空中にいったことを確認したキッズ達は、大輪車を脚にはめた。


「俺達もいくぞ!」


テンマレンジャーに言われ、他のキッズ達は頷いた。出ようとするが、ホウオウレンジャーは学校を振り向いた。


「みんなぁぁァッ、ありがとおおぉぉぉうッ!!」



同じように、キッズ達も会釈をしてから、学校を出てスーパーリュウレンジャーを追いかけていく。
残された子供達は、生き残った先生の指導の下に避難した。
サイレンが鳴り響く。じきに警察がやってくるだろう。
言葉はなくとも、子供達は決めていた。もちろん、先生達もだ。
警察から聴かれたら、ダイレンジャーが助けてくれたということのみを伝えようと。
そんな中、雅之や冴子達4年3組はある案を考えていたのだった。
そう、キッズ達の勝利を信じて。






















街から離れた採石場。隕石か、と思える勢いで、スーパーリュウレンジャーと典韋は落下した。
その衝撃で辺りの石は吹き飛んでしまう。


「っつう………」


自らの技とはいえ、こんなに反動を受けるとは。


「でも、お前のがダメージはありそうだなぁ…………典韋!」


立ってはいるものの、さっきまでの堂々としたものとは違う。
軍服は所々に裂けた部分もあり、口を切ったのか血を出している。


「あの状態から、こんなパワーを出すとは計算外だった…………」


「僕らをなめすぎたんだ…………こっからは、反撃といかしてもらうぞ」


もう周りを気にする必要などない。スーパーリュウレンジャーは気力を溜めていく。


「待て、吼新星・コウよ。俺から提案がある」


「?」


「我が軍門に下れ!!」


「何だって!?」


何を言い出すかと思えば、降伏して部下になれとは。


「ふざけんな!先生や警察の人を殺し、学校のみんなを傷つけたお前の仲間に、誰がなるかよ!」


「あのような事はこれからも起きるぞ。ゴーマの侵略により、シュラの民は多くが犠牲となる」


「…………」


今までだって、死人がいなかったわけじゃない。
話によれば、キバレンジャーの正体を知ろうとした三人官女によって少年達が口封じされたり、サボテン将軍がさらった少女の家族を殺したりしていたらしい。
守れた命だけではないのである。



「学校とやらで学んだろう?。覇権争いなのだよ。シュラも争いの時は、女子供も容赦なく殺すだろう」


「違う!確かにそういう歴史はある…………でも、僕らはそうしない道だって知ってる!!」


「違わん。一族を守るという名目で殺すことを正当化する。現に、お前達は数多くのゴーマ怪人を葬ってきたであろう?」