ジュウレンジャーが再び揃い踏みをする。しかも、アームドティラノがいるにも関わらず、ドラゴンレンジャーもアーマーを装備している。
「ジュウレンジャー!」
そこに駆けつけたのは、ダイレンジャーキッズとビーファイター。
ここに、ヒーロー達が集ったのである。
「サタンゼッド、死者の魂を弄び、子ども達を苦しめた…………。俺は、俺達は許さない……絶対に許さないっ!!」
怒りを露にし、ブルービートは次元の覇者が使える銃・ビートイングラムを取り出す。
「メタルフォーゼッ!」
ビートイングラムの力がインセクトアーマーに伝わり、装甲が強化されていく。
背中に羽が構成され、スーパーブルービートとなる。
「星纏装!!」
ここまで温存していたダイレンブレスレットを解放し、鎧を纏う。
キバテクターの形状が龍のように刺々しくなり、肘・膝にも虎の爪牙が形成される。
これがシン・リュウである。他の星纏装とは異なり、純粋な攻撃力強化だけだが、専用武器である大型マルチデバイス・″ダイレンストライカー″が装備された。
本装備にはスターソード・スターカッターをセットして起動させる。
その際大剣モード・″ダイバスターソード″と、大砲モード″ダイバスターライフル″に変型させて攻撃できる。
「みんなは中王天を!」
頷くキッズ達。背後を向き、暗躍していた中王天を発見した。
サタンゼッドにはアームドティラノとドラゴンレンジャー、シン・リュウとスーパーブルービートが向かっていく。
他のメンバーは、中王天へ攻めかかっていく。










アームドティラノとドラゴンレンジャーによる同時攻撃。
ドラゴンレンジャーが止め、アームドティラノが斬る。その逆も然り。
「何…………どういうことだ!?」
さっきまで満身創痍といえたのに、ここまで…………まただ。
以前も恐竜の神々を封じたのに、諦めずに立ち向かってきた。
「なぜだ…………何故!?」
「それがわからないから、お前は負けたんだ。そして…………今回も」
アームドティラノがそう言うと、ジュウレンジャー達が自分達の武器を投げ渡す。
それに龍撃剣を加え、合体武器″ハウリングキャノン″となる。
本来は全員で持つが、ドラゴンレンジャーは獣奏剣を奏で、その威力をパワーアップさせるつもりだ。
その脇で、スーパーブルービートはビートイングラムにパルセイバーをセットする。
「ビートイングラム、ファイナルモード!」
更に、シン・リュウがダイレンストライカーを開き、ダイバスターを連結させ、超星銃″ダイバスターライフル″を完成させた。
「気力充満!プラズマスパークエネルギー、全開!!」
すべての武器が、サタンゼッドへ向けられる。
苦し紛れに、ビームを放つが、次の瞬間に打ち砕かれる。
「″超星爆帝砲″!!」
「″ハウリングキャノン″!!」
「″スーパーファイナルブロー!!″」
3人が放った砲撃がビームをかき消す。
サタンゼッドは連続でビームを放つも、それらは勢いを決して殺さない。
直撃を受け、サタンゼッドは後方へ大きく吹き飛ばされてしまった。
「グワアァァァッッ!!!」










中王天は四天王が扱っていた妖術を用いる。
幻覚を視せ、惑わそうとしているのだ。
しかし、ジースタッグとレッドルが光の波動を発して、妖術を無効化する。
武器を預けたジュウレンジャー達はレンジャースリンガーを四方から同時に放つ。
「この程度!」
シールドを張るが、その1つ1つをシシ・テンマ・キリン・クジャクレンジャーが自分の武器にエネルギーとして吸収する。
倍加させた気力でシールドを粉砕し、ホウオウレンジャーが脚に気力を集中させる。
″龍星キック″や″キバキック″を視てきた。自分なりの蹴り技を身につけ、いざ空へと跳ぶ。
