「士君………もういい……死なないで………あなたが死んだら、私は………」
涙が零れる。あの旅で芽生えた感情………。夏海はただ、愛しい男性を失いたくない女性の顔をしていた。
士もまた、ずっと一緒にいた女性を遺していくのは辛く、涙を流す。
「夏海………お……前は……。俺の旅を………お……前が続けてくれ………」
士は、自分を倒したライダーたちの顔を見る。誰もが悲しそうな顔をしている。
背負わせてしまったものは大きい。
「お前ら…………わかっ…………よな………。」
「ああ。俺たちは、仮面ライダーとして世界を守っていく。……お前が、そうであったように……」
光太郎含めて、ライダーたちはさっきの言葉で真意を理解していた。だからこそ、全力でディケイドを止めた。
「士……」
ようやく歩けるようななった大樹は、士の顔を見るために歩み寄った。
「よう………」
「士………僕は、君という、最高の宝を………手に入れられたのかい?」
本当に欲しかっだお宝゙。それは、仲間であり、敵であり、友・・・。


「さあな・・・お前が考えろ・・・」


静かに士をみつめる。そして、士は夏海の顔を見た。しかし、既に視力はない。