「人間界で食されてる、゙モンブラン゙という菓子でございます」


前に数人の少年達を虜にしで一興゙した後に、食べたことのあるケーキ(少年達から財布を奪った)。美味しかったので、献上しようと買ってきたのである(また財布を奪った)。
ゴーマ15世は一口食してみる。


「!!?。ほほう、これは美味じゃ!!」


甲高い声で喜ぶゴーマ15世。阿古丸はニヤリとしている。















゙ゴオオオオォォォッ゙















柱が1本、浮上してくる。そこには面を付けたシャダムが立っていた。
雛はそれに気づくと、柱を移り、阿古丸の後ろに隠れた。先日の一件、殺されかけたこと以来、シャダムが怖いのだ。


「父上が失脚する日も近いですねぇ」



「何!?」


「もうじき、コウは目覚める。それは私が手を下そうが、そうでなかろうが、決定してるんですよ」


「阿古丸…………」


「でも、父上が赦しを乞い、頭を垂れるならば考えますけどね」


シャダムとしては、阿古丸がダイレンジャー以上に脅威になっている。
息子とはいえ自分の指図に従わず、ゴーマ15世の寵愛を受け、ナーガレンジャーという強大な力を手にした。
これだけの事を放っておくわけにはいかない。
何か、何か手を考えなくてはならない。


「………とはいえ、私は1日も早くコウをゴーマにしたい。動かなくてはならない………」


そう言うと、阿古丸はトランプを中止しで皇帝の間を゙出ていってしまった。
その後、自分の部屋に入る。


「雛、誰もいれるな」


「は、はい」


追従して出てきた雛にも命令をし、人払いも出来た。


「コウ……………ゴーマになる時だ…………」



















学校が終わり、キッズ達はリンの部屋にいた。宿題をする途中、おやつのケーキ(リンは金銭的に泣いた)を食べていた。


「そういや、コウの誕生日っていつなんだ?」


健一がハッと思い出したように聞く。



「僕も…………自分の誕生日を知らないんだ」



母が祝ってくれたのは覚えているが、その日がいつかは覚えていない。
八百屋に住んでた頃は、適当な日を誕生日代わりに祝ってくれていた。


「別に誕生日がわからなくたって、1年経てば1歳増えるのはわかるんだし、いいんだよ」


特に気にしていない。


「10歳ってどうよ?」


誕生日がわからないコウを除いて、全員が10歳になっている。


「お酒を飲むにはあと10年必要だね」


正夫は間接的に、゙大人になるまでの期間゙を言う。


「お酒って美味しいのかな」


「俺、前に気になってビールなめたけど苦くて飲めたもんじゃねえ」


健一はジムに所属してるボクサーが勝った時の祝宴で出たビールを秘密でなめたら、全く美味いとは感じなかった。
なぜ大人は美味そうに飲むのか、理解が出来ない。


「のどごし、がいいってはいうけど………」