『″グランバニッシャー″!!!!!』
神々による一斉射撃。
『″メガビートキャノン″!!!』
光の波動を一転集中して放つ砲撃。
『″大八天魏園(だいはちてんぎえん)″!!!!!!』
腕が更に細分化し、8本になる。それらが魔力を込めた光の剣となり、すべてから斬撃を放つ。
サタンタロスはすべてを受け、木端微塵に爆発してしまう。
精神体となったサタンゼッドは、地上へと戻る。
「なぜ、貴様らに我が…………しかし、この世に怨念がある限り、我は甦る」
「なら、魂ごと消し去ってやるさ」
リュウレンジャーが白虎真剣に気力を注ぐ。
そう、ラディゲと同じように完全に消滅させればいいのだ。
「その役割は俺達も背負う」
究極大獣神から降りてきたジュウレンジャー。
アームドティラノは、龍撃剣と獣奏剣を手にしている。
頷いたリュウレンジャーは同時にサタンゼッドを斬る。
「グワアァァァッッ!!!!!!!!!!」
断末魔が上がると共に、サタンの塔が消滅した。
ジュウレンジャーにとって、すべての因縁が今消え去ったのだ。
サタンの塔に捕らえられていた子供達は無事なものの、衰弱している。
ビーファイター達はジュウレンジャーと握手を交わすと、すぐビートマシンを用いて、子供たちを病院へ搬送していった。
ジュウレンジャー達は時空が元に修復されていく反面、少しずつ自分達も戻る自覚をした。
そう、すべては戻るのだ。
「君達のおかげで大サタンを完全に葬れた。ありがとう」
「僕達こそ、助けてくれてありがとう」
コウとゲキが握手すると、ブライが言う。
「俺達の神話はここだ。君達の伝説は、まだこれからだろう?」
「うん。でも、みんなと一緒ならどんな困難も怖くない」
「頑張れよ」
束の間の再会。ブライは元の世界に戻れば天界へ帰ってしまう。
しかし、それがブライが辿り着いた神話なのだ。
「じゃあ、元気で」
ジュウレンジャー達は帰っていった。
同じ色をした違う蒼い空。
そこで、別々の神話と伝説を築くことを無言で誓いながら。
「さ、俺達もみんなが心配だし、病院に行こうぜ」
健一が言う。陽介達も、ビーファイター達と病院に行っている。
すべて片づいたし、問題はないだろう。
「いえ、終わってないわ」
香澄が寄り、中王天だった土くれを見つめている。
「やっぱり…………」
由貴は水を編み出し、流そうと放つ。
すると、急いで土が固まり、中王天の姿を取り戻した。
『!!?』
驚くキッズ達。
そう、中王天は生きていた。自らの躰を土に変質させ、一度だけ命を永らえさせる。
ゴーマ四天王も使っていた秘術である。
「ふん……お前達がサタンゼッドを葬ってくれたおかげで、事が楽に進む」
中王天は錫杖を地面に突き刺し、呪文を唱える。
すると、サタンゼッドの残留魔力が中王天へと集まり始めた。
「何だ…………何をしようっていうんだ!?」
コウは中王天に問う。
「私がただ弟子の仇を討たんがために、ゴーマを出奔したと思うか?」
残留魔力には好都合の条件が揃っている。
子供たちの清らかな生命力と、サタンゼッドの強き怨念。
相反する2つが合わさったエネルギーが、中王天の最初からの狙いだった。
「やっぱりアイツの目的は…………」
香澄には察しがついていた。
そして、コウと由貴は知らず知らずに身震いしている。
さっきから、中王天の気が変質しているのだ。
それは気力でも、妖力でも、ましてや魔力でもない。
言うなれば、齊天大聖の持つ神力の邪悪版…………。
「究極の力を見てみたくてな………………″デーヴァ″よ!!。我が身に宿りし力を受け、復活せよッ!!」
″呼ぶのか…………このデーヴァを…………″
突然の声と共に、そいつはいた。
牛、というより、中国神話に伝わる蚩尤(しゆう)という化け物をモチーフにしたダイレンスーツを着ている。
黒灰のスーツが、この者の持つ″虚無″を表している。
「おお…………デーヴァ!」
中王天がその名を口にすると、コウは何者かを理解した。
以前、ダオス王が告げていた。
″ダオス王再臨計画″に基づき、ダイ族が生み出した人工の神・デーヴァ。
だが、ダオス王が消滅させたはず。
「私は自らの魂と気をたった一つの細胞へと移植し、土を取り込み、肉体へと変質させた。そして、力を取り戻すべく悠久の封印を自らしたのだ」
自ら化石・石板となり、6000年以上封印されていたのだという。
たった一つの細胞から、そこまでするとは。
「さあ、私と共に新たな世か…………グフッ!」
中王天が口から血を吐き出す。デーヴァが手刀で胸を貫いたのである。
