陣は素早くシャツで腕を覆った。亮に見られるわけにはいかない。
「包帯はいい…………それより、外へ連れていってくれないか?」
珍しい。陣からそう言われるとは思ってはいなかった。亮は陣を車椅子に乗せ、家を出たのであった。
女性の変死体が発見された。恋人の男性によれば、デートの帰りに怪物に襲われ、自分は気絶させられたという。
気づいたら、女性は首筋から血を噴き出して死んでいた。ミライはゴーマ関連であることを疑い、キッズ達に連絡をしていた。
健一はコウが不在ながらも、ダイレンジャーキッズとしての役目を放棄するわけにはいかないと、召集をした。
「みんな、コウがいない分、俺達が協力して解決するんだ。もしかしたら、コウの手がかりもあるかもしれない」
「わかってる。行くわよ!」
町子が先頭に出ていく。逆に由貴は後方でゆっくりと気を探す。
(妖力を放出しないで人間を襲うなんて…………人間態のまま何かをしたの?)
前例もあるため、そう考えるのが妥当だろう。
そう考える間に事件現場付近に来る。残留している気を調べるが、どれもゴーマのものとは思えない。
「どう?」
「駄目…………少し妖力はあるけど、目立つような強さじゃない…………」
ここにあるのは普通の気と、少しの妖力。残留した妖力と照合するようなものはない。
「…………あれ?」
1つだけ知っている気がある。でも、″あの人″のはずがない。
でも、それがもし…………そうだとしたら…………。
「亮お兄ちゃんが危ない…………みんな、行こう!」
「え、由貴ちゃん!?」
亮は陣を連れて公園に来ていた。珍しい、陣の希望。なぜか亮は嬉しかった。
「でも、何で急に?」
「…………ハッキリしたかったんだ。亮、なぜ俺を助けた?」
家だと、いつ洋子が帰ってくるかもわからない。そのために外出したのだ。
「…………お前は俺を助けてくれた…………」
「違う!俺はお前が俺以外に殺られるのが許せない…………それたけだ」
自分とは違う拳を持つ亮。自分で倒さなくては意味がない。
それを聞いた亮は苦笑いをした。
「…………実は自分でもよくわからないんだ…………もしかしたら、俺はお前と同じ理由で、お前を助けたのかもな…………」
陣は自分と違う拳を持っている。自分の拳法を初めて破り、拳士としての自覚を植えつけた陣に勝ちたい。
亮はそう思っていた。そして、それが今の発言へと繋がるのである。
「お前を斃すのは、俺だ!………………そう思っていたのかもしれない。一人の拳士として…………」
「包帯はいい…………それより、外へ連れていってくれないか?」
珍しい。陣からそう言われるとは思ってはいなかった。亮は陣を車椅子に乗せ、家を出たのであった。
女性の変死体が発見された。恋人の男性によれば、デートの帰りに怪物に襲われ、自分は気絶させられたという。
気づいたら、女性は首筋から血を噴き出して死んでいた。ミライはゴーマ関連であることを疑い、キッズ達に連絡をしていた。
健一はコウが不在ながらも、ダイレンジャーキッズとしての役目を放棄するわけにはいかないと、召集をした。
「みんな、コウがいない分、俺達が協力して解決するんだ。もしかしたら、コウの手がかりもあるかもしれない」
「わかってる。行くわよ!」
町子が先頭に出ていく。逆に由貴は後方でゆっくりと気を探す。
(妖力を放出しないで人間を襲うなんて…………人間態のまま何かをしたの?)
前例もあるため、そう考えるのが妥当だろう。
そう考える間に事件現場付近に来る。残留している気を調べるが、どれもゴーマのものとは思えない。
「どう?」
「駄目…………少し妖力はあるけど、目立つような強さじゃない…………」
ここにあるのは普通の気と、少しの妖力。残留した妖力と照合するようなものはない。
「…………あれ?」
1つだけ知っている気がある。でも、″あの人″のはずがない。
でも、それがもし…………そうだとしたら…………。
「亮お兄ちゃんが危ない…………みんな、行こう!」
「え、由貴ちゃん!?」
亮は陣を連れて公園に来ていた。珍しい、陣の希望。なぜか亮は嬉しかった。
「でも、何で急に?」
「…………ハッキリしたかったんだ。亮、なぜ俺を助けた?」
家だと、いつ洋子が帰ってくるかもわからない。そのために外出したのだ。
「…………お前は俺を助けてくれた…………」
「違う!俺はお前が俺以外に殺られるのが許せない…………それたけだ」
自分とは違う拳を持つ亮。自分で倒さなくては意味がない。
それを聞いた亮は苦笑いをした。
「…………実は自分でもよくわからないんだ…………もしかしたら、俺はお前と同じ理由で、お前を助けたのかもな…………」
陣は自分と違う拳を持っている。自分の拳法を初めて破り、拳士としての自覚を植えつけた陣に勝ちたい。
亮はそう思っていた。そして、それが今の発言へと繋がるのである。
「お前を斃すのは、俺だ!………………そう思っていたのかもしれない。一人の拳士として…………」