虞翻からの通信。キッズ達は地下室に向かい、通信機の画面を開く。
「おじいさん!」
真っ先に優美が呼び掛ける。虞翻はいつになく真面目な顔で面と向かっている。
「カルテは見せてもらったが………。お前達には理解できぬだろうから結論だけを言おう」
医学的な部分はさっぱりなので助かる。
「免疫の喪失……つまりは病気への抵抗力が極端に低くなっておる」
「抵抗力?」
虞翻は話を続けた。病気への抵抗力が無くなったことにより、ただの風邪が重症になってしまったのだ。
「その原因は………お前達には酷なものじゃ……。それは……」
その″原因″を聞いたキッズ達は、驚愕と同時に顔を青ざめた。
特に優美は震えすら起きていた。両親や友達の命がかかってるという事態、頭に浮かぶ大五の顔。
「………気伝招来……」
『!!?』
キッズ達が小さい声に気づいたが、優美は地下室を飛び出す。そのまま外に行き、呼び出した麗孔雀へと乗り込んだ。
「気力転身!」
クジャクレンジャーへと転身し、そのまま麗孔雀は飛び去っていった。
キッズ達は急いで優美を追う。由貴が呼んだ王青龍に乗り込み、出発をした。
窓から眺める澪は漫画に栞を挟み、ロイヤルミルクティーを飲む。
「君は行かなくていいのかい?」
ランが聞く。澪はカップを置くと、スコーンを手に持った。
「私はただ独り言を言っただけですわ………というか、貴方まで私の正体を?」
「まあね。何せ俺はウルトラ…………あ……」
危ない危ない。うっかり正体を言い出しそうになってしまった。
本来なら助けてあげたいが、今の自分ではどうにもならない。
(頑張れよみんな………)
まだ煙が消えずに、石が燃えている。″孔雀扇・虹霞″によって放射された気力によって、ガラはその場から吹き飛ばされてしまった。
至近距離からの直撃を受けていることから、かなりの深傷を負っている可能性もありえる。
早く見つけてあげなくては………。
「う………く………」
――――――!!?
微かな声。弱々しく、痛みを抱えているのは間違いない。
「ガラ!どこだッ!?」
「うう………………暗い………何をしたクジャク……」
草原から現れたガラ。しかし、何か様子がおかしい。脚の動きが一定の方向へ動いてるわけではない。
「………ガラ、まさか眼を………」
「え………眼……?」
目の前が暗い。何も見えない。なぜ?先程の攻撃で………。
「み、見えない………眼が………」
ガラは眼を負傷していた。眼球は″孔雀扇・虹霞″によって潰され、瞼からは血を出している。
無論、ガラは視力がないため、損傷の程度を知ることはできない。
暗黒の空間の中、ガラは手をかざした。この眼を奪い、顔の傷を生んだクジャクを許せない。
「例え眼が見えずとも………クジャク、お前には敗けん!」
ガラはかざした手から妖力波を放つ。草が弾けとび、周囲で火花が散る。
その中で、クジャクは一歩たりとめた動いてはおらず、妖力波は当たるばかりかかすりもしない。
「お前には………お前だけには敗け………ウッ!」
石に躓いたのか、ガラは転んでしまった。起き上がろうにも視力の喪失とダメージの蓄積ですぐに転んでしまう。
自分に原因があるとはいっても、あまりにも哀れな姿だ。クジャクはその姿をただ見ているだけであった。
「おじいさん!」
真っ先に優美が呼び掛ける。虞翻はいつになく真面目な顔で面と向かっている。
「カルテは見せてもらったが………。お前達には理解できぬだろうから結論だけを言おう」
医学的な部分はさっぱりなので助かる。
「免疫の喪失……つまりは病気への抵抗力が極端に低くなっておる」
「抵抗力?」
虞翻は話を続けた。病気への抵抗力が無くなったことにより、ただの風邪が重症になってしまったのだ。
「その原因は………お前達には酷なものじゃ……。それは……」
その″原因″を聞いたキッズ達は、驚愕と同時に顔を青ざめた。
特に優美は震えすら起きていた。両親や友達の命がかかってるという事態、頭に浮かぶ大五の顔。
「………気伝招来……」
『!!?』
キッズ達が小さい声に気づいたが、優美は地下室を飛び出す。そのまま外に行き、呼び出した麗孔雀へと乗り込んだ。
「気力転身!」
クジャクレンジャーへと転身し、そのまま麗孔雀は飛び去っていった。
キッズ達は急いで優美を追う。由貴が呼んだ王青龍に乗り込み、出発をした。
窓から眺める澪は漫画に栞を挟み、ロイヤルミルクティーを飲む。
「君は行かなくていいのかい?」
ランが聞く。澪はカップを置くと、スコーンを手に持った。
「私はただ独り言を言っただけですわ………というか、貴方まで私の正体を?」
「まあね。何せ俺はウルトラ…………あ……」
危ない危ない。うっかり正体を言い出しそうになってしまった。
本来なら助けてあげたいが、今の自分ではどうにもならない。
(頑張れよみんな………)
まだ煙が消えずに、石が燃えている。″孔雀扇・虹霞″によって放射された気力によって、ガラはその場から吹き飛ばされてしまった。
至近距離からの直撃を受けていることから、かなりの深傷を負っている可能性もありえる。
早く見つけてあげなくては………。
「う………く………」
――――――!!?
微かな声。弱々しく、痛みを抱えているのは間違いない。
「ガラ!どこだッ!?」
「うう………………暗い………何をしたクジャク……」
草原から現れたガラ。しかし、何か様子がおかしい。脚の動きが一定の方向へ動いてるわけではない。
「………ガラ、まさか眼を………」
「え………眼……?」
目の前が暗い。何も見えない。なぜ?先程の攻撃で………。
「み、見えない………眼が………」
ガラは眼を負傷していた。眼球は″孔雀扇・虹霞″によって潰され、瞼からは血を出している。
無論、ガラは視力がないため、損傷の程度を知ることはできない。
暗黒の空間の中、ガラは手をかざした。この眼を奪い、顔の傷を生んだクジャクを許せない。
「例え眼が見えずとも………クジャク、お前には敗けん!」
ガラはかざした手から妖力波を放つ。草が弾けとび、周囲で火花が散る。
その中で、クジャクは一歩たりとめた動いてはおらず、妖力波は当たるばかりかかすりもしない。
「お前には………お前だけには敗け………ウッ!」
石に躓いたのか、ガラは転んでしまった。起き上がろうにも視力の喪失とダメージの蓄積ですぐに転んでしまう。
自分に原因があるとはいっても、あまりにも哀れな姿だ。クジャクはその姿をただ見ているだけであった。