それを見ていたパラソル騎士団長は驚愕した。まさか、あの怪獣達を斃すなど、予想外もいいとこである。


「こんな事が………」



「パラソル騎士団長!」



「!?」


ホウオウレンジャーは青龍月刀を腰までまわす。刀身には水が迸っている。


「居合いというやつか………。せめて、君達の首を持ち帰る………」



フェンシングのように構える。2人は走り出し、交差する。


「パラソル剣術・゙串傘刺し!!゙」


「鳴水星・゙翔龍天!!゙」


突き出るパラソランスに対し、空中で居合い斬りをするホウオウレンジャー。
発動際に水が強まり、一回転をしてから抜刀した。2人が正反対の方向へ着地すると、パラソランスは中心からポロリと切り落とされてしまった。


「な………………ぐッ!!」

パラソル騎士団長の胴体からも火花が散る。武器ごと斬られていたのである。


「おの…………れ………」

無効化されたパラソランスを捨て、小さいパラソルを出す。というよりは、折り畳み傘である


「しぶとい…………」


「由貴ちゃん!」


龍星王からリュウレンジャーが降りてくる。ちょうど、パラソル騎士団長を中心に、ホウオウレンジャーとは反対の位置にいる。


「コウ君!」


「同時にいくよ!」


「……………うん!」


雨風も収まり、雲が晴れて月明かりが地上に降り注ぐ。リュウレンジャーとホウオウレンジャーは互いに走り出し、ジャンプをした。
同時に空中で前回転をして、ちょうどパラソル騎士団長の場所で交差した。















゙ジャギンッ!!゙














『月光クロス斬り!!』

















着地する2人。パラソル騎士団長の首がハネられ、爆発を起こす。
転身が解けると、両者はカッパを脱いだ。


「やったぁッ!」


「コウ君、凄かったよ!津波を止めたり、怪獣をあんな方法で斃したり!!」


「勉強はためになるって………実感したよ」


2人は帰路に着いた。夜道は晴れた影響で歩いている人もいたた。
津波が止まらなければ、ここは流されてしまっていただろう。改めて、良かったと思う。
マンションに着くと、コウは風呂を入れる。行きは雨風に打たれたし、風邪を引いてはたまらない。


「由貴ちゃん、先にお風呂入って」


「え?でも…………」


「いいから。レディファーストでしょ?」


「………一緒に入る?」


「イッ!!?」


驚きと赤面。コウはたじたじに慌ててしまう。


「冗談だよ!」


言葉に甘え、風呂に向かう。コウはその様子を立ちすくんで見ていた。

















由貴は脱衣場でシャツを脱ぎ、下着を脱ぐ。ヘアゴムを解いて髪を下ろすと、ドアを開けて風呂場に入る。
シャワーの温度を38度にセットしてから浴びる。






゙サアァァァァ………゙









気持ちいい。雨と違って、温かい。一度停めて、髪をシャンプーで洗う。
それから湯船へと浸かる。肩と乳房の間ほどの湯量であるが、温まる。思わず、安堵してしまう。
今日の出来事を振り返ると、ハードだった。