ガマグチ法師の言葉と共に、覆面が放たれる。それも一つではない、数十個の覆面がテンマレンジャーに向けられたのである。
「やべ………避けきれな……」
思った通りであった。覆面がテンマレンジャーに、次々と命中していく。
それは鉄球の如く重い攻撃で、ダメージがどんどん増してく。
「うおわァッ!」
体が浮き、更にそこへ覆面が来てどんどん後ろへ飛ばされていき、壁に激突してしまう。
「うっ…………」
「GIVE UP?GIVE UPでしょ~~~~?」
馬鹿のように笑うガマグチ法師。こんなふざけた奴に負けてなんかいられない。
テンマレンジャーは立ち上がり、右手を拳・左手を開いた状態で重ねる。
「天重星・゙重力逆転波゙!!」
テンマレンジャーの気力によって、重力の渦が作られていく。この゙重力逆転波゙ならば、あの覆面の重量を0にして、はね返す事ができる。
(あの中華野郎だって、ゴーマ怪人を斃したんだ。俺ができねえわけがねえ!)
亮はいきなり゙稲妻炎上破゙を使い、紐男爵に深手を負わす事に成功している。
あんなに弱ったらしくてもだ。だったら、自分に出来ないわけがないはずなのだ。
「破ァッ!」
重力の渦が一本に収束すると奔流と化し、ガマグチ法師に向けられる。
「そんなNO、くらわないYO~~~DA!」
もう1発、゙GAMA DUNK゙を放つ。テンマレンジャーは読み通りと思い、゙重力逆転波゙と衝突するのを待つ。
そして、双方の技がぶつかり合う。
「………な、何ィッ!?」
全く予想外の出来事が起きていた。覆面は勢いを衰えさせないままに、゙重力逆転波゙をかき消して向かってくる。
それがテンマレンジャーに命中すると、今まで以上の重さを感じた。それだけではない、何かが弾けたかのように覆面からの衝撃が伝わってきて、吹き飛んでしまう。
「嘘………だろ…………」
材木の群れに突っ込み、テンマレンジャーは転身が解除されてしまう。
痛みが全身に広がったのを確認するより早く、手が材木をどけようと動いていた。
「A~~~DIOS!!」
ガマグチ法師の声が響き渡る。将児は起き上がるものの、そこに敵の姿はない。
後に残ったのは、健一の自転車のみだ。将児の膝がガクッと折れてしまう。
「ケン坊……………」
中華街は繁盛している。土曜日は多くの人が休日であるため、客が多くて忙しい。
「亮、三丁目まで出前だ!」
「は、はい!」
以前の生活に戻った亮。相変わらず、見習いとして労働している。
今も、自転車に乗ってラーメンを届けにいくところなのだ。
店を出ると、細い道を抜けていく。その間、亮はふと思ってしまう。
これで良かったんだろうか?
三丁目の岸田さんに出前を完了した後、亮は自転車を押して、歩きながら考える。
自分が戦いたかったのは、由貴を助けるためだった。その目的を果たし、戦いから離れたはずなのに、胸のモヤモヤが晴れない。
(これでいいはずなんだ………俺は………なのに………)
「お兄ちゃん!」
「?。由貴ちゃん…………」
学校の帰りだろう。今日は土曜日で半日だから、昼時にいても不思議ではない。
「由貴ちゃん、あれから何ともない?」
「うん!」
良かった。紐男爵の内部にいたため、あの後もかなり震えていた。
こんなに幼い少女が、あと少しで生贄にされるところだったんだ。
(そういや、道士嘉挧が言っていた生贄って何だったんだ…………)
胸のモヤモヤがどんどん大きくなっていく。
「やべ………避けきれな……」
思った通りであった。覆面がテンマレンジャーに、次々と命中していく。
それは鉄球の如く重い攻撃で、ダメージがどんどん増してく。
「うおわァッ!」
体が浮き、更にそこへ覆面が来てどんどん後ろへ飛ばされていき、壁に激突してしまう。
「うっ…………」
「GIVE UP?GIVE UPでしょ~~~~?」
馬鹿のように笑うガマグチ法師。こんなふざけた奴に負けてなんかいられない。
テンマレンジャーは立ち上がり、右手を拳・左手を開いた状態で重ねる。
「天重星・゙重力逆転波゙!!」
テンマレンジャーの気力によって、重力の渦が作られていく。この゙重力逆転波゙ならば、あの覆面の重量を0にして、はね返す事ができる。
(あの中華野郎だって、ゴーマ怪人を斃したんだ。俺ができねえわけがねえ!)
亮はいきなり゙稲妻炎上破゙を使い、紐男爵に深手を負わす事に成功している。
あんなに弱ったらしくてもだ。だったら、自分に出来ないわけがないはずなのだ。
「破ァッ!」
重力の渦が一本に収束すると奔流と化し、ガマグチ法師に向けられる。
「そんなNO、くらわないYO~~~DA!」
もう1発、゙GAMA DUNK゙を放つ。テンマレンジャーは読み通りと思い、゙重力逆転波゙と衝突するのを待つ。
そして、双方の技がぶつかり合う。
「………な、何ィッ!?」
全く予想外の出来事が起きていた。覆面は勢いを衰えさせないままに、゙重力逆転波゙をかき消して向かってくる。
それがテンマレンジャーに命中すると、今まで以上の重さを感じた。それだけではない、何かが弾けたかのように覆面からの衝撃が伝わってきて、吹き飛んでしまう。
「嘘………だろ…………」
材木の群れに突っ込み、テンマレンジャーは転身が解除されてしまう。
痛みが全身に広がったのを確認するより早く、手が材木をどけようと動いていた。
「A~~~DIOS!!」
ガマグチ法師の声が響き渡る。将児は起き上がるものの、そこに敵の姿はない。
後に残ったのは、健一の自転車のみだ。将児の膝がガクッと折れてしまう。
「ケン坊……………」
中華街は繁盛している。土曜日は多くの人が休日であるため、客が多くて忙しい。
「亮、三丁目まで出前だ!」
「は、はい!」
以前の生活に戻った亮。相変わらず、見習いとして労働している。
今も、自転車に乗ってラーメンを届けにいくところなのだ。
店を出ると、細い道を抜けていく。その間、亮はふと思ってしまう。
これで良かったんだろうか?
三丁目の岸田さんに出前を完了した後、亮は自転車を押して、歩きながら考える。
自分が戦いたかったのは、由貴を助けるためだった。その目的を果たし、戦いから離れたはずなのに、胸のモヤモヤが晴れない。
(これでいいはずなんだ………俺は………なのに………)
「お兄ちゃん!」
「?。由貴ちゃん…………」
学校の帰りだろう。今日は土曜日で半日だから、昼時にいても不思議ではない。
「由貴ちゃん、あれから何ともない?」
「うん!」
良かった。紐男爵の内部にいたため、あの後もかなり震えていた。
こんなに幼い少女が、あと少しで生贄にされるところだったんだ。
(そういや、道士嘉挧が言っていた生贄って何だったんだ…………)
胸のモヤモヤがどんどん大きくなっていく。