「そら、どうしたどうした!!」



分身の斬撃が2人のスーツを削っていく。高速スピードと分身の組み合わせがこんなにも自分達を苦しめるとは。


「くそ・・・・・・見切れないなら・・・」



レッドホークはリュウレンジャーを突き飛ばし、自分達から離す。向かってくる刃が袈裟に当たり、ダメージの蓄積もあって、膝から下が地面に着いてしまう。


「竜兄ちゃん!」


自分を助けるために、わざと突き飛ばしたのか。
一方で、トランザは満足そうに微笑んだままだ。


「自己犠牲が好きだなぁ、お前らは。では、このまま首を跳ねるとしよう。」


「ぎっ・・・・・・・・・フフッ、どうかな・・・」

がッッ、とレッドホークはトランザの腕を掴む。これには、流石のトランザも驚いた。


「何・・・」


「見切れぬ剣でも・・・・・・元を止めれば動かない鉄棒だ!」


いくら速くても、振っている腕さえ何とかすれば・・・。
そして、即座にリュウレンジャーは白虎真剣へ気力を喰わせる。このチャンスを逃すけにはいかない。


「一気に決めてる!。行くぞ、トランザ!!。はああぁぁァッッ!!!」



゙吼牙一閃゙をそのまま放てば、レッドホークも巻き添えをくってしまう。そのため、白虎真剣に喰わせた気力を刀身に纏わせたまま、斬りかかる。


「ぐっ・・・・放せ!」



グイッと手を引き、足で蹴ろうとも、頑固としてレッドホークは放さない。
いくらトランザといえど、ラディゲに深傷を負わせるほどの斬撃を受けては無事なはずがない。
この状況を作り出したのは、2人の言葉なきチームワーク・・・・・・戦友<とも>としての信頼である。


「これを・・・くらえぇぇぇッッ!!」



リュウレンジャーが白虎真剣を横振りする。白い閃光が放たれ、採掘するための石で構成された山が真っ二つに両断された。
轟音と共に崩れていく石の群が、威力を物語っている。粉塵が煙として巻きあがる。それはリュウレンジャーとレッドホークを通過し、辺りに拡散していく。
2人とも動かない。斃したことに喜びが度を超えて静止してるわけではないのだ。


「・・・・・・どうなっ・・・てるんだ?」