ゴーマ怪人だけあって、脚が速い。シシレンジャーは一生懸命逃げるが、もうそこまで迫っている。


「グゥハハハハ!!逃がさんぞぉ、゙ドール゙………んあ?」


足が地面を蹴る感覚がない。下を見てみると、空間になっており、ズルッと落ちていった。



「ぎゃあぁぁぁッッ!!」


さほど深くはないが、落とし穴は自分の身長ほど空間がある。登らなければならない。


「むむ……よい……………せ…………」


上がってくるロウソク調教師。だが、屋根の上からドラム缶をテンマレンジャーが落とし、ドカンッと顔にぶち当たる。


「んぎゃぁぁッッ!」


「よっしゃぁぁッッ!!」


再びはまってしまった。起き上がろうとすると、キリンレンジャーがタンクを持って立っている。


「うふ~~♪」


「な、なぁにをしゅる気だ?」


「そ・れ・はひ・み・つ、ひ・み・つ・ひ・み・つ・、秘密の白虎ちゃ~ん。てえぇぇい!!」


タンクの蓋を開け、ロウソク調教師に向ける。すると、ドボドボと何かを流し込んでいった。



「うお!これは…………あ、油?」



「そうよ!揚げ出し豆腐を作った後の、贅沢な油よ!!」


キリンレンジャー扮する町子の家は豆腐屋。揚げるものがあるお陰で、その処理と利用に丁度良かった。


「アババババ!!」


油でベトベトになったロウソク調教師。次に、ホウオウレンジャーがフラスコ瓶を持ってきた。


「これは理科の実験で残りを溜めて作った………エイッ!!」



それを落とし、ロウソク調教師へと当てる。パリンッと割れ、エタノールが振りかけられた。



「おぉぉわぇぇ………わだずは………しゃけがにが…………」


アルコールが苦手なロウソク調教師は、やや酔っ払ってしまう。だが、それはすぐに冷めた。
リュウレンジャーが手に持っているもの、そう、ライター゙着火万゙を見てしまったからだ。


「これをやったら………わかるよな~。」



アルコールに油。これはまさか………。


「や、やぁぁぁ!!」



「天火星外伝……………゙残り物大爆発゙!!」



ポイッと投げられたライター。リュウレンジャーは急いで逃げていく。
体にライターが付いた瞬間、高温がロウソク調教師を襲った。



「あ、あああぁァァァッッッッ!!!!!」



バリバリと音をあげる。炎が鳴る中で、リュウレンジャーは更にガスボンベを取り出す。



「こいつで………トドメぇぇッッ!!」


ポイッと投げられた。穴の中に入り、炎に消えた。しばらく、音がおとなしいものの、








゙ドオオォォォンッッッ!!!!゙




という爆音が響いた。



『やったぁぁッッ!!!!!』




予想以上に上手くいき、しかも、予想以上に強い爆発で、爽快感が大きい。
これなら、きっとロウソク調教師はもうやられているだろう。



「っぷはぁぁ………。しかし、結構逃げんの大変だったなぁ。」



成功こそしたものの、全部上手くいかなければ成立しなかった。