「鳴水星・″青龍脚″!!」
鳴水星・″青龍脚(せいりゅうきゃく)″とは、脚に気力を集め、龍のオーラを纏いながら空中回し蹴りをする、ホウオウレンジャーの新技である。
水色の龍が弧を描きながら、中王天を斬り裂くように蹴る。
「ぐううぅぅ…………」
更に、地面に着いた瞬間にバネを効かし、その反動で再び跳ね上がる。
今度は水平に飛び前蹴りを行う。″青龍脚″は、2段構えの必殺キックなのである。
中王天は胸元へ蹴りを打ち込まれ、フラフラと後退りをする。
「ぬ…………フフ…………」
「!?」
不敵な笑い。その直後、泥のように崩れ去っていった。
「よっしゃ、倒したぜ!」
喜び会うキッズやヒーロー達。
当のホウオウレンジャーは、晴れない違和感を抱いている。
(気は消えてる…………でも…………)
呆気なさすぎる。″青龍脚″をフルで受けたとはいえ、それまでノーダメージだったのに。
悩む間に、そこを去ってリュウレンジャー達と合流をする。
サタンゼッドは瀕死の状況ではあるが、まだ生きているのだ。
「ぐ…………」
肉体は崩壊しかけている。
サタンゼッドはこんなこともあろうかと、と言わんばかりに両手を振り上げる。
すると、かつて猛威を奮った最終兵器・ドーラタロスが現れた。
「最終決戦だ…………グヌオオォォォッッ!!」
敢えて肉体崩壊を促進させ、魂と怨念をドーラタロスに宿らせる。
全身が白かったドーラタロスは蒼がかり、サタンタロスとして改修された。
「こっちも守護獣を呼ぶんだ!現れよ、守護獣達よ!…………究極合体!!」
『ビートマシン、発進!メガビートフォーメーション!!!』
守護獣が合体した真の姿・究極大獣神。
ビートマシンが連結したメガヘラクレスは、今は最強状態にある。
「よし、僕達も気伝獣を…………」
「それには及ばないわ」
そこに現れたのは、サーガレンジャーであった。
学校の方は一段落し、応援に来たのだ。
「香澄ちゃん!」
「今からあたし達の巨神を呼び覚ますわ」
ガネーシャが右腕を天に掲げる。
すると、他のサーガレンジャーのベルトも含め、一斉に光を放った。
「汝は求める、大地に還りし魂。汝は訴える、天空に帰した命」
光は一層強くなり、大地が震え出す。
「魔魍降来!!。目覚めよ、″聖天鵬″!″牛魔王″!!」
詠唱の完了と共に天空より現れし、白き翼・聖天鵬。
大型の鵬で、星鳳凰や王朱雀すら上回る巨大な翼を有している。
それに対し、大地を割って現れたのは、黒き巨神・牛魔王。
西遊記にある牛魔王そのものであり、龍星王やウォンタイガーと対を成す。
「あれがサーガレンジャーの気伝獣…………いや、あれは気伝獣と呼べるのか?」
味方であるはずなのに戦慄を感じさせられる。
特にホウオウレンジャーは覚えがない恐怖に襲われた。
深く、深く因果の彼方に刻まれた恐怖。
あの気伝獣達はいったい…………。
「あれはかつて、龍星王ら気伝獣の前に生まれた真祖気伝獣。そのパワーを、今からお見せするわ」
サーガレンジャー達は牛魔王に乗り込む。
すると、聖天鵬は牛魔王と合体すべく飛翔する。
「さあ、真の姿を現しなさい…………″阿修羅王″!!」
ガネーシャが叫ぶように言うと、聖天鵬の躰がバラバラに分割される。
牛魔王はそのまま、聖天鵬のパーツが装着されるように構えている。
脚には分かれた胴体が、胸に翼の下部が鎧として装着された。
足はそのまま腕にハマり、翼は細分化され、如来の後光となる日輪のように背中へと収まる。
そこから、隠し腕として、2本の腕が背中より現れた。
最後に、牛魔王の頭部へ聖天鵬の顔が兜として被さる。
これこそが、真祖気伝獣の姿・阿修羅王である。そのパワーは大連王と牙大王を遥かに上回る。
流石のサタンタロスも、慌てめくしかない。