クジャクはガラを探していた。あの傷では遠くには行っていないはず。
もはや、自分の命は残り僅か。ならば、成すべきこと・やり残したことはただ一つ。
「………ガラ」
フラフラと歩くガラを発見する。もはや戦闘どころではないが、恐らく納得することはないだろう。
「ガラ、私達の因縁に……」
クジャクは短刀を抜き、構えた。声に反応し、ガラもクジャクを認識する。
声の方向と気の探知で、おおよその位置を掴める。
「ああ…………私達の因縁に決着を……」
ガラも剣を持つ。討たねばならない。クジャクは友だった。自分がダイの出身である過去の象徴。
クジャクを討たねば、自分が変われない。変わりきることができない。
″クジャクゥゥゥッッ!!″
あれほ大五の声だとすぐに認識できる。ガラはグッと拳を握る。伸びた爪が皮膚を裂き、血を流れさせる。
フッとそれを撒くと、生き霊ガラが出現した。
「生き霊よ…………大連者を足止めしろォッ!」
「クジャク…………クジャクゥゥゥッッ!!」
必死に探す大五。目の前から彼女が消えるイメージが、未来に起きるであろう残響として脳内を巡る。
″ドウッ!″
「くっ…………」
紫色の光線が横切る。生き霊ガラの攻撃だ。
「こんな時に……」
コイツの相手をしてる場合ではない。逆にいえば、クジャクとガラは近くにいるということだ。
そう考えてる間に、生き霊ガラは再び妖力波を放った。
「く…………」
″カキィィッンッ!!″
「!!?」
妖力波が弾かれる。大五の目の前には、クジャクビットが円陣を組んで結界を張り、守ってくれている。
「これは優美ちゃんの………」
「大五お兄ちゃん!」
クジャクレンジャーが大五の前に立つ。クジャクビットを集め、縦に繋げて孔雀連節剣へと変える。
「生き霊はあたしが食い止めるわ!大五お兄ちゃんは、みんなとクジャクさんを!!」
他のダイレンジャーも追いついてくる。一緒に戦う………いや、並々ならぬ決意を感じ、大五達はクジャクレンジャーにその場を任せた。
「………形状記憶変形……」
クジャクビットが再び分離する。クジャクレイピアが棒状に変化し、そこへクジャクビットが間に入り込んでいく。
先端の刃以外は剛金として棒のコーティングになり、クジャクレンジャーの槍として変形された。
「″孔雀連節槍″………」
大五は走っていく。そうだ。あの人はクジャクが好きなんだ。
初めて自分が出逢った時から、既に彼女に好意を抱いていたのだ。
最初から、入り込む余地などなかったのだ。失恋………というのだろう。
大五は優しい。命あるもの、全てを愛している。クジャクもまた、そんな彼に惹かれている。
だから、後悔してほしくない。お互いの愛に、お互いの想いに。
「行くわよ!」
今、この槍は大五とクジャクを守るためでもなければ、生き霊を貫くためのものでもない。
自分の気持ちに決着をつけるため…………なのだ。
孔雀連節槍を振り回し、紫色のオーラを槍先に集める。
「………ハアアアアァァァァァッッッ!!!」
邪魔者はいない。ガラは死を覚悟していた。これでクジャクを殺せるならば、命は惜しくない。
友だから、友だから自らの手で葬らなければならない。
「クジャク…………」
もはや命はない。友への手向け。なすべきことは一つ……クジャクは背中の翼を拡げた。
「ガラ……」
しはじの静寂。互いの想いは、6000年前に違えた友へと反っていた。
永かった。頬の傷と、封じられた怨み。遺恨はあるが、今はそれを超えた縁が戦いに駆り立てている。
そして…………。
もはや、自分の命は残り僅か。ならば、成すべきこと・やり残したことはただ一つ。
「………ガラ」
フラフラと歩くガラを発見する。もはや戦闘どころではないが、恐らく納得することはないだろう。
「ガラ、私達の因縁に……」
クジャクは短刀を抜き、構えた。声に反応し、ガラもクジャクを認識する。
声の方向と気の探知で、おおよその位置を掴める。
「ああ…………私達の因縁に決着を……」
ガラも剣を持つ。討たねばならない。クジャクは友だった。自分がダイの出身である過去の象徴。
クジャクを討たねば、自分が変われない。変わりきることができない。
″クジャクゥゥゥッッ!!″
あれほ大五の声だとすぐに認識できる。ガラはグッと拳を握る。伸びた爪が皮膚を裂き、血を流れさせる。
フッとそれを撒くと、生き霊ガラが出現した。
「生き霊よ…………大連者を足止めしろォッ!」
「クジャク…………クジャクゥゥゥッッ!!」
必死に探す大五。目の前から彼女が消えるイメージが、未来に起きるであろう残響として脳内を巡る。
″ドウッ!″
「くっ…………」
紫色の光線が横切る。生き霊ガラの攻撃だ。
「こんな時に……」
コイツの相手をしてる場合ではない。逆にいえば、クジャクとガラは近くにいるということだ。
そう考えてる間に、生き霊ガラは再び妖力波を放った。
「く…………」
″カキィィッンッ!!″
「!!?」
妖力波が弾かれる。大五の目の前には、クジャクビットが円陣を組んで結界を張り、守ってくれている。
「これは優美ちゃんの………」
「大五お兄ちゃん!」
クジャクレンジャーが大五の前に立つ。クジャクビットを集め、縦に繋げて孔雀連節剣へと変える。
「生き霊はあたしが食い止めるわ!大五お兄ちゃんは、みんなとクジャクさんを!!」
他のダイレンジャーも追いついてくる。一緒に戦う………いや、並々ならぬ決意を感じ、大五達はクジャクレンジャーにその場を任せた。
「………形状記憶変形……」
クジャクビットが再び分離する。クジャクレイピアが棒状に変化し、そこへクジャクビットが間に入り込んでいく。
先端の刃以外は剛金として棒のコーティングになり、クジャクレンジャーの槍として変形された。
「″孔雀連節槍″………」
大五は走っていく。そうだ。あの人はクジャクが好きなんだ。
初めて自分が出逢った時から、既に彼女に好意を抱いていたのだ。
最初から、入り込む余地などなかったのだ。失恋………というのだろう。
大五は優しい。命あるもの、全てを愛している。クジャクもまた、そんな彼に惹かれている。
だから、後悔してほしくない。お互いの愛に、お互いの想いに。
「行くわよ!」
今、この槍は大五とクジャクを守るためでもなければ、生き霊を貫くためのものでもない。
自分の気持ちに決着をつけるため…………なのだ。
孔雀連節槍を振り回し、紫色のオーラを槍先に集める。
「………ハアアアアァァァァァッッッ!!!」
邪魔者はいない。ガラは死を覚悟していた。これでクジャクを殺せるならば、命は惜しくない。
友だから、友だから自らの手で葬らなければならない。
「クジャク…………」
もはや命はない。友への手向け。なすべきことは一つ……クジャクは背中の翼を拡げた。
「ガラ……」
しはじの静寂。互いの想いは、6000年前に違えた友へと反っていた。
永かった。頬の傷と、封じられた怨み。遺恨はあるが、今はそれを超えた縁が戦いに駆り立てている。
そして…………。