「゙エグゼリューション・システム゙は時間が限られていてね。悪いが、すぐに決めさせてもらうぞ。」



瞬時にラディゲに斬りつけていく。防ぎきれずに、ラディゲは次々と傷を増やしていく。


「かはぁッ!!」



膝をついてしまうラディゲ。トランザはボルトランザで突きの姿勢を取り、頭を狙って進んでいく。



「ラディゲよ、絶望と共に散れ!!」

















゙ドウゥンッッ!!゙












「ぐわぁァァッ!!」



突如、トランザの体から火花が散る。ラディゲが振り向くと、レッドホークがバードブラスターとビークスマッシャーを連結させてスマッシュボンバーにし、放ったようだった。
不意をつかれ、流石のトランザも立ち上がるのが遅い。


「隙有りィィッ!イエェェッッイヤァァッッ!!」



ここぞとばかりに、立ち上がった瞬間のトランザに、ラディゲは太刀を浴びせていく。
ダメージの蓄積により時間切れが早まり、トランザは元に戻ってしまう。


「かはぁ………」


「トドメだァッ!」


「お前もくたばれ、ラディゲ!」


スマッシュボンバーをラディゲにも浴びせる。


「ぐわぁァァッ!」


ラディゲが転び、レッドホークはブリンガーソードを構え、トランザに向かって飛び上がった。


「トワァァァッ!!」



ブリンガーソードを突き出し、トランザの腹を貫く。さらに、スマッシュボンバーを至近距離から放って追加ダメージを与えた。


「ぬぅ………はぁぁ……」



メタルトランサーは、今の攻撃で誘爆し、パチパチとスパークを上げながら壊れてしまった。
それにより、閉じこめられていたオブジェは次第にジェットマンに戻っていく。


「みんな!」


『竜!!!!!』



レッドホークならば、きっと来る。そう思い、5人は信じていた。そして、ここにジェットマン6人が揃う。


「今ならば、トランザを斃せる。ジェットストライカー!!」


レッドホークの呼びかけに応え、ファイヤーバズーカに変形したジェットストライカーが召喚される。
5人が持つと、グリーンイーグルはレッドホークの肩を支えて、発射体勢を築く。


「ま、待て………」



「ファイヤーバズーカ、出力120%!!」



『ファイヤー!!!!!!』



砲門から放たれたプラズマ火球は火の鳥のようになり、トランザへと命中した。




「グワアァァァッッ!!!」


大きな爆発と悲鳴。ジェットマン達は勝利を確信し、去っていった。ダイレンジャーキッズでさえも苦戦していたトランザを、ようやく斃したという満足感が、彼らにはあった。


















採掘場の端。体から煙を上げながら、トランザは命からがら這い蹲っていた。


「なんと無様だ………このトランザが………帝王トランザが………」


今まであった栄光の日々。それも、今の姿からは遠いものになってしまった。


「そう………貴様はこうなる運命…………」


「!?」


「ハアァッ!!」



トランザの視線は、真上のラディゲに向けられていた。そして、ラディゲはブラッディゲートをトランザの左手へと突き刺した。



「グオオアァァッ!!」



「トランザ、俺の名を言ってみろ………」


「く、ラディゲ………」


「なにぃぃ?」


足でトランザの背を踏み、更には刃をグリグリと回す。
その痛みは、トランザの神経を急激に走らせる。



「う………ああぁぁああぁぁあ…………」



これだ、とばかりにラディゲは笑みを浮かべる。゙一度゙味わっているため、癖になるくらい痛快になった感覚だ。


「俺の名前を言ってみろ………」


「ら、ラディゲ………」


「んんんっ………?」









゙グリグリ゙






「ら、ぅぅぅラディゲ様ぁぁぁぁッッ!!」



「そうだ………」



ブラッディゲートをはずす。その時には、既にプライドを打ち砕かれ、満身創痍という言葉さえ生温いほどになり、震えていた。



「だが、殺しはせん…………人間として生き、永遠に恐怖で苦しむがいい!!」


























ある病院。ここに、ある患者が入院している。その患者は、身元が不明で、全身が怪我をしていた。
しかし、何よりヒドい状態なのは脳神経だった。原因不明だが、回復不能なまでに傷ついてるらしい。
常に涎を垂らし、意識を保っているかも怪しい。
今日もまた、看護師が患者の車椅子を押していく。そして、突如として発狂し出す。決まって、こう言うそうだ。



「うぅぅぅああぁぁぁぁっっラディゲ様ァァッ!!!ぁぁっっあぁうぁぁっっ!!!」






つづく