科学力を計るのに一番わかりやすいのは兵器の威力だ。
ゴーマ宮は、核兵器を除けば人類が作り出した兵器を以てしてもヒビををいれるに半日以上時間を費やす程の防御力を持つ。
しかし、大神龍はたったの一撃で損害を与えた。外部は目立った傷はないが、中では柱が倒れたり、巨大地震のような揺れが起きている。



「なんという力だ…………」



阿古丸はただ驚くばかりだ。確かに都市を廃墟に変えてしまうのを実感していく。
コイツを地球から排除するにはダイレンジャーかゴーマの勝敗が決するか、或いは………………。











ゴーマ宮内部では、ゴーマ15世が柱から落ちてしまっていた。


「ああぁぁぁぁ…………」








″カシッ″







「嘉栩?」



ゴーマ15世は落下しなかった。嘉栩が腕を掴んだためである。


「休戦協定に…………同意するんだ!」



同意すれば、地球侵略は夢のまた夢になってしまう。6000年待って、それはない。



「嫌じゃ!嫌じゃぁぁぁぁッ!!」















大連王とパチンコ大名人の激しい戦い。パワーでは勝っている大連王だが、パチンコ拳法が思ってるより強く、中々決め手に欠けてしまっている。
その様子を集まったキッズ達は遠くから見ていた。加勢したいが、行くに行けない。




「ぐ………………う…………」



コウが苦しみだす。ゴーマの血が騒ぎだし、バキになろうとしているのは誰の目にも明らかだった。



「コウ、お前…………」



なれば楽だろう。しかし、コウは抵抗している。誰も傷つけたくない。ましてや、誰かを殺したくなどない。



「みんな…………僕は…………だ…………」




「大丈夫、じゃないわよ!」



町子はコウを支える。まともに立てる状態ではない。そんな中でも、コウは由貴と共に空を見上げた。


「来る…………大神龍が…………」












暗雲を突き抜け、大神龍は再び東京に降り立った。



「来ちまった…………」



天馬連者は考えの甘さに後悔した。亀夫の言った通り、すぐに来てしまった。
大神龍はパチンコ大名人を睨み付け、歩みを進めていく。






″ドズンッ″













″ドズンッ″












地響き。パチンコ大名人は恐怖も相まって、全く動けなかった。



「た、ちょ、まっ…………」



自分はただパチンコをしたかっただけなのに。そう思いながら、上を見る。






″ブンッ!″










「た、助け………………ぎゃあああぁぁァッッ!!!」















″ドオオオォォォンッッ!!″












「パチンコ大名人が踏み潰されたアル…………」


重甲気殿で″大圧殺″を受けたように、パチンコ大名人は大神龍に潰されて絶命した。
続いて、大神龍は大連王に矛先を向ける。光線を吐き出し、大連王は直撃を受けてしまう。