服も赤とピンクで構成されており、明らかなにお洒落をしているという風である。


(町子ちゃん、あんな可愛いんだ…………)


思わず顔を赤らめる程であった。
町子が席に着くと、始業のチャイムが鳴る。チラチラと視線が集まるが、本人は気にしていない。
休み時間には女子の間でもモテはやされていた。しかし、由貴はコウの下へと行く。


「町子ちゃん、凄い可愛いね」


「え!?」


「コウ君も可愛いと思うでしょ?」


「ま、まあね………」


意地汚い女だと、由貴は自分の事を思った。わざわざ他人の評価を男に聞くのは、意識してるのがバレバレになるようなものだ。


「コウ君って…………」


「僕…………?」


「……………何でもないよ」


やや残念そうな表情で席を離れる。コウはチラチラと由貴を見てしまう。
やはり、町子と違った方向性で可愛い。


「…………」


町子はそれに気づき、コウと由貴を交互に見ていた。



















帰りの時間になり、町子はすぐに帰ってしまった。コウも約束があるため、バックを背負って教室を出る。


「あれ?コウ君、もう帰るの?」


珍しく男子達と遊ばないとは。


「あ、えっと……………用があるんだ…………」


町子から言われた通り、内緒にしておかなければならない。特に、由貴に関しては。
鈍感なコウでも、流石に言えない。


「じゃあね!」


コウは急いで帰ったのだった。由貴は他の女の子達と帰路に着いたが、終始浮かない顔であった。
家には既に真司が帰ってきており、並べられた昼食を食べている。


「姉ちゃん、おかえり!」


「ただいま」


ランドセルを置き、改めて台所へ降りる。


「由貴」


「ん?何、お父さん」


「ここに座りなさい」


テーブルで父と向き合う。


「学校楽しいか?」


「うん」


「いや、そうじゃない…………その………コウ君とは仲良いのか?」


「!?」


その質問を受けると、途端に考え込んでしまう。仲は良いはずなのに、縮こまってしまう。


「どうした?もしかして、何かされたのか!?」


父も気が気ではなかった。最近素っ気ない娘、仲の良い男の子の話が多くなり、明らかに父離れが進んでる原状を打破したくて必死だったのだ。


「何でもないよ」


「いや、由貴の顔を見ればわかる!何でもお父さんに相談…………」


「お父さんには関係ないよ!!」


強く言われ、固まってしまう。由貴は急いで昼飯を食べ、外に出ていってしまった。


「何だか、悪化しましたね」


「笑い事じゃないぞ………母さん………」