「親であるディケイドが倒されたことで、その繋がりがなくなった今、彼の世界は独立したものとなったのです。」
渡が夏海に説明する。それはつまり、ユウスケは自分や士と旅をしたことがなかったことになっている。
「そんな………じゃあ、私たちの旅は無駄……」
「記憶こそが時間。」
良太郎が口を開く。
「彼は確かに夏海さんと旅したことの記憶はない。でも、その事実がなかったわけじゃない。現に、夏海さんは覚えてる。」
その後、雄介が夏海の肩をたたく。
「彼らは士との旅を思い出せないだけだ。実際、ン・ガミオ・ゼダは倒されてる。士との出会いで得たことはその心に根づいてる。」
巧と真司が世界の侵食が治まりつつあるのを確認しながら言う。。
「だから、彼らはきっと自分の世界を守れる。自分の物語を紡いでいけるんだ。」
「新しい………歴史に向かってな………」
ヒビキと剣崎も、続く。
「君も士の言ったのを覚えてるだろう?」
「君は君の世界で、君の物語を紡ぐんだ。光夏海の物語を。」
翔一と総司も、閉じそうになる次元の壁に立つ。
「俺たちも、物語を続けるんだ」
「仮面ライダーとしてな。」