「貴様如きが私と共に歩むか…………思い上がるな紛い物」
デーヴァの掌からエネルギー波が放たれる。
「が…………ががが…………」
中王天が膨れ上がり、破裂する。そのままエネルギーが拡がり、肉片までもが消滅した。
「あっさり片付けやがった…………」
自分を甦らせた者を、何の感情も抱かずに始末した。
一気に巨大な力をコウは感じ取った。
「お前がダオス王の偽者ってわけか」
「偽者?。私はそれすら超えた存在だ」
確かに強大な力だ。しかし、対処できないレベルではない。
今まで戦ってきた相手の範囲は超えていない。
「…………だが、今の私は目覚めただけで力が戻っていない。戦うのはそれからだ」
「逃がすと…………思う?」
コウの横を、2つの影が過ぎる。
由貴と香澄だ。走りながら転身し、挟み討ちするように囲む。
「ここで確実に…………」
ホウオウレンジャーの刃が首筋へ向けられる。
「殺す!」
ガネーシャの銃口が頭部を捉える。
可憐な乙女の牙が、巨悪を貫く…………。
「無粋な」
デーヴァがそう言った瞬間、青龍月刀が空を撫でる。
消えた。姿を透明にしたとかではない。
逃がしてしまった。今、叩かなくてはならないとわかっていたのに。
「瞬間移動…………」
知っている。自分は、デーヴァを知っている。
「香澄ちゃん…………」
「アイツはパパの仇なのよ。そして…………あたし達の最大の敵よ」
事情がある。デーヴァがどのような災厄をもたらすのか、止めなければならないという理由も。
「アイツはどこに?」
「さあね。ただ、力をつけて必ず戻るわ。世界を滅ぼすために」
コウもまた、由貴と同じようにデーヴァの脅威を知っている。
記憶にはないが、感覚的に知っているのだ。
「な、なあ、さっきの奴は何なんだよ」
健一はイマイチ掴めずにいた。
むしろ正常である。彼らにとっては、前例も無ければ、伝説すらない喪われた歴史なのだから。
「わかんねえ。でも、アイツは僕が倒さなきゃ」
「ええ。あたし達サーガレンジャーが結成されたのも、デーヴァを倒すため。あなた達の力も、本当は借りたいのだけど、残念だわ」
「え?」
何も言っていないどころか、協力する姿勢なのに。
何だろうか、この違和感は。
「あなたの言う通り、彼らはすべて力を使ったわ。道士嘉挧」
神々による一斉射撃。
『″メガビートキャノン″!!!』
光の波動を一転集中して放つ砲撃。
『″大八天魏園(だいはちてんぎえん)″!!!!!!』
腕が更に細分化し、8本になる。それらが魔力を込めた光の剣となり、すべてから斬撃を放つ。
サタンタロスはすべてを受け、木端微塵に爆発してしまう。
精神体となったサタンゼッドは、地上へと戻る。
「なぜ、貴様らに我が…………しかし、この世に怨念がある限り、我は甦る」
「なら、魂ごと消し去ってやるさ」
リュウレンジャーが白虎真剣に気力を注ぐ。
そう、ラディゲと同じように完全に消滅させればいいのだ。
「その役割は俺達も背負う」
究極大獣神から降りてきたジュウレンジャー。
アームドティラノは、龍撃剣と獣奏剣を手にしている。
頷いたリュウレンジャーは同時にサタンゼッドを斬る。
「グワアァァァッッ!!!!!!!!!!」
断末魔が上がると共に、サタンの塔が消滅した。
ジュウレンジャーにとって、すべての因縁が今消え去ったのだ。
サタンの塔に捕らえられていた子供達は無事なものの、衰弱している。
ビーファイター達はジュウレンジャーと握手を交わすと、すぐビートマシンを用いて、子供たちを病院へ搬送していった。
ジュウレンジャー達は時空が元に修復されていく反面、少しずつ自分達も戻る自覚をした。
そう、すべては戻るのだ。
「君達のおかげで大サタンを完全に葬れた。ありがとう」
「僕達こそ、助けてくれてありがとう」
コウとゲキが握手すると、ブライが言う。
「俺達の神話はここだ。君達の伝説は、まだこれからだろう?」
「うん。でも、みんなと一緒ならどんな困難も怖くない」
「頑張れよ」
束の間の再会。ブライは元の世界に戻れば天界へ帰ってしまう。
しかし、それがブライが辿り着いた神話なのだ。
「じゃあ、元気で」
ジュウレンジャー達は帰っていった。
同じ色をした違う蒼い空。
そこで、別々の神話と伝説を築くことを無言で誓いながら。
「さ、俺達もみんなが心配だし、病院に行こうぜ」
健一が言う。陽介達も、ビーファイター達と病院に行っている。
すべて片づいたし、問題はないだろう。
「いえ、終わってないわ」
香澄が寄り、中王天だった土くれを見つめている。
