「女の子でも強くなって戦えるんですか?」


「も、もちろんよ。」


ホウオウレンジャーの言葉で満面の笑みになる2人。なぜかキリンレンジャーに寄らないのは、胸が小さいからだろうか。


「あたしだって、ダイレンスーツにスカート付いてるのに…………」


やや泣きそうになるキリンレンジャー。ともかく、早く帰らせた方が良い。


「さあ、まだ危ないから…………」













゙バチバチバチぃッ!!゙












『!!?』




突然、空に稲妻が走る。見ると、そこは空間の歪みが生じていることがすぐにわかった。
巨大なエネルギーの干渉により、空間の裂け目が出来たのである。



「空が、割れてる?」


「みんな、早く逃げるんだ!!」


素の声ではあるが、キバレンジャーは叫んだ。そんなことを言ってる暇ではない。
ジェットマンは驚いてるだけだが、キッズ達は焦りが生じている。なぜなら、これは自分達の世界が崩壊した時と同じだからである。
ここにいる雅之達、彼らは自分達の世界では殺されてしまった。もう、そんな光景を見たくなどない。



「さあ、早く!!」



「う、うん………」


雅之達は怖がりながらも、その場を立ち去ろうと脚を向ける。











゙ドゥフィィィンッ!!゙









空間の裂け目から、白い光線が放たれた。それは雅之達に当たってしまう。
キッズ達が振り向くと、雅之達は腕や首を押さえている。


「い、痛い………」


「何これぇぇ………」




その、痛みの原因となる部位には、結晶が生えている。それは、前に見たことのある現象。


「あ………みんな………」


キバレンジャーの脳裏には、雅之達が次元虫に喰われる場面・由貴の母と弟がグチャグチャに潰れてる場面・大連者の面々が命を落とす場面がフラッシュバックしていた。



「た、助けて………」


「みんな!」


ホウオウレンジャーは思わず駆け寄るも、雅之達は結晶まみれになり、やがて水晶の柱となってしまう。


「みんな…………ああ………」


触ると冷たい。もはや、友達だったとは到底思えないものへと変貌してしまっている。


「こんな…………」


ジェットマンとしてはライブラリーでしか見たことがないが、恐ろしい能力であることがわかった。


「こんなのが出来るのは……………」


ギッ、と睨み付けるキバレンジャー。空間の裂け目からは何者かが現れ、キッズとジェットマンの前に降り立った。


「フフ………良い光景だなぁ。人が絶望しているというのは。」


「ジューザ………!?」



斃したはずの敵、バイラムの女帝。だが、キバレンジャーとホウオウレンジャーにはその違いがわかった。
異質な気を放っている。強いのは間違いないが、今までとは根本的に違う気。



「アイツがバイラムの支配者、ジューザか。だが、あれはチビ達が斃したんじゃねえのか?」



「そのはず……だけど。」


ブラックコンドルとテンマレンジャーは、その理由を考えていた。セミマルのように再生能力を持っていたとも思えないのに、なぜ復活したか。



「驚いているようだが、私は万物の女神なのでな。私に滅びが来ることはない………。私は邪帝・ジューザとして甦った。」