仮面ライダーディケイド 新訳完結編part.36

「夏海…………お前を…………き………」
「え？」
何を言ってるかわからない。そのまま、門矢士は静かに目を閉じた。
「いや………目を開けてください………士君！……目を開けてよ！！。士君！！！」
もう動かない士に問いかける。やがて、士の体は消滅した。まるで、夏に降る通り雨のように………。



世界の崩壊が止まり、ライダーたちはそれぞれの世界へ戻っていった。
さらに、再分離をしつつも、世界の修復が始まった。犠牲になった人々や、消滅した世界も、元に戻っていく。
夏海は、橋が残っている内にユウスケに会うべく、オリジナルライダーたちに連れられて『クウガの世界』に訪れた。
そこでは、ユウスケが変身したクウガがグロンギわ倒したところだった。
歩いてくるユウスケを、夏海は止める。
「ユウスケ………」
「……君は誰？」
「え………」
一緒に旅してきたのに、忘れるなんて……。夏海は何度も問いかけるも、ユウスケは全く面識がないという感じだった。
「悪いね……人違いだよ……」
そう言って、ユウスケは去っていった。