「やっぱり…………」
由貴は水を編み出し、流そうと放つ。
すると、急いで土が固まり、中王天の姿を取り戻した。
『!!?』
驚くキッズ達。
そう、中王天は生きていた。自らの躰を土に変質させ、一度だけ命を永らえさせる。
ゴーマ四天王も使っていた秘術である。
「ふん……お前達がサタンゼッドを葬ってくれたおかげで、事が楽に進む」
中王天は錫杖を地面に突き刺し、呪文を唱える。
すると、サタンゼッドの残留魔力が中王天へと集まり始めた。
「何だ…………何をしようっていうんだ!?」
コウは中王天に問う。
「私がただ弟子の仇を討たんがために、ゴーマを出奔したと思うか?」
残留魔力には好都合の条件が揃っている。
子供たちの清らかな生命力と、サタンゼッドの強き怨念。
相反する2つが合わさったエネルギーが、中王天の最初からの狙いだった。
「やっぱりアイツの目的は…………」
香澄には察しがついていた。
そして、コウと由貴は知らず知らずに身震いしている。
さっきから、中王天の気が変質しているのだ。
それは気力でも、妖力でも、ましてや魔力でもない。
言うなれば、齊天大聖の持つ神力の邪悪版…………。
「究極の力を見てみたくてな………………″デーヴァ″よ!!。我が身に宿りし力を受け、復活せよッ!!」
″呼ぶのか…………このデーヴァを…………″
突然の声と共に、そいつはいた。
牛、というより、中国神話に伝わる蚩尤(しゆう)という化け物をモチーフにしたダイレンスーツを着ている。
黒灰のスーツが、この者の持つ″虚無″を表している。
「おお…………デーヴァ!」
中王天がその名を口にすると、コウは何者かを理解した。
以前、ダオス王が告げていた。
″ダオス王再臨計画″に基づき、ダイ族が生み出した人工の神・デーヴァ。
だが、ダオス王が消滅させたはず。
「私は自らの魂と気をたった一つの細胞へと移植し、土を取り込み、肉体へと変質させた。そして、力を取り戻すべく悠久の封印を自らしたのだ」
自ら化石・石板となり、6000年以上封印されていたのだという。
たった一つの細胞から、そこまでするとは。
「さあ、私と共に新たな世か…………グフッ!」
中王天が口から血を吐き出す。デーヴァが手刀で胸を貫いたのである。
「貴様如きが私と共に歩むか…………思い上がるな紛い物」
デーヴァの掌からエネルギー波が放たれる。
「が…………ががが…………」
中王天が膨れ上がり、破裂する。そのままエネルギーが拡がり、肉片までもが消滅した。
「あっさり片付けやがった…………」
自分を甦らせた者を、何の感情も抱かずに始末した。
一気に巨大な力をコウは感じ取った。
「お前がダオス王の偽者ってわけか」
「偽者?。私はそれすら超えた存在だ」
確かに強大な力だ。しかし、対処できないレベルではない。
今まで戦ってきた相手の範囲は超えていない。
「…………だが、今の私は目覚めただけで力が戻っていない。戦うのはそれからだ」
「逃がすと…………思う?」
コウの横を、2つの影が過ぎる。
由貴と香澄だ。走りながら転身し、挟み討ちするように囲む。
「ここで確実に…………」
ホウオウレンジャーの刃が首筋へ向けられる。
「殺す!」
ガネーシャの銃口が頭部を捉える。
可憐な乙女の牙が、巨悪を貫く…………。
「無粋な」
デーヴァがそう言った瞬間、青龍月刀が空を撫でる。
消えた。姿を透明にしたとかではない。
逃がしてしまった。今、叩かなくてはならないとわかっていたのに。
「瞬間移動…………」
知っている。自分は、デーヴァを知っている。
「香澄ちゃん…………」
「アイツはパパの仇なのよ。そして…………あたし達の最大の敵よ」
事情がある。デーヴァがどのような災厄をもたらすのか、止めなければならないという理由も。
「アイツはどこに?」
「さあね。ただ、力をつけて必ず戻るわ。世界を滅ぼすために」
コウもまた、由貴と同じようにデーヴァの脅威を知っている。
記憶にはないが、感覚的に知っているのだ。
「な、なあ、さっきの奴は何なんだよ」
健一はイマイチ掴めずにいた。
むしろ正常である。彼らにとっては、前例も無ければ、伝説すらない喪われた歴史なのだから。
「わかんねえ。でも、アイツは僕が倒さなきゃ」
「ええ。あたし達サーガレンジャーが結成されたのも、デーヴァを倒すため。あなた達の力も、本当は借りたいのだけど、残念だわ」
「え?」
何も言っていないどころか、協力する姿勢なのに。
何だろうか、この違和感は。
「あなたの言う通り、彼らはすべて力を使ったわ。道士嘉挧」