出る前に見たニュースだと、台風は関東に向かっている。若葉台町の近くの海からも妖力を感じるため、2人はそこへ向かう。


「流石に、歩いてる人はいないね」


この雨風では、外に出ようともしないだろう。2人はゆっくり歩きながらも、時々通る車を避けていく。
距離を歩いて、隣町の海岸沿いに差し掛かった。


「海だ………」


波が荒く、激しい。小さい港に辿り着くと、辺りを見渡す。
ここで働いている者達も、流石に避難を完了しているようだ。



「ゴーマ怪人は巨大化してる可能性があるから、気をつけて」


「うん」


見渡す限り、ゴーマ怪人はいない。しかし、付近から妖力を感じる。


「……………!?。危ない!!」


コウは懐から白虎真剣を取り、由貴の前に立つ。刀を振り、飛んできた妖力波を弾いた。
その衝撃で紐が切れ、白虎真剣の口が開いた。


「プゥァァッ!ようやく話せるぜぇ……………」


「あ、忘れてた」


「お二方、気をつけろい。奴からは結構な妖力を感じるぜ」



白虎真剣の言う通り、敵は手練れのようだ。コンテナの脇から、クルクルと何かを振り回しながら歩いてくる。


「こんな台風の時に来るのは誰かと思えば子供とはな」


港のライトに照らされ、姿がわかる。螺旋状になった模様をした閉じた状態の巨大な傘。その中心には一つ目があり、西洋的な鎧を着ている。


「俺はパラソル騎士団長。ゴーマ特務騎士団を率いる者だ。名乗ったぞ、君達は何者だ?」


「僕達はダイレンジャーキッズだ!。パラソル騎士団長、お前が台風を引き起こしてるわけじゃなさそうだな………」


「!?」


コウの発言に驚くパラソル騎士団長。


「海の方に黒い雲がある………」


沖の方には一段と黒い雲がある。それは海面に達する程に大きいものだった。


「あれから、巨大な妖力を感じる………」


由貴も暗雲、いや、その奥にある゙何がに気づく。


「多分、この台風を引き起こしてるのは、あの雲の中だ」


確信をしたコウはパラソル騎士団長を睨む。それを納得し、パラソル騎士団長はパラソルを天に向けた。
すると、剣と盾を持ったコットポトロが出現したのであった。


「正解みたいだね」


由貴はオーラチェンジャーを出す。これはもう、戦いの始まりを意味している。


「君達は危険だ………排除させてもらう!行け、ゴーマ特務騎士団よ!」



雨の中を駆けてくるコットポトロ。コウと由貴は迎え討とうと、オーラチェンジャーを挿した。


『気力転身!!』