嘉栩がゴーマ15世のいる部屋へ向かう。その間にいる女性。ガラとは違い、赤紫色の羽織を来ている。


「貂蝉…………左大臣か」



「今は摂政だ。久しぶりだな」



嘉栩も一度面を外し、顔を合わせる。2人は少し見つめあっている。まるで、探し物を見つけた時のように。



「老けたな」



「お前は変わらず美しいな。」




「かつての元老院は私だけしか既に残っていないのでな。張り切りもすれば、容姿は整える」



「…………今は、ゴーマ15世に会わせてもらう」



再び面を被り、嘉栩は皇帝の間へと入っていった。貂蝉もまた、去っていく。
狼狽えるゴーマの幹部達。阿古丸は頭の中で思考を巡らせていた。



(道士嘉栩は大連者のボス。父上と貂蝉摂政は何か知っているようだが…………。ダイなのに妖力を………………)



皆が謎に思っているのは嘉栩が妖力を使える理由だ。ゴーマ以外が妖力を使えるはずがない。
と、いうの原則。例外がある。
それは天火星・亮の父親である張遼だ。
コウはハーフであるが故に両方を使えるが、張遼は修行で気力の他にも妖力を使っていた。
阿古丸自身、直接戦いを見たわけではないが、霊力を吸収する前のシャダムとも同等以上の戦闘能力を有していたらしい。


(道士嘉栩は修行で妖力を…………いや、″逆も″あり得るか)


もし″逆″だとしたら…………。



「阿古丸様、道士嘉栩はなぜ…………」



「私にもまだわからない。だが…………」



全ての謎はシャダムと貂蝉、ゴーマ15世が知っている。



















嘉栩と共に赤い柱を上がっていく。その先には、一人で碁を打つゴーマ15世が待っていた。



「嘉栩、お・ひ・さ・し・ぶ・り」


面を外し、嘉栩は顔を見合わす。



「6000千年前ぶりだな、ゴーマ15世…………」



「敵地に乗り込むとは、昔と変わらず無茶苦茶をするのぅ。まあ、わしとお前の仲じゃから」



「今、地球で何が起きてるか知っているな?」



ピクッと瞼を動かすと、ゴーマ15世はクイっと指を動かした。すると、銀色の球体が小さくなり、額に入っていく。
実は、空中に浮遊している銀色の球体はゴーマ15世の額にある″第3の眼″なのである。これで、人間社会を監視しているのである。
額から光が放たれると、そこには大神龍が映し出されでいる。また、どこかの国が攻撃を受けているようだ。



「不思議な存在(やつ)よのぉ。我らの仲間でもなし、お前達の味方でもなし。いったい何者なんじゃ?」


「奴は宇宙の意思といわれる大神龍…………争いがある地球を滅ぼすつもりだ。」