地球から遠く離れた、M78星雲。
地球人類を遥かに上回る科学力、人工太陽″プラズマスパーク″によって得た強大な肉体を持つ星がある。
ウルトラ星、通称は″光の国″。ウルトラ族という、ウルトラ戦士達がいる。
彼らはその力を宇宙平和のために使うため、日夜修行と戦いを繰り広げている。
中でも、ウルトラ兄弟と呼ばれる義兄弟は強さと功績が目覚ましい者のみに与えられる栄誉である。
ウルトラ兄弟の1人、ウルトラセブンの息子・ウルトラマンゼロ。
彼は今、ウルトラマンが存在する宇宙とは別の平行世界において、戦いをしていた。


「クッ!」



小惑星において、ゼロが率いる″ウルティメイトフォースゼロ″は怪獣軍団と戦っていた。
さぼてん超獣・サボテンダー、伝説宇宙怪獣・シラリー、暴君怪獣・タイラント等、いずれもこの世界には存在しないはずの怪獣たち。
それがなぜか、大量にこの小惑星にはいる。



「チィ、キリがねえ!」


炎の戦士・グレンファイヤーは既に何体も撃破しているが、一向に減る様子がない事に苛立ちを覚える。


「おい焼き鳥、何かいい手はねえかよ!」


「文句ばかりいう前に倒せ!」



焼き鳥、と言われたのはジャンボット。コピー機体であるジャンナインと共に地上戦をしている。



「なら、一網打尽にしましょう」


ミラーナイトは鏡を作り、怪獣達を囲む。
無限に反射され、万華鏡のように映し出される自分達の姿に驚く。


「シャァッ!」


隙と見たゼロは、ゼロスラッガーをカラータイマーに装着させる。
V字に光り、光エネルギーが溜まっていく。



「ミラーナイト!」


「はい」


鏡の一部が割れる。その僅かな隙間に向け、″ゼロツインシュート″が放たれた。
鏡のドームにいた怪獣達は逃げ場を失い、直撃を受けてしまう。
爆発が起きる。その衝撃で鏡が崩壊していく中、残った怪獣はいなかった。





























「………………ん?」



眼が覚めるラン。カレンダーは12月のままだが、捲る。
今日から1月1日、新年だ。


「夢か」


アナザースペースにおける戦いの日々。
そう、あの後発生したブラックホールから別の怪獣軍団が現れたのだ。
戦いの最中に、ゼロはブラックホールに飲まれ、気がつけばモロボシ・ランとして存在していた。
父・ウルトラセブンも、ランの父・ダンとして存在していた。
どうやら、自分がブラックホールに飲まれたと同時期に、″光の国″でも謎のブラックホールによって、ウルトラ兄弟が飲まれてしまったらしい。
元の世界にいるゾフィーからのウルトラサインによれば、ある宇宙人がウルトラ兄弟に復讐せんがために、別次元へと移動させたのだという。


「起きたか、ラン」



元旦だから店は休みだ。それなのに早く起きたのは、初詣に行くためではない。
何かが起き、何かが動く。
セブン親子は、悪い予感をしていたのである。
















若葉台町の外れにある神社。
初詣の参拝客で賑わい、露店でも子供を中心に殺到している。
そんな中、鳥居の前では晴れ着姿の少女が時計を見ていた。



「遅いわ…………」



それは町子だった。正月なので父が気合いを入れて、晴れ着を用意したのである。
例年ならば家族で参拝するが、コウが傷心中だと思い、キッズ達は初詣へ誘った。
当初は由貴が喪中だからと意見したが、コウは母が生きてれば行ってこいと言うだろうと、承諾したのだ。   その割りに、遅刻という事態。


「お待たせー」


手を振りながら走ってくるコウ。イライラしていた町子は、空かさず仁王立ちの如く立ちはだかる。



「遅い!」


「ごめん!リン姉ちゃんから、お年玉預かってて…………」


袋を出すコウ。キッズの全員分がある。


「えっ…………でも、リンお姉ちゃんはお金ないんじゃ……」


「マスターからのだって」


最近になってからダイレンジャーキッズをお読み頂いてる人のために注釈するが、マスターとは喫茶店″セブン″の店主・ダンの事である。
1人1万円あるようで、キッズ達には嬉しい誤算であった。


「よっしゃ、じゃあ初詣行こう!」


健一は臨時軍資金を得て、張り切っている。
一方、コウは晴れ着の由貴を見て赤面していた。
可愛い。髪型も2つ結びではなく、セミロングの髪を小さいポニーテールにしていて新鮮だ。


「どうしたの?何か、あたし付いてるかな?」


「う、ううん。い、行こうか」


チラチラ見てしまう。発育が進む由貴は、やはり胸が盛り上がっている。


「…………」


見えない。隙間から、男児だったら求めるものが見えない。
あと少しな気がするのに。


「ちょっと!!何で由貴ちゃんばかり見てんの!?」



町子はコウを振り向かせる。髪をアップし、雛のように頭の上で纏めていて、可愛い。
しかし、コウは下を見てテンションは下がる。
ない。由貴に比べ、明らかに板と思える胸。
小学4年生としては普通だが、作者補正が余りにもヒドイと感じながら物足りないと感じてしまう。


「!?。今、胸見たでしょ?」


「見てないよ!」


「嘘!小さいと思った!!」


「確かに…………」



″ゴンッ!!!″