「これは…………ハッ!」


自分の背後に気を感じた。振り向くと、濁流の如き水を纏った刀身をホウオウレンジャーが持っている。


「鳴水星奥義・゙鏡花水月!!゙」



゙鏡花水月゙。その名前の如く、掴む事の出来ない水面に写る月。
自らの気すらも完全に模倣した水の幻を盾に、圧倒的な斬撃を行う、ホウオウレンジャーの奥義。


「ハアアァァァァッッ!!」















゙スバッ!!゙














砕けかけた鎧ごと斬り裂く。加えて、孔雀連節剣を引き抜き、典韋は大量の血を噴き出した。
けれども同時に、ホウオウレンジャーのマスクを拳で砕かれてしまう。


「この小娘がぁぁ…………」



「……………あとは…………お願い……………」


そう言って、ホウオウレンジャーは飛ばされてしまう。しかし、スーパーリュウレンジャーはその間に気力を溜め、典韋へ引導を渡す準備を完了していた。


「何……………」


「喰らえ!これが僕達の力だ!!」


気力と妖力、2つを1つにし、今まで発揮した以上のパワーを生んでいる。


「吼新星奥義………………」


「クソオォォォッ!!」



「゙吼咆大牙!!゙」









゙グゥルオオォォォッッ!!!゙







白虎真剣が吠えると、巨大な白き獣・白虎が現れた。その圧倒的なオーラは、典韋すらも威圧していた。
その牙、爪は万物を喰らい尽くす。


「だが…………」


その太刀筋は余りにも分かりやすい。いくら怪我を負っていても、避けれなくはない。


「……………ぬぅぅぅぅぅッ!!」



















゙ザンッ…………゙













空振りだった。典韋はギリギリでかわし、健在だった。


「もらったァッ!!」

















゙クワッ!!゙












「!!?。馬鹿な…………」


躰がスーパーリュウレンジャーに引き寄せられていく。実は、白虎真剣が吼えた時点で音響反射の対象となり、山びこのようにハネ返ってきたのである。
これにより、典韋は引き寄せられていくのである。


「しかし…………」


待ち構えているスーパーリュウレンジャーを斃せば問題はない。典韋は左手に妖力を溜めた。


「死ねえぇぇぇェッッ!!」




















゙シュン……………゙















゙ズドッ!!゙
















「!!?」


左腕さえ、典韋は斬り落とされた。クジャクレンジャーが再び奥義・゙孔雀明王扇゙を出したからである。体力も気力も消耗しきってるため、30枚程しかない不完全なものだが、弱ってる典韋の腕を肩から斬り落としたのである。


「カアッ!!」


口から妖力波を吐き出すが、スーパーリュウレンジャーをクジャクビットが守っている。
ビットが砕けていく間にも、距離は縮まっていく。やがて、限界が訪れたクジャクレンジャーの気力が切れて、ビットは消えてしまう。
妖力波がスーパーリュウレンジャーのマスクを砕け散らせるが、既に遅かった。
コウは白虎真剣を振る。すると、白虎のオーラの牙の数の分、斬撃が典韋を斬り裂いたのだった。


「やっ……………た……………」


奥義の成功と共にコウは転身が解かれ、倒れてしまう。