ヒュルヒュルヒュル、という音。何かが飛んで来る音だろうか。
直後、ホウオウレンジャーに襲いかかろうとしていたグリナム兵が真っ二つに避けてしまった。
「な、何が…………」
消滅したグリナム兵の先、3つの影がある。
「誰…………?」
その容姿はダイレンジャー、いや、さっき香澄が転身したサーガレンジャーと似ている。
「大丈夫かい?」
何やら聞いたことがあるような声だ。
ホウオウレンジャーは立ち上がると、改めてその姿を見る。
ダイレンスーツにアーマーを着せたような姿だ。
「由貴ちゃん 」
「…………あなたは優美ちゃんと同じクラスの陽介君?」
深緑色のレンジャースーツを纏っているのは、隣のクラスの同級生・陽介であった。
以前、トランプ公爵によってトランプ人間にされた経験のある少年だ。
「お兄ちゃん!」
そして、まどかの兄でもある。
「無事か?まどか」
まどかを心配する素振りから、陽介で間違いなさそうだ。
彼はガネーシャと同じベルトをしているため、サーガレンジャーだろう。
龍連者に近い意匠ではあるが、アーマーがあるため刺々しい。
「陽介君、その姿は?」
「これはサーガレンジャーのタイプ・ワイバーン。昨日、転校してきたっていう女の子に貰ったんだ」
転校してきた女の子となれば間違いない、香澄だ。
彼女が与えたもの、それがこのサーガチェンジャーだ。
「さっき、グリナム兵を倒したのは…………」
「俺!この″リンドブルム″でね」
ワイバーンとは、西洋に伝わる翼を持つ竜の一種である。その存在自体は架空生物であるが、基となった伝承が存在する。
大輪剣よりも、更に大型であるチャクラム・″リンドブルム(ワイバーンの別名)″を武器に戦う。
「俺が二人を体育館まで連れていく」
ワイバーンは、二人の護衛に着き、前方にいる戦闘員と交戦し始める。
「陽介君、任せたよ」
ホウオウレンジャーと2人のサーガレンジャーは窓から降り、校庭へと着地する。
あれだけ倒したのに、ウジャウジャといる。
「手分けして、戦うよ」
誰かはわからないが、敵ではない以上、協力してもらわなければ打開できない。
「勿論よ」
焦茶色のサーガレンジャーは女の子の声をしていた。同伴している藍色の戦士と共に、窓から降りていく。
そのままキッズ達に加勢し、戦闘員と戦っている。
「正夫、アンタだけに戦わせたりしないわ!」
深緑のサーガレンジャーはシシレンジャーに話しかけてくる。
その声は聞き覚えがある。
「その声、お姉ちゃん?」
「ええ」
正夫の姉・かおりが転身している焦茶色の戦士は、タイプ・マカラ。マカラとは、インド神話に登場する幻獣である。
ワニやサメを合わせたような姿で、頭部には羊の角の意匠が見える。
武器は″カプリコーン(マカラの別名)″という、右手に装着されるクローで、ワニの鰓を模したいる。
打撃を強化するだけでなく、空気中の水を凝縮・酸性に変化させた上に高圧で射出する。
「やあぁぁッ!」
水の弾丸がゴーレムの右肩に命中する。すると、徐々に溶けていき、ボトリと肩が落ちてしまった。
そこへカプリコーンの口を開いて挟み、毒性の酸を注入していく。
「ガガッ…………ガギャァッ!」
ボロボロと崩れるゴーレム。シシレンジャーは恐ろしい能力と思いつつ、そのまま戦いを続ける。
土くれを岩へと再構成させ、藍色のサーガレンジャーは敵へとぶつけていく。
「わわ…………本当に僕が思った通りに動くんだ…………」
藍色のは、タイプ・″アヌビス″。
大地の力を操り、アンクの記号を模した錫杖″マアト″を使って戦う。
転身しているのは、コウ達とは別のクラスの純平。かつて、健一と共にガマグチ法師に捕らえられたことのある癖っ毛の少年だ。
「ヤアァッ!」
