内面の重要さを語る正夫。けれども、それ以上は言えなかった。















゙ピピピッ、ピピピッ゙











「う………(しまった………)」



裕典が近くにいるのに関わらず、オーラチェンジャーへ通信が入ってしまう。



「裕典はとにかく逃げて!」


正夫達は裕典を残し、場所を変えて急いで通信をONに入れる。


゙正夫!?゙


聞こえてきたのは健一の声だった。


「こちら正夫!リンお姉ちゃんと優美ちゃんも一緒だよ!」


゙そうか!。さらわれたみんなを発見したんだ!!゙

「場所は?」


゙隣町の野球場なんだ!゙



それを聞き、正夫達は向かう事にした。リンはキバー号に乗り、正夫と優美は大輪車を履いたのだった。



「行くアルよ!」


ヘルメットを被って走り出すリン。同様に、正夫達も走り出した。



















隣町の野球場。いつもは付近の小中学生の野球大会が行われる時に使うものだが、今日は違う。
ゲジ眉…………もとい芋虫ほどの大きさの眉毛をしている野球監督と、スーツを着こなした指導員。
そして、観客席には少人数ながらもコットポトロが座っていた。
それと対峙しているのは、キッズと大五・リン、そして付近にいたランだった。


「ダァァァァイレンジャァァァッッッ!!」



監督は大きすぎる声をあげる。耳鳴りでも起こすんじゃないかという程、うるさい上にうっとおしいと感じる。



「よくぞ、我らと試合をすると言ってくれた!。そう!!。やはり、スポーツマンはスポーツで決着を着けるべき!!。そうは思わんか!!!」


゙(思わんか、って。疑問が付いてねえじゃん!!!)゙




誰もがツッこむ部分。そもそも、こんな状況になったのは監督からの打診があったからだ。
子供達を返してほしければ、野球の試合に勝ってみせろと言われたのだ。



「思い出すなぁ、三馬鹿との試合……」


大五はふと思い出した。神風大将・電話先生・墓石社長のゴーマ三馬鹿とも野球対決をした事がある。


「でも、今度は本格的なゴーマアル!」


「そうか?。俺には変な奴にしか思えん」


(ゴーマはみんな変な怪人アルよ………)


心の中で呟きながら、リンは前の監督に視線を向けた。


「でぇぇは、我々も選手を紹介しよう!」


監督と指導員は徐々に姿を変え、バット監督とグローブ指導員に変わったのだった。
更に、グローブ指導員は9つの野球ボールを取り出した。


「出でよ、゙ゴーマバッドナインズ!!!゙」


グローブ指導員が唱えると、野球ボールが割れていく。中からは行方不明になっていた少年達が現れたのだった。


「恭介、啓太!」


「みんな!!」


呼び掛けるも反応はない。