いつの間にか、舞台はリエが死んだ海岸へと移っていた。
パワー差で押されていくレッドホーク。飛び上がり、ブレスをマスクに近づける。


「ジェットストライ………」


「オート操作のファイヤーバズーカで俺と心中するか?」


「!!?」


何故見抜かれた。レッドホークは距離を置く。


「馬鹿な………」


「フハハハ!!。驚いているようだな!。レッドホーク、冥土の土産に教えてやろう…………」


ブラッディゲートの切っ先を向け、喋り出すラディゲ。


「俺はこの世界の者ではない…………別の世界で生まれ、歴史を知っている……そう、貴様らの運命もな!!」


「何!?。どういうことだ?」


あまりに飛びすぎた内容で、理解できないレッドホーク。では、この世界のラディゲは?。キッズとは違う形で来たのだろうか。


「貴様の頭脳では理解できないか?。ならば順を追ってやろう………。俺の魂は肉体を離れ、裏次元を彷徨っていた」


「…………?」


「だが、そこで次元の裂け目を見つけた。俺はそれを利用し、パラレルワールドの自分を乗っ取り、あらゆる世界を破壊していった。」


なるほど。それがキッズ達の出身世界である、゙ダイレンジャーの世界゙が崩壊した理由。


「そして、あらゆる世界の因果は乱れ、この世界で変化をもたらした」


早すぎる襲来をした隕石ベム、超完全体に成長したセミマル、復活したジューザ、バイロックに代わるダモクレスの建造…………。
すべてはラディゲが歴史に干渉した影響であった。


「そして、満を持して俺は究極の力を手に入れた!!」


「…………!!?」



なんということだ。自分達は良いように流されていたというのか。


「貴様も、愛しい愛しいリエの下へと逝くがいい!!」


左手から衝撃波を放つ。レッドホークは吹き飛び、石の壁へと激突する。


「うっ………」


「クク……もはやどう足掻こうと無駄!!」


「ち…………ならば………ジェットストライカー!!」


この期におよび、知られた手を使うとは。そもそも、オート操作では威力が下がるため、ファイヤーバズーカすら受けた所で効きはしないのは前の歴史で知っている。
変形し、チャージをするファイヤーバズーカ。ラディゲは歴史通り口から光線を放とうとする。



「これならどうだ!」


ファイヤーバズーカを後ろからスマッシュボンバーで狙撃する。臨界に溜まったプラズマが暴走し、ラディゲの眼前で大爆発を起こした。



「…………」


苦し紛れに思い付いたが、これならば本来の威力を上回るはず。
通常の次元獣ならば3体はまとめて斃せるくらいはあった。


「これで斃せなければ…………」


「勝つのは無理だなァッ!!」


「な…………」


炎をかき消し、緑色の光線がレッドホークを飲む。


「う、うわあぁぁァァッ!!」


スーツから火花が散り、変身が解除されて倒れてしまう。


「ぐ………う………」


勝てない。死力を尽くしたが、想定以上のパワーアップと未来まで知られていては勝機がない。
リエの仇をとることができないなんて、申し訳がない。


「クク………レッドホーク、絶望に呑まれて死ぬがいい!!」


近づいてくるラディゲ。しかし、途中で止まり、脇を見る。


「おっと………ここでジェットマンが来るんだったな………」


「!?」


「竜ぅぅぅッッ!!」


「!!?。み、みんな………」