声と同時に校庭に眠る砂鉄が巻き上がり、マアトの先端へと集まる。
形状が五角をし、槍となっていた。砂鉄が凝縮し、即席の刃へとなったのだ。
「ハアアァァッ!」
謎の戦隊・サーガレンジャーの参戦で、戦闘員は瞬く間に減少していく。
率いていたサクラ子爵も、既にボロボロであった。
「なぜだ…………地獄の霊力でパワーアップしたはずなのに!」
自身が押されている状況を理解できていない。疑問に答えるように、キバレンジャーは白虎真剣を突き立てる。
「わかんないかな。お前がパワーアップした以上に、僕たちはレベルアップしてるんだ!」
白虎真剣の眼が光り、途端にキバレンジャーは走り出す。
そのまま盾を構えたサクラ子爵に向かい、横に刃を一閃する。
「決まりだ」
パリンッ!、という小さな音と共に、サクラ子爵の胴から上がボトリと落ちてしまう。
「ガアァァッ!!」
爆炎が起きる。すると、黒がかった黄色の光球が現れる。
魂というのはすぐにわかり、1ヶ所には留まらず、どこかへと飛び去っていく。
「…………あの先に、黒幕がいる」
キバレンジャーはこの事態を引き起こした張本人が、あの先にいるという確信を持った。
形成が不利とみるや、毒サソリ男は逃げてしまう。同様に、ほとんどの戦闘員は既に倒され、残党は体育館の方へと向かっている。
「あなた達は毒サソリ男を追って」
ガネーシャは、毒サソリ男と死んだ怪人の魂が同一の場所に向かっていると気づき、キッズ達を諭す。
同じことを考えていたキバレンジャーは提案にのり、学校を出ていく。
それを見送ると、ガネーシャはケースを開き、中にある残り2つのサーガチェンジャーを見る。
金と銀のキーがあり、視線を体育館へと移す。
「戦闘員は体育館に…………。何人かさらわれた事を考えると、狙いは子供ね」
他のサーガレンジャーが急ぐ中、ゆっくりと歩むガネーシャ。
彼女もまた、自分の計画を進めるべく動き出したのだった。
直後、ホウオウレンジャーに襲いかかろうとしていたグリナム兵が真っ二つに避けてしまった。
「な、何が…………」
消滅したグリナム兵の先、3つの影がある。
「誰…………?」
その容姿はダイレンジャー、いや、さっき香澄が転身したサーガレンジャーと似ている。
「大丈夫かい?」
何やら聞いたことがあるような声だ。
ホウオウレンジャーは立ち上がると、改めてその姿を見る。
ダイレンスーツにアーマーを着せたような姿だ。
「由貴ちゃん 」
「…………あなたは優美ちゃんと同じクラスの陽介君?」
深緑色のレンジャースーツを纏っているのは、隣のクラスの同級生・陽介であった。
以前、トランプ公爵によってトランプ人間にされた経験のある少年だ。
「お兄ちゃん!」
そして、まどかの兄でもある。
「無事か?まどか」
まどかを心配する素振りから、陽介で間違いなさそうだ。
彼はガネーシャと同じベルトをしているため、サーガレンジャーだろう。
龍連者に近い意匠ではあるが、アーマーがあるため刺々しい。
「陽介君、その姿は?」
「これはサーガレンジャーのタイプ・ワイバーン。昨日、転校してきたっていう女の子に貰ったんだ」
転校してきた女の子となれば間違いない、香澄だ。
彼女が与えたもの、それがこのサーガチェンジャーだ。
「さっき、グリナム兵を倒したのは…………」
「俺!この″リンドブルム″でね」
ワイバーンとは、西洋に伝わる翼を持つ竜の一種である。その存在自体は架空生物であるが、基となった伝承が存在する。
大輪剣よりも、更に大型であるチャクラム・″リンドブルム(ワイバーンの別名)″を武器に戦う。
「俺が二人を体育館まで連れていく」
ワイバーンは、二人の護衛に着き、前方にいる戦闘員と交戦し始める。
「陽介君、任せたよ」
