━━━ゴーマ宮━━━




誰もいない、骸だらけの中でシャダムは独り立っていた。
予想ならば、間違いなくダイレンジャーがくる。それも、コウと阿古丸がだ。
その予想は的中し、2人はすぐにやってきた。




「ほう…………わざわざ、父親に殺されにきたか。」


「父上………」



ナーガレンジャーは、本来の専用武器である゙蛇奉刺又(じゃほうさすまた)゙を取り出す。
先端は蛇の口のように刃があり、くり抜く事さえできる。



「シャダム………お前を斃す!。母ちゃんやみんなに、頑張るって約束したからな!」


それが決意。戦うと決めたのだから。


「父上、母上を愛したあなたが、なぜ………」


阿古丸は長年聞きたかった質問をする。泥ではない、本当のシャダムに。



「アヤを嫁にしたのは単なる後継者造りだ。それとも………………愛しているとでもいってほしいのか?」



「父上ェッ!!」



ナーガレンジャーは蛇奉刺又のに妖力を溜めていく。その黒い影を放つ。これが本来の゙邪牙噛衝゙である。
それをシャダムば地獄の鍵゙で切り裂き、朱い斬撃を放つ。



「うわぁ………」



吹き飛ばされるナーガレンジャー。


「クク………この地獄王に勝てると思ったか?」






゙ジャキン!゙






゙地獄の鍵゙が脇から斬り込んだスーパーリュウレンジャーの剣を防ぐ。
だが、そのまま赤龍紅焔剣から炎を出して、シャダムの周りの空気を爆発燃焼させる。
炎に飲み込まれたシャダム。スーパーリュウレンジャーはすかさず、白虎真剣に気力を含ませる。



「゙吼牙一閃!!゙」




白い斬撃が炎へ放たれる。それは炎へと入り込む。更に、ナーガレンジャーが黒い妖力波を拡散させて撃ち込む。
徹底的に叩かなければ、斃すことなんでできないからだ。



「うおォォッ!」




「ラアァァッ!!」




まだまだ激しい攻撃を続ける。通常の怪人ならば、既に灰すら残らない。










゙グンッ!゙




「!?」


「コウ、下から来るぞ!」






゙ザャギイィィィンッ!゙




2人は急いで後方へジャンプした。判断は正しかった。
なぜならば、数百はある針が山のように地面から生えているからである。



「な…………何だありゃ………」


「コウ、父上は地獄にある力をつ……………うわぁッ!!」




ナーガレンジャーが朱い数多の閃光によってズタズタにされていく。
それはまるで、地獄にある血の池みたいに朱い。


「阿古丸!」


バタリと倒れたナーガレンジャーに駆け寄ろうと、走るスーパーリュウレンジャー。



「さっきは熱かったなぁ。」



「!?」



振り向くと、そこにはシャダムがいた。左手でスーパーリュウレンジャーの首を掴み、投げ捨てる。


「ぐ……………あっ………」!!」



目の前には紅蓮の炎が迫っている。2本の剣で防ぐが、爆風で吹き飛ばされてしまう。



「うわあぁぁッ!」


転がるスーパーリュウレンジャー。キバテクターが焦げているのがわかる。



「今のば滅鬼怒゙といってな。゙地獄の鍵゙によって生み出された炎だ………。さあ、来いよ、コウ!」




「クッソオオォォッ!」