「…………ならば、俺が自らお前の友を殺す。そして、お前を手にいれてやるわ………」


典韋は自らの妖力を解放した。紫色のオーラが発し、スパークしていく。


「ぬぅぅぅぅぅ……………カアァッッ!!」


















゙ズドォゥッ!!゙


















典韋は怪人にはならなかった。代わりに、鎧を纏い、武器である斧・悪来を持っている。
頭の兜には角があり、歪んだような紫と金の鎧である。見た目には、牛魔王のような出で立ちであった。
古来の大連者や高貴なゴーマは、自らの姿を変えることなく、気力や妖力を鎧として具現化して戦っていたのである。


「これが俺の本気だ………」


コウと由貴だけではなく、他のキッズも嫌なくらいに強い気を感じさせられていた。


「お前みたいに強い奴が初めてってわけじゃねえ!」

テンマレンジャーは雷を拳に集め、地面に叩きつけた。
収束した雷の珠が地面を抉りながら進んでいく。典韋に命中すると、爆発が起きた。


「行くぞ、みんなァッ!」


スーパーリュウレンジャーの掛け声で、散るキッズ達。6方向に囲み、気功弾を放つ。
砂塵の中より飛び出した典韋は、気功弾を避けてテンマレンジャーを悪来で斬る。


「うわァッ!」


その最中、気功弾は真ん中で1つとなり、円陣を組んだクジャクビットに吸収される。


「゙拡散気力ボンバー!!゙」


クジャクレンジャーの声と共に、クジャクビットより゙気力ボンバー゙が撃たれる。
それが再び分かれ、6方向から典韋に向かう。


「効かぬなァッ!!」


カッ、と妖力が稲妻になり、気功弾を打ち消してしまう。
そこへ、回り込んだキリンレンジャーが朱雀釵を向ける。


「瞬光星・゙光連弾!!゙」


先から光弾が連続で放たれる。典韋はガードするも、連射に押されていく。


「ぬ…………」


「やあぁぁぁァッ!」


撃ちながらキリンレンジャーは近づいていく。


「瞬光星・゙光紡剣!!゙」

光が朱雀釵に集まり、橙色に輝く。そのまま典韋へと斬りかかっていく。


「たァッ!」


打撃から斬撃へと変化し、鎧を突くと火花が散る。


「鎧ごと貫いてやる!!」

「させるかッ!!」


腕を掴み、引き寄せて自らの膝をキリンレンジャーにくらわす。


「うぐッ!!」


そのまま、手から妖力波を放ち、キリンレンジャーを吹き飛ばした。


「キャアアァァァッッ!!」


積まれに積まれた石の山に突っ込んでしまう。


「う…………う………」


立ち上がろうとするキリンレンジャー。しかし、閃く刃を上に見つけてしまう。

既に接近していた典韋は、キリンレンジャーの首をハネようとしていた。


「ヤバ……………」


「死ね…………」


それを見て、スーパーリュウレンジャーは走って向かう。


「町子ちゃぁぁぁんッ!!」