「これがお前のせいなら、お前を倒せば僕は目を醒ますことが出来るんだな」


確信を突き、念じる。すると、コウの手首にはキバチェンジャーが現れた。
自分の夢の中であることから、どうすればいいのかを感覚的に判断したのである。



「お前が私を?。ならば、試してあげようじゃないか…………」


阿古丸もまた、ナーガチェンジャーを具現化する。互いに見合い、キーを装填した。


「気力転身!キバ、チェンジァァァァッ!!」



「妖力転身!マーラッ、チェンジァァァァッ!!」



白き虎と黒い蛇が対峙する。ある意味、戦闘での直接対決
これが初めてである。



「行くぞ、阿古丸!!」



キバレンジャーが白虎真剣を構える。それに対し、ナーガレンジャーは蛇の牙を模した黒い″蛇奉刺又″を自分の影から取り出した。



「力の違いを見せつけてあげるよ」



両者は向かい合い、互いに走っていった。

















ゴーマ宮から離れ、シャダムは隠れ蓑にしている廃墟となった遊園地でガラ・ザイドスと会合をしていた。



「冗談じゃないわ!!。あんな子供の下で働くなんて!!!」



あんな子供、とは阿古丸のことである。個人的な怨みがあるわけではないのだが、プライドが許さない。



「阿古丸ではなく、俺達の力で牙連者をゴーマに出来れば………………」



「そうだ。だから………………パチンコ大名人を使う」



『!!?』



名前がふざけてる以外は、かなりの妖力使いであるパチンコ大名人。かなりの戦力となる。



「だが、奴はパチンコばかりしてやがる!!」




「だから…………俺の妖力を奴にくれてやる」
















都内パチンコ店。パチンコ大名人は異形の姿ながらも、大当たりを叩きだし、それを他の客に振る舞っているためにヒーロー扱いされていた。
地球征服に興味はなく、パチンコに勝つことのみが目的のため、人間からも嫌われてはいない。



「さぁて、次もフィーバー!!」
















″シュッ!!″











「!!????」





何か、躰に入った。クラッ、と倒れそうになる。パチンコ大名人の意識は、そこで途絶えてしまう。



「だ、大丈夫ですか?」




他の客が軽く擦る。




「!!?。う、うわあぁぁぁァッッ!!!」





目を醒ましたかと思えば、パチンコ大名人は走り出して店を出てしまう。
そのまま街中に出ていき、手に妖力を溜めた。



「妖力を試してやる………………」