対峙するリュウレンジャーと鎖紐男爵夫人。



「鎖拳・゙鎖あやとり!!゙」


長い鎖が鎖紐男爵夫人の躰から伸びる。ジグザグに移動し、リュウレンジャーを囲む。


「゙キツネ!゙」


鎖は軌道を変えながら、リュウレンジャーを囲んでいく。









゙ジャギンッ!゙











゙ジャギンッ!゙














「うわっと」


見切りにくいが、複数の敵を相手にしていると思えばいい。
右に避け、一回転して空中にいる時間を伸ばし、鎖の外へ出る。


「!!?。キツネ?」


鎖は確かにキツネを模した形状を成り立たせていた。まるで、あやとりのように揃っている。


「あれを避けるとはクレイジーにも程があるわ!。なら、゙ジャングル!!゙」


゙キツネ゙をバラし、再びバラバラになる。次はより細かく、間を敷き詰めていく。


「オーホッホッホ!。この゙ジャングル゙は360度をオールサンド(全挟み)するのよ!!」


鎖は地面をも貫き、盛り上がってくる。これは、大地に根を這っている大樹を意識しているのだろうか。
リュウレンジャーは避けつつも、慌てた様子は見せずに黙しているまま。


「ボイスもノーとは!。そのままパスタになりなさぁぁぁぁいッッ!!」


鎖は遂にリュウレンジャーを全包囲し、逃げ場を失わせた。その瞬間、リュウレンジャーのマスクの眼が輝き、白虎真剣が煌めいた。


「破アァァッッ!!」

















゙ズドオォッッ!!!゙













白虎真剣が振られ、巨大な閃光と衝撃波が生じた。鎖は次々と弾け飛び、゙ジャングル゙は崩壊していく。

「ホ、ホォゥワイ!??」

鎖紐男爵夫人は理解出来ずにいた。全包囲すれば、回避は不可能。ならば、それを上回る威力の攻撃で相殺すればいい話ということ。
とはいえ、簡単にできるわけではない。少なくとも、リュウレンジャーはあの短時間に゙ジャングル゙を完全に打ち崩す気力を使ったのだ。
煙が晴れ、リュウレンジャーは周りが消し飛んだせいで下がった場所に立っていたのだった。


「ぬぅぅぅ………だったら!」


鎖紐男爵夫人は右腕を振り回して接近をしてきた。リュウレンジャーは刃を閃かせ、迎え討つ。


「おいやぁぁぁぁァァッ!」


「ハァァァァァァッッ!!」


刃と鎖が互いを弾いた金属音が響く。直後、鎖紐男爵は右腕を伸ばしながら回転する。
しゃがんで避けるリュウレンジャー。それを利用し、懐へ太刀を浴びせる。


「グゥッ!」


怯みながらも、鎖紐男爵夫人は伸ばした状態を維持しながら、右腕を引く。
太い鎖はリュウレンジャーを背後から襲う。


「くッッ!」


背中に痛みを受け、よろけてしまう。加えて、白虎真剣を落としてしまう。


「ウフフ、これでエンドォォォォォッ!!」



右腕をリュウレンジャーに巻きつけ、振り回す。地面や建物の壁にぶつけ、体力を削っていく。


「オホホッ!フィアンセのダメージ、ユーにリバースしてやるぅぅ!!」