ダイレンジャーは解散する。
そう告げた嘉挧は、理由を語り始める。
「ゴーマとは休戦協定を結んだ。コウの問題も解決した以上、無理にゴーマに関わる必要も無くなった。ゆえに…………」
「ちょっと待ってくれ!」
戦う理由が無くなった。だから解散する。
もっともらしい。しかし、急すぎる。
いなくなったと思ったら、ゴーマに手を貸し、ダイレンジャーを解散するなんて…………。
「何なんだいったい…………どうして…………」
「言った通りだ亮。ゴーマが地球を侵略しないなら、大連者の存在理由はないというだけだ。私も、お前達と共にいる理由がない。」
冷淡に言う嘉挧。解散と共に共生の理由は無い、つまりは、ダイレンジャーと嘉挧の別れを意味している。
「地球を襲わない?何言ってんだ!?。現にそのゴーマ野郎が変なもんブッ建てるじゃねえかよ!」
天馬連者が言うのも無理はない。
妖力を集め、放出する謎の塔など、何かの作戦にしか思えない。
「これはお前達の脅威ではない。子竜は、私の命でやっているだけだ」
『!!?』
この塔は嘉挧の命令で建てられた。それが意味するものは…………。
全員の思考が、その先を浮かばせない。なぜだかはわからないが、考えてはいけない気がしたのだ。
「お前達はそれぞれの世界に帰るんだ」
それぞれの世界…………。自分達がいるべき場所。
「亮は世界一の餃子作りを目指す」
あの日に貰った、自分の夢。
誰かを笑顔にする、美味しい餃子。
「大五は動物を愛す」
生きとし生ける命。
その育みを、守ろうとした彼女の遺志を無駄には出来ない。
「将児はボクシングの世界チャンプを目指す」
今は亡き恩人への恩返し。
ただ相手を傷つけるためだけの拳だった頃との、決別の誓いが込められた夢。
「知は世界一の美容師を目指す」
夢というには、あまりにも後付けしたようなものだ。
しかし、兄に言われた″責任ある反目″で、家族を納得させたい。
「そして、リンは大学で多くの事を学ぶんだ」
したいこと、学びたいこと、まだまだたくさんある。
学友達とも、交流をしていきたい。
嘉挧が見てきた、若者達の軌跡。特別に人生相談を受けたわけではないし、ダイレンジャーという枠を越えて馴れ合っていたわけでもない。
一年をかけての付き合いの中で、培ってきた特別な絆が為す言葉なのだ。
「良いか、決して余計な事をするな」
「ま、待っ…………」
そう言うと、嘉挧は子竜と共に消えてしまった。
困惑と喪失感、まるで親に捨てられたかのように、ダイレンジャーは呆然としていた。
転身を解除し、亮達はそのまま会議を行う。これからどうすべきか、嘉挧が何をしようとしているのか、吟味しなくてはならない。
街へ出たキバレンジャー達は、溢れている戦闘員を蹴散らしていく。
それでもキリがなく、ウジャウジャといる。住民は逃げているが、完全にしているわけでもない。
「コイツは大元を倒さないことには、収まんないかな」
死んだ怪人を甦らせる芸当は、生半可な能力ではないだろう。
毒サソリ男の気は離れていない。游がせて、黒幕を明かしてみせる。
「コウ、こうなりゃ星纏装して一気に…………」
テンマレンジャーの言う通り、星纏装すれば一気に片づくだろう。
「ダメだ。これから強敵とやる時に必要になる」
星纏装すれば、気力とプラズマスパークエネルギーのチャージと制御に時間を要する。
1分間のパワーアップに対し、6時間はブレスレット含め使用不可に陥るために、使いどころを見極めなければならない。
「でも、これじゃあ街の人が!」
「…………!?」
戦闘員の中に紛れている大きな気、それは″ジェットマンの世界″で戦ったソウジキジゲン。
例によって、パワーアップしてると考えていいだろう。
「みんな、ここは一気に…………」
″バベルアタック!!″
