そう。同じなのだ。人間は人間を、ゴーマはゴーマを、互いに守りたいだけなのだ。
スーパーリュウレンジャーはそれがわかると、言い返せなかった。


「いずれゴーマが地球を侵略した際には、ゴーマ内部でも権力闘争が始まるだろう。その時、お前の力があれば心強い。もし配下になるならば、お前の友には手を出さないことを約束しよう」


「…………本気なのか………」


「本気だ」


典韋のいう権力闘争というのが何を指しているかは知ったことではないが、学校のみんなの安全を保証するというのは…………。
確かに、これからも戦いが続く限り、みんなが安全とは限らない。


「ただし、仲間は殺せ」


「!!?」


「小さき大連者…………本物であるお前を除けば、シュラであるガキ達ば覚醒者゙………危険な存在だ」

「覚醒者?」


「何!?」


これは驚いた。覚醒者という自覚すらないとは。スーパーリュウレンジャーが知らないということは、当然他のキッズも知らない事は想像に難しくない。


「ならば教えてやろう。覚醒者は、ダオス文明の根源である気力と妖力を自然発生させた人類……………この時代に合わせて言えば、新しいダイ族なのだ」


「新しい………ダイ族?」


典韋は話した。人類の始祖は元々特別な力を持ち得なかった。しかし、ある時に気力や妖力を持った人類が出現し、人々は現行人類を上回る繁栄を築いたという。
それがダオス文明の始まりであり、気力を持つダイ族・妖力を持つゴーマ族・何の力も持たないシュラ族に分かれた経緯だという。


「覚醒者が増えれば、我々は淘汰されるかもしれない。ゆえに、奴らは始末しなければならない」


無論、なぜ由貴達が覚醒者になったかは典韋もわからない。
ただし、なってる以上はダイ族からもゴーマ族からも危険な存在なのである。


「そんなこと、あるわけないだろ……………」


「種の争いとは、お前が思ってることより深刻なのだよ」


黙るスーパーリュウレンジャー。典韋はあと一押しだと考える。
ヒーローの自覚があるならばこそ、大勢の人を救うためならば少数を犠牲にする事を思考するからである。


「さあ、どうする?」


「決まってるだろ…………………ハァァッ!!」


白い斬撃が典韋に向かっていく。それを避けるが、炎が迫っていた。


「クッ!」


両腕でガードする。大した威力ではなく、ただの威嚇のようだ。


「どっちもゴメンだね!。僕はみんなを、全部を守る!!。お前もゴーマも斃して、みんなと一緒に暮らしてく!!」


「愚かな…………大局が見えないのか?」


「何かを犠牲に平和を勝ち取るんなら、悪を犠牲にしてやる!」


「善悪の問題ではないのだ!」


「自由と平和を守る……………それがダイレンジャーだ!!」



スーパーリュウレンジャーがそう言い切ると、他のキッズも到着した。
並び立ち、典韋と対峙した。