青白い光と、赤黒い闇が交差していく。
闇は一度拡がると、収束をはじめる。金色の筋が血管のように鎧を走る。
棘のような装飾をして、マントが付いている。更に、胸には″大地動転の玉″が埋め込まれている。
まさに、覇道を進む魔王が如く地に誕生した。
「″無間覇王″!!」
その上空には、光が八方向に拡がる。晴れてくると、それは光の翼だと気づける。
リュウレンジャーに酷似しているが、マスクにはキバレンジャーの意匠が組まれている。
角の装飾、キバテクターとは違うは龍の鱗のような紋様の黄金色の鎧。
胸には″天宝来来の玉″が装着され、まさに神と違える程に神々しい。
「″齊天大聖″!!」
齊天大聖、天に等しき大聖者という意味を持つ名前だ。
既に人やダイレンジャーの領域を超越した2人。初代ゴーマは驚愕と恐怖を味わう。
バキ化したせいか、本能的に齊天大聖と無間覇王の存在が、自分にとって脅威であることを察してしまった。
「ぐ…………」
今まで存在しえなかった2人の王。
どういうものかすらわからない。
「く…………ッツァァッ!!」
妖力波を放つ。極太のもので、恐らく全力で放っている。
「阿古丸」
「わかっている」
無間覇王は倶利伽羅を持ち、妖力波に向けて切っ先を向けた。
「一之闇・″等活地獄″」
詠唱された技名。すると、勢い自体が凄いはずの妖力波が動きを止めてしまった。
「な…………」
「″等活地獄″は時を操る。今、この妖力波のみの時間を止めたのだ」
「!?」
信じられない。あの無間覇王は、″地獄の鍵″さえ発動している。
「返すぞ、初代ゴーマ…………ハアァッ!」
妖力波は逆送され、放ったはずの初代ゴーマへと向かう。
「く…………」
避ける。一瞬で感じ取った、自分の妖力ではない力。
あれは霊力だ。
″地獄の鍵″を引き出したことで、霊力そのものを操る事が可能になったのだろう。
その霊力で、妖力波を変質させてはね返したのだ。
無間覇王の攻撃の間、齊天大聖は由貴に近寄っていく。
「由貴ちゃん、僕の気と同調させて」
そう言われ、由貴は手を伸ばす。今までになく、齊天大聖の…………コウの声が逞しく聴こえる。
握られた瞬間、由貴はホウオウレンジャーに転身した。
「転身…………?」
しかも、気力が完全に回復している。体力も初代ゴーマと戦う前程には戻っている。
これが齊天大聖の力、いや、ホウオウレンジャーの力だ。
齊天大聖によって、最大以上に気力を引き出したのだろう。
「みんなの傷は治ってるけど、気力までは戻っていない。さあ、今みたいに…………」
「うん!」
2人の気が再び同調し、光の粒子が振り撒かれる。
「お、何だ?」
「あったけえ…………」
ホウオウレンジャーの癒しの力。まるで、春のひだまりにいるかのような心地よさだ。
全員が気力を取り戻し、ダイレンジャーに転身する。
「すげえ!力がみなぎるぜ!」
「妾達も…………」
かんざし女雛とティアラ令嬢の妖力まで回復している。
初代ゴーマにはその理由がわかった。気力と妖力、その2つが完全に融合した元の形・神力(しんりょく)を操っていると。
神力は、歴史上唯一ダオス王のみが用いた原始にして究極の力と云える。
それだけではない、神力はあらゆる気力と妖力を隷属にする。
もはや、無間覇王と並び、人間に許された力を遥かに上回っている。
「斃す…………今葬らなければ…………」
ここを逃せば、齊天大聖と無間覇王は必ず自分を殺す。
まだなったばかりの内に倒さなければならない。
「まずは貴様だ、阿古丸!」
初代ゴーマは無間覇王へ向かう。単体としての力なら、まだ初代ゴーマに分がある。
それがわかっている齊天大聖は、ただ見逃すわけにいかない。
「将児兄ちゃん!」
「おうよ!」
天馬連者が齊天大聖と気力を同調させる。
神力によって、2人のオーラは通常時を凌駕する稲妻を迸らせる。
『天重星・″究極逆転破″!!』
天重星・″究極逆転破″とは、重力を1000倍にして放ち、″最大重力破″をも上回る合体最強技である。
人間をも丸ごと包む程の奔流。初代ゴーマを捉え、重力によって縛られる。
「うぐゥッ!なんだ…………」
1000倍の重力だ。初代ゴーマといえど、腕を上げようとするのが精一杯である。
続いて、龍連者が齊天大聖の気と同調させる。
『天火星・″超稲妻炎龍破″!!』
白虎真剣とスターソード・スターカッターによって、巨大な稲妻が初代ゴーマを降り注ぐ。
更に、重ねた3つの刃からは龍の形をした炎が初代ゴーマを吹き飛ばす。
「ぐぅおオォォッ!!」
飛ばされる初代ゴーマ。バキ化しているのに、全く優位に立てていない。
