阿鼻叫喚、とはまさにこういうのだろう。子供達は慌て、泣き叫んでいる。


「うるさいガキ共………」

チェーンソー僧侶が校舎へと向かっていく。


「待て、チェーンソー僧侶。わざわざ行く必要はない」


典韋がクイッと指を捻ると、2年生の少年と6年生の少女が引き寄せられていく。


「うわぁぁぁッ!!」


「た、助けてぇぇッ!!」

宙に浮いて引き寄せられていく様に、同級生達はポカンとしながら見ているだけしかない。
血だらけの鉄棒の前に置かれ、少年と少女にチェーンソー僧侶が襲いかかった。


「見せしめに斬ってやる!!」


少年と少女はすぐさま林田の回想をする。目の前にはその結末があり、恐怖に染まっていく。


「いやぁぁッ!!」


逃げようにも、躰が動かない。ガクガクと脚が震え、強張ったように硬直している。


「とりあえず、死ねや!!」
















゙ドゥオッ!゙















「どわァッ!」


「!?」



チェーンソー僧侶が蹴り飛ばされる。その場にはクジャクレンジャーが立っており、少年と少女に駆け寄った。


「大丈夫?」


「あ………うん………」


「早く、校舎に逃げて!」

言われた通り、少年と少女は何とか立ち上がって走り、校舎へと走る。
クジャクレンジャーはビットをまとめ、孔雀連節剣を作って持つのだった。
実は、優美は混乱に乗じて教室を抜け、屋上で転身したのである。


「許さないわよ………ゴーマ………」


林田は即死状態であり、どうしようもない。


(結界を破った様子はない…………やはり…………)

典韋はニヤリとして、クジャクレンジャーの前に立ち塞がる。


「俺は典韋。階級は大佐だ。クジャクレンジャーよ、今はチェーンソー僧侶が相手をする」


「チェーンソー僧侶?」


林田を殺した奴だろう。振り返ると、まさにクジャクレンジャーへ向かってきていた。


「大連者めぇぇッ!」


「く…………」


孔雀連節剣とチェーンソーが鍔迫り合いをする。高速回転してるため、刃からは火花が散っていた。
クジャクビット程の硬度がなければ、チェーンソーに切断されているところである。


「よくも林田先生を…………」


「貴様らこそ、我が師である大僧正リジュを殺した!許さんぞ!!」





















若葉台小学校から離れた位置にある警察署の屋上で、阿古丸は地獄で手に入れだ千里眼゙を使い、出来事を見ていた。


「コウ達は学校にはいないようだな………。優美だけでどうにかなる相手ではないというのに」


チェーンソー僧侶はリジュが後継者として育てていた強者で、実力も優れている。
なまじ一人の力では手強いにもほどがあるくらいだ。