神風大将は爆発の場所がわかっているため、難なく降りていく。やがて天馬連者を追い抜き、真っ先に街へ向かう。


「お先ぃ~」


「く………………んの野郎!」



天馬連者は遅れながらも加速する。追いつこうとフルアクセルにするのであった。


















先回りして、スカイウォークにいるティアラ令嬢。船の上で子供用シャンメリーを飲みながら待っている。


「先にどちらが来るのかしら」



「あ!澪ちゃん!!」


「!?」


聞き覚えのある声に驚き、ティアラ令嬢は振り向いた。


「………………健一君と………………正夫君………………」


健一と正夫も考えることは一緒で、先回りしていたのだ。


「それが君の怪人態かい?」


「え………………厳密には違いますが、そうですわね」


「怪人態と言っても、顔は人間タイプだね」


「ゴーマでも貴族は怪人態がないのですわ」












″ブオオオォォッ!!″










エンジン音を聞き、健一達は船の下を見る。そこには、先に来ていた神風大将がいた。


「そんな…………将児兄が…………」



「健一!あそこ………………」


正夫に言われ、健一は手前のコンテナ置き場を見る。そこには出遅れた将児が確認出来る。


「将児兄がバイクで負けてるなんて…………」












健一が驚いている間に、神風大将は最初のチェックポイントにあるキーを目前にする。躰を傾かせ、ドリフト走行をしながら鍵を入手した。
勢いを落とすことなく、柱を周り、スカイウォークの外側へ出る。


「ハッハッー!どうした将児!」


「ちっ…………」


すれ違いざまに言われ、怒りがある。しかし、このままでは到底追いつけない。


「将児兄、飛べッ!!」


(ケン坊!?)



ベイブリッジから聞こえる、健一の声。天馬連者は躰を伏せてから一気にお越し、車体を浮かせるのだった。



「ジャンプ一番!!