齊天大聖と無間覇王、理性をしっかり保っているのに、パワーはバキと同等に位置している。
「こんな事が………………」
初代ゴーマが狼狽えている。その間に、齊天大聖は白虎真剣を掲げる。
「初代ゴーマ………………お前はここで完全に消してやる!」
地獄に落とすだけでは復活する恐れがある。
魂ごと完全に消滅させなければならない。
齊天大聖は光の翼を背中から生やし、宙へ浮く。
「みんな、僕に力を分けてくれ!!」
言われた通り、ダイレンジャーは″天宝来来の玉″を齊天大聖へ向ける。
すると、齊天大聖の胸にある″天宝来来の玉″へ光を放つ。
同様に、無間覇王の″大地動転の玉″から妖力が白虎真剣へと放たれる。
気力と妖力が合わさり、齊天大聖の神力を爆発的に上昇させていく。
「行くぞ、初代ゴーマ…………。最終奥義…………」
青白い光の翼は、オーラと共に黄金に変化していく。
オーラは齊天大聖を包み、龍の形へと完全に変質した。
「″黄龍剣″!!!」
″グオオオォォッッ!!″
最終奥義・″黄龍剣″とは、″天宝来来の玉″と″大地動転の玉″の力を融合させ、最強の一撃を放つ絶対無敵の必殺技である。
龍の雄叫び。オーラが齊天大聖を包み、黄金の龍へと変わる。
初代ゴーマは全力の妖力波を放つ。街で放てば、それだけで焼け野原に変えれる程の威力だ。
けれども、そんな妖力波ですら″黄龍剣″には通じない。
黄龍に触れた瞬間に消滅してしまった。それほどに、パワーの差があった。
黄金の龍は咆哮をあげると、初代ゴーマへと向かう。
獰猛で獲物を喰おうとするのではなく、咎人に天誅を下すかのように、神々し下すかのように鮮やかな太刀。
遂には初代ゴーマを捉え、黄龍がその牙に呑む。
「か………………かあああぁぁあぁぁぁ…………………………」
躰が崩壊していく。2000万人超の命を使って造り上げた躰が、齢が10になったばかりの子供にやられるとは。
いや、バキという破壊神を斃す程だ。童子の姿をした神と魔王としか言いようがない。
「ここで死ねば楽だと…………いずれ貴様らは知るはずだ…………」
「それでも敗けないさ」
独りだけじゃない。どんな重みも、運命も、自分と仲間達は共に戦っていく。
やってみろ、という眼をしながら初代ゴーマは完全に消滅をした。
闇は一度拡がると、収束をはじめる。金色の筋が血管のように鎧を走る。
棘のような装飾をして、マントが付いている。更に、胸には″大地動転の玉″が埋め込まれている。
まさに、覇道を進む魔王が如く地に誕生した。
「″無間覇王″!!」
その上空には、光が八方向に拡がる。晴れてくると、それは光の翼だと気づける。
リュウレンジャーに酷似しているが、マスクにはキバレンジャーの意匠が組まれている。
角の装飾、キバテクターとは違うは龍の鱗のような紋様の黄金色の鎧。
胸には″天宝来来の玉″が装着され、まさに神と違える程に神々しい。
「″齊天大聖″!!」
齊天大聖、天に等しき大聖者という意味を持つ名前だ。
既に人やダイレンジャーの領域を超越した2人。初代ゴーマは驚愕と恐怖を味わう。
バキ化したせいか、本能的に齊天大聖と無間覇王の存在が、自分にとって脅威であることを察してしまった。
「ぐ…………」
今まで存在しえなかった2人の王。
どういうものかすらわからない。
「く…………ッツァァッ!!」
妖力波を放つ。極太のもので、恐らく全力で放っている。
「阿古丸」
「わかっている」
無間覇王は倶利伽羅を持ち、妖力波に向けて切っ先を向けた。
「一之闇・″等活地獄″」
詠唱された技名。すると、勢い自体が凄いはずの妖力波が動きを止めてしまった。
「な…………」
「″等活地獄″は時を操る。今、この妖力波のみの時間を止めたのだ」
「!?」
信じられない。あの無間覇王は、″地獄の鍵″さえ発動している。
「返すぞ、初代ゴーマ…………ハアァッ!」
妖力波は逆送され、放ったはずの初代ゴーマへと向かう。
「く…………」
避ける。一瞬で感じ取った、自分の妖力ではない力。
あれは霊力だ。
″地獄の鍵″を引き出したことで、霊力そのものを操る事が可能になったのだろう。
その霊力で、妖力波を変質させてはね返したのだ。
無間覇王の攻撃の間、齊天大聖は由貴に近寄っていく。
「由貴ちゃん、僕の気と同調させて」
そう言われ、由貴は手を伸ばす。今までになく、齊天大聖の…………コウの声が逞しく聴こえる。
握られた瞬間、由貴はホウオウレンジャーに転身した。
「転身…………?」
しかも、気力が完全に回復している。体力も初代ゴーマと戦う前程には戻っている。
