2人の技が決まる。そう思う矢先、トランザはその場から消え去た。


『!!?』


驚く2人。着地した瞬間に、辺りを見渡す。


「どこ!?。トランザは・・・・・・」


「こっちだ、こっち。」


慌てる2人を尻目に、トランザは街に設置されている時計の上に立っていた。


「お前達を斃すのカウントを始めようと思ってね。・・・・・・10!。」



カウントと共に高速で移動してくるトランザ。キリンレンジャーは朱雀釵を振ろうとするが、その前にボルトランザで突かれてしまう。


「キャァッ!」


空に浮いたところを、左手から光線を放って追撃を受けてしまう。



「・・・8・・・」



ウイングガントレッドで殴りかかろうとするホワイトスワン。すぐに反応し、トランザは拳撃を避けながら斬る。



「アアッ!」



「香さん!」


倒れたホワイトスワンのカバーをしようと、イエローオウルとブルースワローはビークスマッシャーを取り出す。
これならホーミング機能があるため、仲間を巻き込むことはない。


「6・・・・・・」


カウントを止めることなく、トランザはメタルトランサーのボタンを押す。
すると、2人のビークスマッシャーが浮き上がり、トランザの方へと引き寄せられていった。


「あッ・・・」


トランザは胸の前で交差している手に、引き寄せたビークスマッシャーを取る。それを持ち主であるイエローオウルたちに向けて発射する。


「うわぁッ!」


「うゥ・・・」


誘導ビームによってイエローオウルとブルースワローが撃たれる。その後、即座にトランザは背後に銃口を向ける。


「!?。ぐはぁッ・・・」


後ろから斬ろうとしていたブラックコンドルは空中で誘導ビームをモロに受け、墜落してしまう。



「凱!。くっ・・・」


みんなやられる。レッドホークはそうならないために、自らは翼を広げて空を飛ぶ。
そのまま上空らから落下するかのように、地上へ急速に向かっていく。



「うおおおッッ!!」



「・・・・・・3・・・」


ビークスマッシャーを捨て、ボルトランザを構える。その迎え撃とうとする姿勢は、レッドホークの読み通りだった。


「・・・・・・フンッッ!!!」



翼を広げた状態で力強く腕を振る。一気に勢いを弱め、一瞬空中で一時停止する。
通常の人間ならばGの衝撃で内蔵が痛むが、バードニックウェーブで強化されてる体だからこそ出来る急速空中停止、虚を突いてバードブラスターを取り出す。

「これで!」


トリガーを弾いて撃ち出す。しかし、トランザはすぐに反応して体を捻る。


「この距離で避けた!?」


光線は地面を削る程度に終わり、レッドホークは着地してブリンガーソードを振るう。


「甘いな!!」


「な、何だこれは!?」


トランザの剣撃を、レッドホークは素直に受けてしまう。その様子をリュウレンジャーは理解できずに見ていた。
防げない攻撃ではなかったはず。それなのに斬られてしまうとは。
驚いているリュウレンジャーの前にはトランザがいる。白虎真剣を構え、迎え討つ準備をした。