珠が光りだす。この数では対応しきれない。


「コウ、由貴ちゃん!!」

テンマレンジャーも向かうが、間に合わない。



















゙シュッ!!゙










「………え?」


キバレンジャーが消えた。いや、移動したのだ。キリンレンジャーが高速移動をする゙光影速゙を使い、助けたのだ。
ただし、ホウオウレンジャーだけはそこに残っていたままだった。
それにはキバレンジャーとテンマレンジャーだけでなく、かんざし女雛も驚いた。












゙ピュンピュンピュンピュン゙











゙ネックレスファンネル゙からの光線がジャングルジムを溶解させていく。
憎んでいるキバレンジャーを斃すためか、さっき以上の光線が降り注いでいる。


「由貴ちゃぁぁぁん!!」

テンマレンジャーが走る。同様に、キバレンジャーもキリンレンジャーの腕を払って向かう。


「由貴ちゃん………」


キバレンジャーが向かうと、そこにはダメージ超過で転身が解けた由貴の姿があった。


「由貴ちゃん、しっかりして!」


「だ、大丈夫…………」


そうは言うが、頭から血を流している。キバレンジャーはキリンレンジャーを睨む。


「町子ちゃん!!どうして………」


「あの状況じゃ、一人しか助けられない…………」


「そんな………」


「隙アリだ!」


イヤリングカッターをキリンレンジャーに向ける。朱雀釵で弾くも、カッターからも刃の光線が放たれ、キリンレンジャーは倒れてしまう。
続いて、妖力波がキバレンジャーに命中し、膝をついてしまう。


「ぐ…………………」



イヤリング中宮はそれを見て、剣を持って迫ってきた。


「死にさらせ、キバレンジャー……………」

















゙ハイィィィッ!!゙












「!?」


イヤリング中宮が振り向くと、龍連者がいた。その蹴りは炎を纏っている゙龍星キッグで、命中させて蹴り飛ばした。


「ぐぶぅッ!!」


その隙に龍連者は由貴へ駆け寄った。


「由貴ちゃん、由貴ちゃん!」


「亮……………お兄…………ちゃん…………。あたしなら………平気………」


他にも麒麟連者が来て、麒麟九節鞭・刻を出して、イヤリング中宮に巻きつける。


「亮、コウ君、今です!!」


「行くぞコウ!」


龍連者がキバレンジャーと共に走っていく。


『天火星・吼新星・゙大爆斬!!゙』


赤龍双竜剣・焔と白虎真剣に炎が纏い、それを斬撃として放つ。
イヤリング中宮に命中し、爆炎が包む。


「ぐおおぉぉォォッ!」


「姉様!!」


駆け寄る雛。しかし、顔をあげると般若のような形相は直ってはいない。


「おのれキバレンジャー………ウッ!」







イヤリング中宮はブヘッ、と口から何かを吐き出した。


「…………泥!?」


かんざし女雛はそれが血ではなく、泥だというのを認識するのに時間はかからなかった。
とにかく、今ここにいてはいけない。簪を前に投げ、爆発で煙を出してその隙に逃げ出した。



「とりあえず、逃げたか………」


転身を解き、改めて亮は由貴に駆け寄る。


「由貴ちゃん!」


手拭いで血を拭き取る。出前中に駆けつけたため、亮は白い調理師服を着たままであり、流れる由貴の血が染み付いてしまう。
由貴は自ら癒しの水で傷を治していく。


「だいぶ良くなってきた………ありがとう」


お礼をいう由貴。安堵する面々の中、一人だけ怒声をあげていた。