「あああああああああああァァァッッ!!!」


しかし、将児は1ケースを無駄に使い、更に注ぎ込んでも負け続けていた。


「もうやめようよ、どうせ勝てないんだから………」


あまりに長いので飽きてしまい、大五の変わったキャラの喋りになってしまう。

「もゔ5万円゙も負けてるんだぞ!?このまま引きさがれっかよォォッ!!」



















゙ピー゙













負けた。負けるべくして負けたのだ。


「ぢぐじょぉぉぉ………」


大五が慰めようとするが、5万もスッてしまい、真っ白な灰になってしまっている将児は聞く耳を持っていなかった。



「はぁ………」



「お兄さん、今日はツいてなかったんですねぇ」


「んあ?」


話しかけられて横を見ると、くいだおれ○○のような服装のオヤジが立っている。


「あんたは?」


「私ばパチンコ大名人゙です」


何だ、そのありきたりな○橋名人みたいな名前。と、将児は思ってしまう。


「ツいてない貴方に、私が運を引き寄せるパチンコをお見せしましょう」



オヤジは座ると、残っているたった一つのパチンコ玉を台に入れる。


「パチンコとは…………こうやるのです………」










゙カッ!!゙









オヤジの目が光ったようにギラギラとしている。このパチンコに、魂をかけているが如く集中している。
その眼光は嘘をつかず、玉がどんどん穴に入っていく。昔ながらのイッパチ台なため、゙777゙が出る度にズラァァァッ、と溢れるように出てきた。


「すげぇ………」


自分とは大違いだ。恐らく、人生奪還を賭けだ泥゙にも勝てるのではないだろうか。


「………フフフ…………アハハハハハッッ!!フィーバー、フィィィィバァァァッッ!!!」




興奮しすぎたのか、玉をばら蒔くオヤジ。拾いにいった人達も、脚を滑らせて転んでいく。


「ちょ、あんたやりすぎだって!」


大五と将児が止めに入る。しかし、オヤジは2人を突っぱねてしまう。


「ああああ…………フィィィィバァァァァァッッッ!!!」











゙ボワンッ!!゙












『ゴーマ!?』


2人の目の前で、オヤジはゴーマ怪人になった。まるで、パチンコ台のような姿だ。


「ゴーマめ、てめえの名前は!?」


「言ったでしょう?私は、パチンコ大名人!!」



「え?本名かよ!?」


どう考えてもあだ名としか思えないが、どうやらその通りらしい。


「パチンコ拳法・゙ラッキー寄せぇぇェッ!!゙」


パチンコ大名人が手から妖力を解放する。すると、パチンコ玉と大五達を含むその場の人間を引き寄せて、抱き合わせてしまう。


「な、なんじゃこりゃあぁぁァァッ!!」


「パチンコが下手な人間を相手してるほど、私は暇じゃないのでね!」