コウが転入してきたのは4月。あれから半年が経ち、絆が深まった。


「まあ、ね…………」


「俺のが付き合い長いのに、コウとは毎日のように一緒に帰ったり遊んだり…………」



確かに帰り道も同じだし、キッズとしての時間を共有しているために必然的に一緒にいる。


「お前ら………その…………付き合ってるのか?」


「え!!?」


一気に赤面してしまう。由貴は思わず雅之から目をそらしてしまった。


「どうなんだ!?」


「えっ…………゙まだ゙そんなんじゃ………」


「゙まだ゙?。つまり、これから付き合うのか!?」


雅之は怒涛の勢いで質問してくる。頭の中が整理できずに、由貴は思ったことをそのまま出していた。


「いや、その……………あ………」


その時、由貴の頭に引っ掛かったものが外れた感じがした。最近、やたら感じる視線の正体。


「もしかして、あたしの事、雅之君見てたの?」


「…………………」


恥ずかしがるように雅之は視線をずらす。やっぱりだ、と確信した。
朝から、いや、もしかしたら数日前から自分を追跡していた人影……………それは雅之なのだ。


「どうして、そんな、ストーカーみたいな……………まるで…………」


「そうだよ、俺は……………」





















コウ達は校舎裏に辿り着き、由貴達を見つけ出していた。


「お、いたいた…………」










゙「俺は、由貴の事が好きだッ!!」゙


























え………………?
























「えええぇぇェェッッ!!」


驚く由貴。当然コウ達もだが、バレないようにと口を押さえ合い、物陰から見守る。
わかっていたこととはいえ、町子も赤面して見ている。


「え、あたしを好きって……………」


「幼稚園の頃から、ずっと好きだったんだ!」


勢いに任せ、想いのままに言葉を出していく雅之。更に混乱し、頭が真っ白になってしまう。


「…………あたし、その………」



「だから気になるんだよ………由貴が誰を好きなのか、俺のことどう思うのか………」


徐々に迫ってくる雅之。その目は、何かに熱中して周りが見えなくなってるようなかんじだ。自分以外が映っていない。


「なあ、俺と付き合ってくれ!」


「待って!!」


大きな声で返す。流石の雅之も、我に反った。


「急に言われても、その……………すぐに返事できないよ………」


頭が真っ白で、他のことを考えられない。


「そ、そうだよな。急に言われても、困るよな…………じゃ、明日返事を聞かしてくれる?」


「う、うん…………」


その後、雅之はそのまま帰っていった。由貴は胸の高鳴りが収まらぬまま、歩み始める。


(雅之君があたしを好きだったなんて…………)


驚くばかりだ。幼馴染みで、クラスもずっと同じだった。
それが、今になって好きだと告白された。しかも、幼稚園の頃からとは。


「………………ん?」


知っている気を感じる。チラッと横を見ると、窓に反射して誰かが見える。
普通の人間よりも強い気の持ち主で、ここから見える人物は…………。



「コウ君!?。健一君に、町子ちゃんまで!!?」