『!!?』
そう告げた嘉挧は、理由を語り始める。
「ゴーマとは休戦協定を結んだ。コウの問題も解決した以上、無理にゴーマに関わる必要も無くなった。ゆえに…………」
「ちょっと待ってくれ!」
戦う理由が無くなった。だから解散する。
もっともらしい。しかし、急すぎる。
いなくなったと思ったら、ゴーマに手を貸し、ダイレンジャーを解散するなんて…………。
「何なんだいったい…………どうして…………」
「言った通りだ亮。ゴーマが地球を侵略しないなら、大連者の存在理由はないというだけだ。私も、お前達と共にいる理由がない。」
冷淡に言う嘉挧。解散と共に共生の理由は無い、つまりは、ダイレンジャーと嘉挧の別れを意味している。
「地球を襲わない?何言ってんだ!?。現にそのゴーマ野郎が変なもんブッ建てるじゃねえかよ!」
天馬連者が言うのも無理はない。
妖力を集め、放出する謎の塔など、何かの作戦にしか思えない。
「これはお前達の脅威ではない。子竜は、私の命でやっているだけだ」
『!!?』
この塔は嘉挧の命令で建てられた。それが意味するものは…………。
全員の思考が、その先を浮かばせない。なぜだかはわからないが、考えてはいけない気がしたのだ。
「お前達はそれぞれの世界に帰るんだ」
それぞれの世界…………。自分達がいるべき場所。
「亮は世界一の餃子作りを目指す」
あの日に貰った、自分の夢。
誰かを笑顔にする、美味しい餃子。
「大五は動物を愛す」
生きとし生ける命。
その育みを、守ろうとした彼女の遺志を無駄には出来ない。
「将児はボクシングの世界チャンプを目指す」
今は亡き恩人への恩返し。
ただ相手を傷つけるためだけの拳だった頃との、決別の誓いが込められた夢。
「知は世界一の美容師を目指す」
夢というには、あまりにも後付けしたようなものだ。
しかし、兄に言われた″責任ある反目″で、家族を納得させたい。
「そして、リンは大学で多くの事を学ぶんだ」
したいこと、学びたいこと、まだまだたくさんある。
学友達とも、交流をしていきたい。
嘉挧が見てきた、若者達の軌跡。特別に人生相談を受けたわけではないし、ダイレンジャーという枠を越えて馴れ合っていたわけでもない。
一年をかけての付き合いの中で、培ってきた特別な絆が為す言葉なのだ。
「良いか、決して余計な事をするな」
「ま、待っ…………」
そう言うと、嘉挧は子竜と共に消えてしまった。
困惑と喪失感、まるで親に捨てられたかのように、ダイレンジャーは呆然としていた。
転身を解除し、亮達はそのまま会議を行う。これからどうすべきか、嘉挧が何をしようとしているのか、吟味しなくてはならない。
街へ出たキバレンジャー達は、溢れている戦闘員を蹴散らしていく。
それでもキリがなく、ウジャウジャといる。住民は逃げているが、完全にしているわけでもない。
「コイツは大元を倒さないことには、収まんないかな」
死んだ怪人を甦らせる芸当は、生半可な能力ではないだろう。
毒サソリ男の気は離れていない。游がせて、黒幕を明かしてみせる。
「コウ、こうなりゃ星纏装して一気に…………」
テンマレンジャーの言う通り、星纏装すれば一気に片づくだろう。
「ダメだ。これから強敵とやる時に必要になる」
星纏装すれば、気力とプラズマスパークエネルギーのチャージと制御に時間を要する。
1分間のパワーアップに対し、6時間はブレスレット含め使用不可に陥るために、使いどころを見極めなければならない。
「でも、これじゃあ街の人が!」
「…………!?」
戦闘員の中に紛れている大きな気、それは″ジェットマンの世界″で戦ったソウジキジゲン。
例によって、パワーアップしてると考えていいだろう。
「みんな、ここは一気に…………」
″バベルアタック!!″
『!!?』