ちさえあった。
「もう死合が始まる…………足掻いても無駄だぁァッ!」
田豊はゴーマ15世を迎えに来ていた。
定刻が迫ったものの、中々来ない15世を心配したのである。
謁見するための仮面を着け、扉を開けた。
「恐れながらゴーマ15世………」
礼をしながら、顔を上げる田豊。
反応が無い。奇怪な言動が多い15世だが、よもや側近である自分を無視するはずはない。
「田豊……」
「その声はシャダム!?」
15世の後ろにはシャダムがいた。
継承戦の前に候補者が皇帝に会っているなど、許しがたい行為である。
「シャダム、15世に何を…………ハッ!」
田豊は″視てしまった″。
15世の白く塗られた躰の一部、手の色…………。
「ま、まさか15世……」
田豊は15世が皇帝に就任する前から幹部である。
古くからゴーマの政務に就き、ゴーマの歴史とも言える人物だ。
彼が持つ知識は、″視てしまったもの″と、あってはならない出来事を推察してしまう。
「見たな田豊ッ!」
死合へと赴こうとする嘉挧。
相対するシャダムが如何に強くとも、2本の塔が必ずや己を勝利に導いてくれる。
そうすれば、6000年の長きに渡る戦いも決着を迎える。
多くの犠牲を払い、信義が崩れていった。けれども、平和の結実が時間をかけて報いてくれるだろう。
その責を負うのは自分でなければならない。
「……!?」
歩いていると、大量の血飛沫が廊下にばらまかれていた。
血痕は新しい。
しかも、この部屋は15世の控え室ではないか。
慌てて扉を開け、中を見る。
すると、田豊が倒れていた。
「田豊将軍!!」
駆け寄る嘉挧。
通りかかった元老院の面々も、寄りかかってくる。
当の田豊も虫の息ではあるが、まだ生きている。
「今すぐ治療を……」
「必要ない。そいつはゴーマに反逆した逆賊だ」
「何!?」
馬鹿な。
そう、誰もが思った。
親交が長く、忠義に厚い田豊が15世に謀反を働くなどあり得ない。
「ち、がう…………じゅ、15世は…………」
血を頭から噴き出しながら、田豊は話す。
何かを伝えよう、何かを示そうとしているのは明らかであった。
しかし、何も変わったようには思えない。
とはいえ、輿に乗った15世はそのまま去っていってしまう。
そのため、皇位をかけてシャダムと決闘をすることとなる。
嘉挧は必勝のため、自らの力を倍加させるために″気力と妖力の塔″を建てた。
事実を知った亮達は転身できないものの、塔を守るべく奮戦するのであった。
「はぁぁァァァ…………ハイイィィッッ!!」
亮の渾身の飛び蹴り。
ザイドスは右手で軽く受け止め、そのまま左の指を使ってデコピンをする。
「うわッ!」
その衝撃は人間同士がするソレとは全く別物であった。
脳天を貫通するような痛みが亮は感じた。
「でぇぇっはっはぁぁァッ!」
馬鹿にしてるという枠では収まらない。
埋め尽くせない、象と蟻程の力の差を両者が感じる程の笑いだ。
「野郎ッ!」
将児が駆け出し、亮を助けるべく全員がザイドスへと向かっていく。
「だあぁぁりやぁぁァッ!」
飛び上がり、空中で躰を捻り回す。
「天重星・″空中回転蹴りッ!!″」
回転を加えた重い蹴り。
しかし、ザイドスは軽く平手でポンッと触れただけで弾いてしまう。
「うおわッ!」
「転身も出来ない分際で、何が″てんじゅうせい″だ?あん?」
振り落とされた将児をカバーすべく、リンは掌に気を集中する。
「呀ァッ!」
竜巻を呼び起こし、撹乱しようとする。
それを難なく引き裂くザイドス。転身時に比べ、威力は大幅に落ちている。
大五と知も両サイドから、パンチを浴びせようと飛びかかる。
「ざかしいぃぃッ!」
両手を2人に向かせ、妖力を放出した。
勢いを殺されるばかりか、吹き飛ばされてしまう。
「うぐッ!」
「かぁぁ……」
野垂れ回る2人。
妖力波を敢えて拡散させ、全身へのダメージを変えたのだ。
威力はセーブしてあるが、生身のままでは十二分に体感する。
「大五、知!」
歩みよる亮達。
転身できないというだけで、ここまで差が出るものなのだろうか。
「弱い…………弱すぎるぞぉぉぉぉぉ」
嘲笑うという言葉では足らない。
ダイ族の血筋とはいえ、シュラと交じり薄まって、ダイレンジャーにならなければ遊びでしかない戦い。
それでもなお、立ち上がる亮達に、ザイドスは苛立ちさえあった。
「もう死合が始まる…………足掻いても無駄だぁァッ!」
田豊はゴーマ15世を迎えに来ていた。
定刻が迫ったものの、中々来ない15世を心配したのである。
謁見するための仮面を着け、扉を開けた。
「恐れながらゴーマ15世………」
礼をしながら、顔を上げる田豊。
反応が無い。奇怪な言動が多い15世だが、よもや側近である自分を無視するはずはない。
「田豊……」
「その声はシャダム!?」
15世の後ろにはシャダムがいた。
継承戦の前に候補者が皇帝に会っているなど、許しがたい行為である。
「シャダム、15世に何を…………ハッ!」
田豊は″視てしまった″。
15世の白く塗られた躰の一部、手の色…………。
「ま、まさか15世……」
田豊は15世が皇帝に就任する前から幹部である。
古くからゴーマの政務に就き、ゴーマの歴史とも言える人物だ。
彼が持つ知識は、″視てしまったもの″と、あってはならない出来事を推察してしまう。
「見たな田豊ッ!」
死合へと赴こうとする嘉挧。
相対するシャダムが如何に強くとも、2本の塔が必ずや己を勝利に導いてくれる。
そうすれば、6000年の長きに渡る戦いも決着を迎える。
多くの犠牲を払い、信義が崩れていった。けれども、平和の結実が時間をかけて報いてくれるだろう。
その責を負うのは自分でなければならない。
「……!?」
歩いていると、大量の血飛沫が廊下にばらまかれていた。
血痕は新しい。
しかも、この部屋は15世の控え室ではないか。
慌てて扉を開け、中を見る。
すると、田豊が倒れていた。
「田豊将軍!!」
駆け寄る嘉挧。
通りかかった元老院の面々も、寄りかかってくる。
当の田豊も虫の息ではあるが、まだ生きている。
「今すぐ治療を……」
「必要ない。そいつはゴーマに反逆した逆賊だ」
「何!?」
馬鹿な。
そう、誰もが思った。
親交が長く、忠義に厚い田豊が15世に謀反を働くなどあり得ない。
「ち、がう…………じゅ、15世は…………」
血を頭から噴き出しながら、田豊は話す。
何かを伝えよう、何かを示そうとしているのは明らかであった。
しかし、何も変わったようには思えない。
とはいえ、輿に乗った15世はそのまま去っていってしまう。