ホウオウレンジャーと2人のサーガレンジャーは窓から降り、校庭へと着地する。
あれだけ倒したのに、ウジャウジャといる。
「手分けして、戦うよ」
誰かはわからないが、敵ではない以上、協力してもらわなければ打開できない。
「勿論よ」
焦茶色のサーガレンジャーは女の子の声をしていた。同伴している藍色の戦士と共に、窓から降りていく。
そのままキッズ達に加勢し、戦闘員と戦っている。
「正夫、アンタだけに戦わせたりしないわ!」
深緑のサーガレンジャーはシシレンジャーに話しかけてくる。
その声は聞き覚えがある。
「その声、お姉ちゃん?」
「ええ」
正夫の姉・かおりが転身している焦茶色の戦士は、タイプ・マカラ。マカラとは、インド神話に登場する幻獣である。
ワニやサメを合わせたような姿で、頭部には羊の角の意匠が見える。
武器は″カプリコーン(マカラの別名)″という、右手に装着されるクローで、ワニの鰓を模したいる。
打撃を強化するだけでなく、空気中の水を凝縮・酸性に変化させた上に高圧で射出する。
「やあぁぁッ!」
水の弾丸がゴーレムの右肩に命中する。すると、徐々に溶けていき、ボトリと肩が落ちてしまった。
そこへカプリコーンの口を開いて挟み、毒性の酸を注入していく。
「ガガッ…………ガギャァッ!」
ボロボロと崩れるゴーレム。シシレンジャーは恐ろしい能力と思いつつ、そのまま戦いを続ける。
土くれを岩へと再構成させ、藍色のサーガレンジャーは敵へとぶつけていく。
「わわ…………本当に僕が思った通りに動くんだ…………」
藍色のは、タイプ・″アヌビス″。
大地の力を操り、アンクの記号を模した錫杖″マアト″を使って戦う。
転身しているのは、コウ達とは別のクラスの純平。かつて、健一と共にガマグチ法師に捕らえられたことのある癖っ毛の少年だ。
「ヤアァッ!」
声と同時に校庭に眠る砂鉄が巻き上がり、マアトの先端へと集まる。
形状が五角をし、槍となっていた。砂鉄が凝縮し、即席の刃へとなったのだ。
「ハアアァァッ!」
謎の戦隊・サーガレンジャーの参戦で、戦闘員は瞬く間に減少していく。
率いていたサクラ子爵も、既にボロボロであった。
「なぜだ…………地獄の霊力でパワーアップしたはずなのに!」
自身が押されている状況を理解できていない。疑問に答えるように、キバレンジャーは白虎真剣を突き立てる。
「わかんないかな。お前がパワーアップした以上に、僕たちはレベルアップしてるんだ!」
白虎真剣の眼が光り、途端にキバレンジャーは走り出す。
そのまま盾を構えたサクラ子爵に向かい、横に刃を一閃する。
「決まりだ」
パリンッ!、という小さな音と共に、サクラ子爵の胴から上がボトリと落ちてしまう。
「ガアァァッ!!」
爆炎が起きる。すると、黒がかった黄色の光球が現れる。
魂というのはすぐにわかり、1ヶ所には留まらず、どこかへと飛び去っていく。
「…………あの先に、黒幕がいる」
キバレンジャーはこの事態を引き起こした張本人が、あの先にいるという確信を持った。
形成が不利とみるや、毒サソリ男は逃げてしまう。同様に、ほとんどの戦闘員は既に倒され、残党は体育館の方へと向かっている。
「あなた達は毒サソリ男を追って」
ガネーシャは、毒サソリ男と死んだ怪人の魂が同一の場所に向かっていると気づき、キッズ達を諭す。
同じことを考えていたキバレンジャーは提案にのり、学校を出ていく。
それを見送ると、ガネーシャはケースを開き、中にある残り2つのサーガチェンジャーを見る。
金と銀のキーがあり、視線を体育館へと移す。
「戦闘員は体育館に…………。何人かさらわれた事を考えると、狙いは子供ね」
他のサーガレンジャーが急ぐ中、ゆっくりと歩むガネーシャ。
彼女もまた、自分の計画を進めるべく動き出したのだった。