「俺たちも帰ろう。俺も、仲間と帰る。自分の世界で、生きていかないと……」
離れていた霞のジョーも、ついに『RXの世界』に戻ってきたらしい。
夏海はライダーたちの言葉を胸に、走るユウスケを見ながら、次元の壁を超え、自分の世界に戻った。



――3ヶ月後――

゙パシャッ゙

「はい。笑って~……いい笑顔ですね~。」
栄次郎の後を継ぐと決めた夏海は、修行の一環で街で写真を撮っていた。
今の被写体は、世界の崩壊が始まった時に火炎に包まれそうになった親子。
だが、今は何もない。普通の親子で、笑顔に満ちあふれている。
その時、歩いてくる男性がいた。
「……鳴滝さん……」
「君に別れをいいたくてね」
「え?」
「私も、自分の世界を探そうと思う。今度は、自分の旅をしてみたいんだ。」
士を止めるためではなく、独立した鳴滝本人の旅。ぜひ、してもらいたい。
「1枚……とらせてもらっていいですか?」
士のカメラ。鳴滝はそのカメラを見つめ、複雑な心境であった。けれども、半身が守った女性の頼みを聞かないわけにはいかない。
「ああ。お願いするよ。」