ある程度、怪我の痛みが引いてきた。竜は青年と共に、採掘場に訪れていた。



「この辺から、強いエネルギー反応がしたんだが………」


「俺も感じるぞ。奴は………奴は近くにいる!!」


「ご明察だ」


『!!?』



岩山の上から、声を放ったのはトランザだった。その手には、ホワイトスワン・ブルースワロー・そして、ブラックコンドルのオブジェが握られていた。



「!!?。み、みんな………」


「貴様が最後だ、レッドホーク!。ん?。隣の奴は誰だ?」


見たことがない。呆気なかったディメンシア人ではない。かといって、新しいジェットマンというわけでもなさそうだ。


「しかし奴の顔、どこかで………」


「トランザ!!」


「!?」



「俺の仲間を返して貰うぞ!」


竜の体に赤いバードニックスーツが纏わり、レッドホークへと変身した。
ちらっと後ろを見ると、青年は頷く。


「ふん、貴様だけで何ができる!」


飛び降り、バイオガンを放つトランザ。レッドホークはジャンプして回避し、ブリンガーソードを振る。

右に振られるが、くるりと回転して避けられる。しかし、着地した瞬間に四方から光線が迫っていた。
その狙いは明らかに右腕だった。視線を向けると、青年がビークスマッシャーを握っているのが見える。


「なるほど、メタルトランサーを破壊するつもりか!」


そうすれば、回収しているジェットマンは解放される。読みがいい。
自分を囮にし、仲間にさせるのも悪くはない。


「だが、小細工はこのトランザには通用しない!」



地面に向けて光線を放つ。すると、砂利が湧き上がり、砂の壁となった。


「!!?」


光線を弾き、トランザは再び岩をバネに跳び上がって、レッドホークを蹴り落とした。



「うわぁッ!」


そのまま地面を転がるレッドホーク。それを隙と見て、トランザはバイオガンを構える。
それを見たレッドホークはバイオガンの弾速から回避できないことを悟る。


「く………」


「諦めるな、レッドホーク!」


青年はビークスマッシャーを投げ捨て、レッドホークと共にブリンガーソードを握る。


「剣に2人のエネルギーを込めるんだ!!」


「!!?。よ、ようし!!」


グッと力が入る。その瞬間、トランザはバイオガンの引き金を弾いた。









゙ドゥヴォッ!!゙








迫る光弾を、2人は迎え討った。ブリンガーソードの刀身は、ビシビシと震えて、稲妻が迸っている。



「な、何!?」


『ぐぬぅぅぅおわぁぁ………』


よもやバイオガンの弾圧に耐えるとは予想していなかった。重ねて撃とうと、照準を再びレッドホークに向ける。


『うおおあァァッッ!!!!』






゙ジャインンッッ!!!゙








2人は光弾を押し返した。それは、元の発射口であるバイオガンへと返り、火花を散らせる。



「ぐうぅッ!」


バイオガンは破壊され、トランザの足下に落ちる。


「よぅし、飛べェッ、レッドホーク!!」



男はレッドホークの前に立つ。


「おうッ!!」


呼応し、レッドホークは助走しながらジャンプし、男の肩を借りて滑空をする。
バードブラスターを抜き、トランザに向かって撃ち出す。


「うわッ!」


「ットワァァァッッ!!」


ブリンガーソードでトランザを斬り、その証として火花が散る。



「ぐ………」


「やあぁぁァッ!!」


「…………調子に乗るなよ!!」



ブリンガーソードを白刃取りし、脚を崩す。くるっと半回転させ、トランザは腕でレッドホークの首を絞める。