「おぉぉ………さらおうとシンしたガールが大連パースンだとは………」



「あの喋り方…………」


その少女の口調は、紐男爵と全く一緒だった。


「正体を現せ、ゴーマめ!」


「Eでしょう。マイセルフは…………」


少女のスカートから鎖が飛び出る。それが巻きついていき、がんじ絡めになっていく。
完全に巻き付いた後、ゴーマめ怪人の特徴である一つ目が頭部に現れた。
その姿は、紐男爵に似ていた。紐ではなく鎖で、右腕が太い鎖になっているくらいだ。


「マイセルフは鎖準男爵…………バットゥ!。ナウは鎖紐男爵夫人!!」



『鎖紐男爵夫人!!?』


「イェェス!。マイセルフは、ユー達にキルされた紐男爵のフィアンセ!!」


『フィアンセ!!!??』

紐男爵に婚約者がいたとは驚きだった。何となく、ホウオウレンジャーには紐男爵がロリコンである理由がわかる気がした。


「大連パースン!。紐男爵の恨み、ここでサニー(晴らす)してやる!!」


右腕を伸ばし、グルグルと振り回す鎖紐男爵夫人。
どんどん、鎖は赤く発光していく。

「鎖拳・゙熱鎖(ねつくさり)゙!!」























゙ブンッ!!゙












鎖がキッズ達を払っていく。


『うわァッ!!!』



その鎖は熱くなっており、いわばヒートロッドというべきものだった。
触れただけでも、かなりの熱が伝わる。


「ネクストば鎖穴釘打ち!!゙」


躰から鎖を伸ばし、キッズ達に巻き付ける。その鎖の穴に、どこからか現れた釘が刺さっていく。


『うわぁぁッ!!!』


火花が散るダイレンスーツ。恨みの分があるとはいえ、ここまで強いとは。


「トランザやラディゲに比べれば…………」



立ち上がるキリンレンジャー。朱雀釵に光を宿し、鎖紐男爵夫人に向ける。


「瞬光星・゙光連弾!゙」


光の玉が連射される。鎖紐男爵夫人は右腕を高速回転させて、弾いてしまう。


「う、嘘…………」


「町子ちゃん、退いて!」

キリンレンジャーの後ろから、テンマレンジャーが出てくる。射撃がダメならば、接近すればいい。
テンマレンジャーは躰を回転させ、鎖紐男爵夫人に向かう。


「天重星・゙回転蹴り!゙」


脚を回転に任せて振るう。鎖紐男爵夫人は躰から鎖を伸ばし、テンマレンジャーの下へ這いつくばらせた。


「フット下がお留守ですよ~」


軸足を払われ、そこでテンマレンジャーは転んでしまう。


「おわっ!」

「大連パースン、イヤーしていたよりも、ホープアウト…………マイフィアンセがユー達のようなのにキルされたなんて…………」


鎖紐男爵夫人はブンッ、と鎖を振り回す。テンマレンジャーの首に巻き付き、ギリギリと絞めていく。