「!?。うわぁぁぁァァッ!!」



両手に気力を練り、典韋へと向ける。


「゙気功波!゙」


青白い閃光が飛び、稲妻を突破する。気功波は典韋に命中するものの、大してダメージはなかった。


「ほう…………吼新星・コウの他にも、感情で気力が増大する………」


思ったよりも、厄介かもしれない。他のキッズは情報収集せずとも、力押しで充分だという考えは訂正した方が良さそうだ。



「だが、もう遅い………」



















「ケホッ、ケホッ…………」


胸の傷も消え、血も出なくなったかおり。治療は成功した。


「大丈夫!?」


「う、うん…………」


かおりは静かに返事をした。ホウオウレンジャーは立ち上がり、窓から出ようとする。
















゙お前らのせいだ!!゙












「!?」



振り向くと、少年が怒った表情で口に出していた。


「あたし達の…………」


「お前らがウチの生徒だから、俺達がこんな目に遇わせられるんだ!!」


「…………そうよ!さっきから負けっぱなしで!」


「まき込んだんだから、責任とって守りなさいよ!!」


少年の発言をキッカケに、キッズに対する怒りが爆発してしまった。
さっきまで応援してくれた子供達は一転して、非難を始めてしまった。


「そんな…………この子はあたしを助けてくれたよ!」


「かおりちゃんも、コイツらさえいなければ、こんな目に遇わなかったんだよ!」


弁護してくれたかおりの意見を、同級生達は無視して、ホウオウレンジャーを責める。








「お前達のせいだ!!」













学校中から飛び交う罵声。それに対し、キッズ達は衝撃を覚えた。


「何で、あんな…………」


「人間とはそんなものだ…………」


典韋はその光景を喜ぶように見ている。


「大連者は子供からすれば、憧れのヒーローなのだろう?。だが、襲われた原因が大連者で、正体が同じ子供で、しかも敵に負けている…………それを誰が応援するというのだ?」


すべては演出だった。
チェーンソー僧侶を遣い、子供達に恐怖を植えつける。
ダイレンジャーキッズの正体を明かすような状況にして、チェーンソー僧侶を斃させる。
それで一度は希望を取り戻すが、ダイレンジャーが敗北している姿を見せつけ、再び絶望に叩きつける。
それで、誰かのせいにすることにより、精神を安定させようとしている。
当然、キッズ達に向けられるのだ。


「どうだ?守るべき対象の、友に罵倒されるのは?」



キッズ達には、明らかに動揺があった。