これが齊天大聖の力、いや、ホウオウレンジャーの力だ。
齊天大聖によって、最大以上に気力を引き出したのだろう。
「みんなの傷は治ってるけど、気力までは戻っていない。さあ、今みたいに…………」
「うん!」
2人の気が再び同調し、光の粒子が振り撒かれる。
「お、何だ?」
「あったけえ…………」
ホウオウレンジャーの癒しの力。まるで、春のひだまりにいるかのような心地よさだ。
全員が気力を取り戻し、ダイレンジャーに転身する。
「すげえ!力がみなぎるぜ!」
「妾達も…………」
かんざし女雛とティアラ令嬢の妖力まで回復している。
初代ゴーマにはその理由がわかった。気力と妖力、その2つが完全に融合した元の形・神力(しんりょく)を操っていると。
神力は、歴史上唯一ダオス王のみが用いた原始にして究極の力と云える。
それだけではない、神力はあらゆる気力と妖力を隷属にする。
もはや、無間覇王と並び、人間に許された力を遥かに上回っている。
「斃す…………今葬らなければ…………」
ここを逃せば、齊天大聖と無間覇王は必ず自分を殺す。
まだなったばかりの内に倒さなければならない。
「まずは貴様だ、阿古丸!」
初代ゴーマは無間覇王へ向かう。単体としての力なら、まだ初代ゴーマに分がある。
それがわかっている齊天大聖は、ただ見逃すわけにいかない。
「将児兄ちゃん!」
「おうよ!」
天馬連者が齊天大聖と気力を同調させる。
神力によって、2人のオーラは通常時を凌駕する稲妻を迸らせる。
『天重星・″究極逆転破″!!』
天重星・″究極逆転破″とは、重力を1000倍にして放ち、″最大重力破″をも上回る合体最強技である。
人間をも丸ごと包む程の奔流。初代ゴーマを捉え、重力によって縛られる。
「うぐゥッ!なんだ…………」
1000倍の重力だ。初代ゴーマといえど、腕を上げようとするのが精一杯である。
続いて、龍連者が齊天大聖の気と同調させる。
『天火星・″超稲妻炎龍破″!!』
白虎真剣とスターソード・スターカッターによって、巨大な稲妻が初代ゴーマを降り注ぐ。
更に、重ねた3つの刃からは龍の形をした炎が初代ゴーマを吹き飛ばす。
「ぐぅおオォォッ!!」
飛ばされる初代ゴーマ。バキ化しているのに、全く優位に立てていない。
齊天大聖と無間覇王、理性をしっかり保っているのに、パワーはバキと同等に位置している。
「こんな事が………………」
初代ゴーマが狼狽えている。その間に、齊天大聖は白虎真剣を掲げる。
「初代ゴーマ………………お前はここで完全に消してやる!」
地獄に落とすだけでは復活する恐れがある。
魂ごと完全に消滅させなければならない。
齊天大聖は光の翼を背中から生やし、宙へ浮く。
「みんな、僕に力を分けてくれ!!」
言われた通り、ダイレンジャーは″天宝来来の玉″を齊天大聖へ向ける。
すると、齊天大聖の胸にある″天宝来来の玉″へ光を放つ。
同様に、無間覇王の″大地動転の玉″から妖力が白虎真剣へと放たれる。
気力と妖力が合わさり、齊天大聖の神力を爆発的に上昇させていく。
「行くぞ、初代ゴーマ…………。最終奥義…………」
青白い光の翼は、オーラと共に黄金に変化していく。
オーラは齊天大聖を包み、龍の形へと完全に変質した。
「″黄龍剣″!!!」
″グオオオォォッッ!!″
最終奥義・″黄龍剣″とは、″天宝来来の玉″と″大地動転の玉″の力を融合させ、最強の一撃を放つ絶対無敵の必殺技である。
龍の雄叫び。オーラが齊天大聖を包み、黄金の龍へと変わる。
初代ゴーマは全力の妖力波を放つ。街で放てば、それだけで焼け野原に変えれる程の威力だ。
けれども、そんな妖力波ですら″黄龍剣″には通じない。
黄龍に触れた瞬間に消滅してしまった。それほどに、パワーの差があった。
黄金の龍は咆哮をあげると、初代ゴーマへと向かう。
獰猛で獲物を喰おうとするのではなく、咎人に天誅を下すかのように、神々し下すかのように鮮やかな太刀。
遂には初代ゴーマを捉え、黄龍がその牙に呑む。
「か………………かあああぁぁあぁぁぁ…………………………」
躰が崩壊していく。2000万人超の命を使って造り上げた躰が、齢が10になったばかりの子供にやられるとは。
いや、バキという破壊神を斃す程だ。童子の姿をした神と魔王としか言いようがない。
「ここで死ねば楽だと…………いずれ貴様らは知るはずだ…………」
「それでも敗けないさ」
独りだけじゃない。どんな重みも、運命も、自分と仲間達は共に戦っていく。
やってみろ、という眼をしながら初代ゴーマは完全に消滅をした。